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[08/07/24]

女の腐った優しい男

 言葉は時代とともに変わる。新しい言葉が使われるようになることもあれば、ある時期まで使われていた言葉が、気が付くとほとんど使われなくなっていることもある。後者の典型が「女の腐ったやつ」だ。

 意気地なしで姑息な男を意味するこの言葉は、その前提として、女に意気地なしで姑息な性質が本来備わっていると仮定している。男女同権が社会全体にとっての課題となったいま、言語生活の表舞台から退場させられたのは当然の結末だった。

 しかし古代まで「女腐れぬ男」といえば、むしろ「女の優しさ、細やかさをさらに深めたような男」という意味の誉め言葉であった。「腐れる」という動詞そのものが、熟成した、深みのある、味わいのあるという肯定的な意味だった。女を修飾する「腐れし」も、やはり誉め言葉であった。

 源氏物語の朽木の一場面で、男が女性の理想像について語る科白は有名だ。「女のこれはしもと難つくまじきはかたくもあるかな。まことに腐れぬ方を取り出づるは、いとかたしや」(これは非の打ちどころがないという女はなかなかいない。本当に腐った=深みのある方を選び出すのは本当に難しい)。

 豆腐、味噌、しょうゆ、鮒寿司、くさや……。日本人は古来、植物性、動物性たんぱく質を微生物で分解して作る食品に親しんできた。腐敗食品の多様性を反映して、「腐る」「腐れる」を含むさまざまな慣用句が使われていた。「豆、腐れるやうな」は物腰が豆腐のように軟らかいとの意味。「鮒腐れるような心」は初恋にゆれる酸っぱい心を指した。一方で悪い意味をもつ言葉もあった。紀州方言の「腐り鯖」は、阿鼻叫喚の無間地獄という意味であったと推測されている。

 かつてはすべて腐敗ととらえられていたが、いまでは人間にとり利用できるものは「発酵」、都合の悪いものは「腐敗」とはっきり区別されている。防腐剤を含む食品が食卓上に並ぶようになったこともあり、腐敗にまつわる表現はほとんど使われなくなり、「女の腐ったような男」のように、わずかに残った言葉の用法も変わった。言語の変化は止まらない。文化人の一部は昔ながらの用法を保とうと腐心しているが、「苦労する余り常識からかけ離れた異常な主張をするようになってしまった」との誤解を生むのが関の山だ。

2008/7/19


多機能化して黒電話を再発売

 旧電電公社OBらで作る「黒電話保存会」が、多彩な機能を搭載した「愛電話」を開発した。「絶滅寸前」と言われる黒電話のシェア奪回につながるかどうかが注目される。

 「愛電話」のベースとなったのは昭和20年代まで生産されていたハンドル式の黒電話。このハンドルを操ることで、タッチパネル式の携帯電話やダイヤル式の黒電話を上回る快適な操作性を実現した。

 電話のかけかたは通常のハンドル式黒電話と同じ。ハンドルを回して交換手を呼び出し、通話したい相手の番号を継げて回線をつないでもらう必要があるが、ハンドルを一段押し込んでから回すと、黒電話に内蔵されたターンテーブルが回転、レコード針が自動的にレコードに乗り、音楽が再生される。ハンドルをさらに一段押し込むと、電話機の後ろ側の扉が開いて左右2本のローラーに巻かれた地図が飛び出し、回転によって思い通りにスクロールするしくみだ。

 一方、ハンドルを一段引いてから回すと、交換手から最寄りの写真館に自動的に連絡が入り、店主が蛇腹式の大型カメラを抱えて急行してくれる。写真は現像と焼き付けが終わり次第、指定の場所に配達してくれるので、家族や友人に送るのに便利だ。また、携帯を使って文書を作成・閲覧する人が増えていることに対応して、引き出し式の電話台もオプションで用意している。

 黒電話の致命的な欠陥といわれた移動性の悪さについては、長さ5キロまでの延長コードで対応する。このほかバッテリー切れの可能性がない、地下室やビルの陰に入っても通話できる、十分な大きさがあるので紛失しにくい、などの点で携帯電話よりも有利と、黒電話保存会の関係者は説明する。

 携帯電話の高額な通話料に悩むユーザーの間では、愛電話への関心が高まっており、電話会社各社から発売されれば販売店に購入希望者が殺到する可能性もあるが、「黒電話保存会」では、整理券を発行すれば前日から行列ができるのを防ぐことができると説明、販売手法の面で最新式の携帯電話より優れていることをアピールしている。 2008/7/14


米海軍艦船への新補給方法を検討へ

 与党・政府は、安倍晋三首相の退陣で一段と困難になったテロ対策特別措置法の期限延長や同法に変わる新法の制定を断念し、現行の憲法や自衛隊法の枠組みのなかで可能な米海軍への補給方法を検討することを決めた。

 現在、インド洋には海上自衛隊の補給艦が派遣されており、米海軍の空母や駆逐艦などへの給油・給水活動に従事しているが、特措法が11月1日に期限切れを迎えれば違憲・違法となる。そこで対米関係を重視する自民党内部で急浮上しているのが、自衛隊に頼らない補給活動の構想だ。外務省の関係者は「日本の民生技術を生かせば、自衛隊でなくても国際貢献することは十分に可能」とみる。

 国内の石油業界団体である石油連盟も、中東情勢の安定が今後の原油確保に不可欠との観点から民間ベースでの補給活動を後押しする構え。洋上とはいえ軍艦への補給活動にはテロの標的になる危険がともない、民間人が従事するのは難しいとみられていたが、池田吾郎専務理事は、省力化の技術はすでに確立済みと指摘する。

 「北海の海上油田のような無人の補給ベースをインド洋に設置したうえで、米の艦船に立ち寄ってもらい、その乗組員に給油・給水させればいい。カード式の認証システムを搭載することで、テロリストや海賊に油や水を盗まれるのを防ぐこともできる」

 無人の補給ベース設置には概算で1200億円程度が必要とみられるが、人件費を節約できることから長期的にみれば自衛隊による補給よりも割安で、将来は1リッターあたり4〜5円の値下げにつながる可能性もあるという。

 しかし、Sea Energy Large Feed(海上エネルギー大規模補給)と呼ばれるこの枠組みで、従来のような補給が継続できるかどうか疑問視する声もある。米国務省のスポークスマンも「まだ日本政府から正式な提案があったわけではないが、過去の補給活動で蓄積されたポイントが無駄にならないか、過去と同じようなきめ細かいサービスの質が維持されるかを注視している」と懸念を示した。

 そこで浮上しているのが、支援の中心となる給油・給水活動を無人で行い、ベースに常駐する少人数の作業員が幅広い付帯活動を行なうという折衷案。ブリッジのガラスが汚れていないか、灰皿が吸い殻でいっぱいになっていないか、お得なキャンペーン中のオイル交換は必要でないかなど、米側に対する心配りが要求される任務であり、人選は難航が予想されるが、首相官邸サイドから「対米関係を何よりも重視し、もうすぐヒマになる男」の推薦状が届いている模様だ。

2007/9/13


女の腐った
優しい男

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新補給方法を検討へ

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