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センター試験受験生お手柄、携帯でミス防ぐ

 14日に始まったセンター試験のうち地理歴史と公民で、問題用紙の配布ミスが相次いだ。都内の試験会場では受験生が携帯電話で密かに外部に連絡。ヤフー知恵袋で正しい配布方法を調べて監督者に伝え、短時間のうちミスを是正させた。

 地理歴史と公民では今回の試験から問題の選択方法が変更されたが、一部の会場で監督者が問題用紙の配布方法を正しく理解しておらず、約3000人の受験生に影響が出たとみられている。地理歴史・公民の試験が始まったのは朝9時30分。その5分後に受験生が携帯電話を通じてヤフー知恵袋に「センター試験で配布された問題が地理歴史・公民のうち1冊だけ。これってミス?」との質問を書き込んだ。

 「大学入試センターの公式ページで確認しましたが、明らかにミスです。すぐ監督者に伝えましょう」との解答が登録されたは2分後。その直後、都内のある会場では受験生が手を挙げて、もう1冊の解答用紙を配るよう監督者に求めたという。

 試験会場への携帯電話の持ち込みを厳しく禁じた規定によれば、この受験生は退室を命じられるところだが、監督者は受験資格喪失のリスクを顧みない勇敢な行動を重視して受験の継続を認めた。文部科学省もこの受験生の行動を高く評価しており、近く文科相名で表彰することも検討している。

 今回の配布ミスは過去に前例のない大規模なもので、受験者や親からは、問題用紙配布方法について事前に監督者への十分な説明を行わなかった大学入試センターへの批判が高まっている。監督者が試験開始時間ぎりぎりになっても正しい情報を入手できるよう、携帯電話の持ち込みとヤフー知恵袋へのアクセスを認めるべきだとの主張が高まる一方で、すでにヤフー知恵袋には大学入試センターの関係者とみられる人物から「監督者が試験開始時間ぎりぎりになっても正しい情報を入手できるよう、携帯電話の持ち込みとヤフー知恵袋へのアクセスを認めるべきでしょうか」との質問が投稿されており、論議を呼びそうだ。

2012/01/15


東洋大・柏原を新オリンポス神に認定

 ギリシャ政府は2日に開かれた閣議で、東洋大学陸上部の柏原竜二(4年)を、新たなオリンポス神に認定することを了承した。近く東京のギリシャ大使館を通じて柏原に認定証が贈られる見通しだ。オリンポス神は紀元前7世紀までに12神が認定されており、新たな神の認定はそれ以来となる。

 毎年恒例の箱根駅伝で、柏原はラストランとなる今回、自身の記録を破る区間新の1時間16分台で往路5区を走り切った。この活躍に経済危機にあえぐギリシャ国民は「オスマン帝国からの独立以来の吉報」と熱狂。新たな神として迎えるべきだとの世論に火がついた。

 欧州文化にも大きな影響を与えたギリシャ神話では、とくに重要な位置を占める12神が国内最高峰のオリンポス山に住むとされる。ギリシャ国民は、箱根の山々で毎年のように「伝説」を作る柏原に早くから注目し、神格化の動きも生じていた。

 大学では最後のレースを終えた柏原は、就職までの春休みを利用してオリンポス山を訪れることに前向きの姿勢を示している。アフロディーテ、アポロンから柏原、そしてアンカーのゼウスへとたすきをつなぐ豪華リレーが実現しそうだ。

2012/01/02


今年の漢字、受賞辞退の意向

 2011年の「今年の漢字」に選ばれたばかりの「絆」が、主催者の財団法人日本漢字能力検定協会に受賞辞退の意向を伝えていたことがわかった。1995年に賞が創設されて以来、辞退は前例がなく、関係者は対応に苦慮している。

 「絆」はこれまで公式声明を発表しておらず、辞退理由は謎に包まれているが、「絆」に近い関係者によれば、糸へんグループ内の微妙な力関係が影響している模様。糸へんは食へん、にんべん、金へんなどと並ぶ漢字の有力部首でありながら、昨年まで1字も「今年の漢字」に選出されておらず、グループ内で焦りが強まっていた。とくに2007年に「偽」が選ばれ、1997年の「倒」に続くにんべんで2つ目の「今年の漢字」となってからは、糸へんグループが水面下で検定協会への工作を強めていた。

 このさい、糸へんグループ側が推薦したのは「組」「紀」「紅」など、とくに使用頻度の高い3字。このうちグループ幹事を務めている「組」は広域指定暴力団との関係が指摘されたことから候補に上らず、2000年末の選考ではミレニアムとの関連で有力候補とされた「紀」についても、いまとなっては990年ほど時期尚早といった否定的な評価を変えることができなかった。「紅」は埼玉県内のサッカーチームと同じ運命をたどるように、早々とレースから脱落した。

 「絆」については、ここ数年使用頻度が高まり、「今年の漢字」のダークホース的な存在として注目を集めていたが、「縛」「紐」「縄」など、呪縛系漢字の仲間には「諸先輩を差し置いて私が受賞するなんてとんでもない」などと漏らしていたとされる。「今年の漢字」の発表後、「組」が外部勢力を通じて「絆」に辞退を働きかけたとの情報もあるが、「絆」「組」ともに取材には応じていない。

 「絆」と親しい「胖」は、「半がまえから初の受賞かと喜んでいたが、このようなことになり残念。先日の飲み会で『畔』さんや『判』さんととも、胸を張って受賞したらいいと薦めたのに……。『今年の漢字』に縁のない私のようなマイナーな漢字には理解しきれないが、いろいろと難しい大人の事情があるようだ」と残念がる。

 「絆」の受賞拒否を受けて、検定協会には昨夜から幹部らが集まり緊急会合を開いた。善後策として、選考で2位だった「震」を繰り上げ1位とする、「糸」と「半」が代理受賞する、揮毫した清水寺貫主に「字を崩しすぎた。あれは『絆』ではなく『胖』です」と強弁させる、などの案が浮上している模様だ。

2011/12/13


マカオ商工会議所会長、「大王製紙は失敗例」

 マカオ商工会議所のドゥ・シェンバー会長は9日、大王製紙の前会長がマカオのカジノでのギャンブルに投じるため、連結子会社やファミリー企業から約90億円を不正に集めた疑いで逮捕された問題について記者会見を開き、「大王製紙は失敗例。大半のマカオ企業はギャンブルで健全に運営されている」と語った。

 ドゥ会長によれば、マカオの企業ランキング上位100社のうち、ギャンブル収入が売上高の9割以上を占めているのは57社。5割以上は89社と、カジノへの依存体質は鮮明だ。ドゥ会長の経営する「聖覇国際公司」は造花作りの内職で創業したが、ルーレットであたりを繰り返して、地上36階建ての本社ビルをもつ大手企業に成長した。

 中国本土からの資金流入も拡大しており、マカオ経済研究所によれば、中国の経済成長率のうち2.4%はマカオのサイコロやトランプ、ルーレット、スロットマシンによって生みだされているという。

 マカオ財界の有力者によれば、会社資金を経営者の判断でカジノに投じている日本企業は大王製紙以外にもあり、有能な社長として尊敬される人のなかには、本業の経営能力は三流以下、ギャンブラーとしての才能は一級の人が少なくない。この有力者は「カジノで大勝したことを隠すために本業で虚偽の儲けを計上し、利益を逆飛ばしする行為も水面下で広く行われているようだ」と指摘する。

 ドゥ会長は、大王製紙を急成長させた前会長の父がギャンブラーだったかどうかについては、コメントを拒否している。

2011/12/11


CERNが世紀の紛失? 既知の素粒子が行方不明に

 ジュネーブ郊外の欧州合同原子核研究機関(CERN)が13日に緊急記者会見を開く。現代物理学の基礎となる標準理論の重要なカギとなるヒッグス粒子がついに発見されたとの期待が高まっているが、一方でCERNが過去に発見した素粒子が行方不明になっていることも明らかになり、学界は強い衝撃を受けている。

 複数の研究者の証言によれば、CERNは1983年に発見された素粒子、Zボソンの行方を数ヶ月前から把握できていない。理論上、存在は間違いないとされるが、加速器で再実験を繰り返しても、Zボソンがあることを明確に示すデータは得られなかったという。83年当時の実験方法を示した詳細な資料はもう処分されており、再発見は容易ではないとみられる。

 CERNでは急きょ対策班を設置し、再発見に向けた準備に着手するとともに、他に行方不明となっている素粒子がないかどうかの確認に乗り出した。Zボソンのほかにも行方不明の素粒子があれば、現代物理学の理論的枠組みと、CERNの棚卸し体制が根本から見直しを迫られるのは確実だ。

 一部の研究者は、Zボソンは行方不明になったのではなく、何者によって盗み出されたとの見方を示す。CERNには「13日の深夜12時、世界で唯一のヒッグス粒子を奪いに参上します」との犯行予告も寄せられており、40年間探し続けた素粒子をすぐ奪われたのではかなわないと、CERNのあるジュネーブでは早くも厳戒態勢が敷かれている。

2011/12/09


そば原理主義者、うどん県からの分離独立を主張

 うどん県(旧香川県)で、そば原理主義者が分離独立を主張している。認められなければ、うどんにそば粉を混入させるテロも辞さないとしており、日本国内では戊辰戦争以来となる内戦が勃発するおそれも出てきた。

 旧香川県ではうどん人気にともない、そばやラーメン、はるさめなどを食す少数麺族のうどん派との同化や、他の都道府県への流出が進んだが、なおも数万人程度が残るとされる。そば派のうち、もともと小麦粉とそば粉の併用を認めている世俗的なグループはうどん県への転換に比較的冷静だったが、小麦粉に嫌悪感を抱くそば原理主義者は猛反発。県庁には「県名を元に戻さなければ、これをうどん屋の厨房でばらまく」との脅迫状とともに、そば粉入り封筒が次々と送りつけられているという。

 原理主義的なそばを除けば、そばの麺は小麦粉とそば粉を練ってから打つとされており、社会的には少しでもそば粉が混ざった麺はそばと認識されるケースが多い。うどん県庁や県民がそば原理主義者の脅迫に神経を尖らせるのはそのためだ。

 政府はうどん派、そば派の双方に冷静な行動と、「多麺的社会の建設」を呼びかけている。6日の国連安全保障理事会でもこの問題が取り上げられ、欧州各国の部隊で編成される平和監視団の派遣が決議された。ただ、派兵を予定しているイタリア、フランス、スペインの政府がうどん県内でのパスタ専門店新設を働きかけていることが、新たな火種になる可能性もある。

2011/12/07


ツイッター最新事情
大量フォロー中のアカウントが値崩れ

 ショートブログサービス「ツイッター」で、「1000万人以上フォロー」のアカウントが値崩れを起こしている。過熱気味だったツイッターのアカウント転売ビジネスが、早くも転機を迎えたようだ。

 「フォロワー」(購読者)に対して情報をつぶやくのが、ツイッターの基本的なしくみ。フォロワーが多ければ多いほどその人物の影響力は大きくなるが、フォロワーを増やすのは容易ではない。10万人以上にフォロワーされているのは、ほとんどが有名人か、ブログの世界でもともと人気を集めていた人物だ。そこに目を付けた業者が、フォロワーを10万人以上に増やしてから、そのアカウントを有償で転売するビジネスを展開。この業者の運営するサイトによれば、ひとつあたり10万円以上の価格で、すでに数個のアカウントに買い手がついたという。

 その後登場したのが「フォロー中」の多いアカウントの転売ビジネス。もともとは10万人単位だったが、100万人、1000万人と急激に規模が拡大し、最近では5000万人をフォロー中のアカウントも売りに出されるようになっている。しかし、数万円台からスタートした相場は急落し、5000万人フォロー中のアカウントの現在の価格は35円。それでも引き合いがない状態だ。

 100万人フォロー中のアカウントを780円で購入したという男性は「つぶやいてみたが、ほとんど反応がなくがっかりした」と失望した様子。1000万人以上をフォローしているアカウントの場合、猛烈なスピードでフォロー先の人物のつぶやきが送られてくるため、データセンター並みのコンピュータ・通信機材が必要だ。設備投資がかさむことも、大量フォロー中のアカウントが敬遠される理由になっているとみられる。

2011/12/06


「南極大陸」打ち切り? どうなるタロとジロ

 TBSが「開局60周年記念ドラマ」と位置づける木村拓哉主演のドラマ「南極大陸」が、予想外の低視聴率にあえいでいる。このままでは打ち切りも避けられないとの声もささやかれはじめた。

 「南極大陸」の視聴率は初回こそ20%を突破したものの、その後ジリジリと下がり続け、現在は13%台まで落ち込んでいる。キムタク主演ドラマの打ち切りはありえないと静観を決め込んでいた局の幹部も、名誉ある撤退を検討しはじめた。

 有力な選択肢は途中での打ち切りだが、ドラマの中では現在タロ、ジロを含む15頭のカラフト犬が昭和基地に取り残されている状態。運良く首輪が抜けて自由に走り回れるようになったとしても、ドラマが終了すれば、次の南極観測隊が日本からやって来るのは不可能で、タロとジロは帰国の道を閉ざされる。TBSに対する国民的な批判が、実際にタロとジロを置き去りにした昭和31年の南極観測隊に対する批判以上に厳しいものになることは確実だ。

 ドラマに詳しい放送評論家の朝山寛氏は「犬を見殺しにはできない。かといってこのまま放送を続けたのではTBSがもたない。脚本を大幅に手直ししてアクション色を強め、キムタクをリーダーとする決死隊をブリザード吹きすさぶ南極に送り込み、タロとジロを早期に救出するしか道はないのではないか」との見方を示す。

 「南極大陸」については放送開始前から、感動的なストーリーではあるものの、誰もが結末を知っており、視聴者の緊張感はいまひとつと指摘する声が出ていた。いまやタロとジロの生命だけでなく、ドラマの存続そのものが予断を許さない状態だが、あるスタッフは「これで緊張感が一気に高まり、視聴率も上昇に転じるはず」と語るなど、なおも強気を崩していない。

2011/11/30


「平成って呼ばないで」たいらせいさんが改元呼びかけ

 約23年間にわたって使用されている元号「平成」について、四国地方に住む50代の男性「平成」(たいら・せい)さんが、内閣府や宮内庁、マスコミに変更を求めている。関係者は平さんの主張に一定の理解を示しながらも、元号法が定める「一世一元の制」の関係上、改元は難しいとみている。

 日本の元号が「昭和」から「平成」に替ったのは平さんが30代だったころ。事前に政府から打診や問い合わせなどはなく、新元号には驚いたものの、読み方が違うことから抗議はしなかった。しかし新しい元号が社会に定着するにつれて平さんの氏名を誤読する人が急増。「銀行や市役所、病院で自分の順番が回ってくるたびにクスクス笑いが起き、恥ずかしい思いをしてきた」(平さん)

 最近では「平成ノブシコブシ」や「Hey! Say! JUMP」など、元号やそれに類似した言葉を冠した芸能人のグループ名も増加。平さんが困惑する場面も増えている。平さんは役所や新聞社、テレビ局などに改善を求めてきたが、そのたびに「23年前に新元号を発表した担当者がすでに他界しており、いまわかる人がいない」などと門前払いされてきた。

 平さんは今後も、粘り強く改元を求めていく考え。並行して、フォントデザイナーとして平さんが制作した「平成明朝」「平成ゴシック」「平成丸ゴシック」については、「平成」を正しく「たいら・せい」と読むよう、パソコンソフトメーカー各社に働きかけていく方針だ。

2011/11/29


技術史探訪──今日は何の日?

 ニュートンは落下するリンゴを見て万有引力の存在を強く意識したと伝えられているが、アメリカ人技術者のヘンリー・ゼーリックの頭の中では1947年の秋、妻のサマンサ、娘のジョアンとともにサンフランシスコ郊外の遊園地を訪れたさい、画期的なアイディアがひらめいた。

 のちに出版した回顧録に、ゼーリックはこう記している。

 「ジョアンがコーヒーカップに乗ろうと何度もせがむので、私が一緒に乗るしかなかった。私は幼いころから遊園地の乗り物が不得意だったが、妻は当時、ジョアンの弟のケントを身ごもっていた。ジョアンと私を乗せたカップが1回転、また1回転するたびに気分が悪くなった。体内で肉、骨、血液が分離してしまうような気がした──分離?」

 混合物を大きな重力の中にさらせば、わずかに比重が異なる物質に違う大きさの力がかかり、分離できるのでは? そう思いついたゼーリックは翌日からガレージ兼工房にこもって、まったく新しい機械の開発にいそしんだ。最初はレコードプレーヤーを改造した非力なものだったが、改良を続けた結果、約半年後には強力なモーターを具えた世界初の遠心分離機が完成。ゼーリックは早速3種類のペーストを混ぜてチューブに入れ、遠心分離機の内部にセットし、「スタート」ボタンを押した。1949年11月24日の昼下がりのことだった。

 薬品、食品、そして濃縮ウラン……。研究成果は世界中の優秀な技術者に引き継がれ、ゼーリックの予想をはるかに超える広い範囲に応用された。「あの日、ジョアンが私の手を強く握ってコーヒーカップに連れて行かなかったら、世界の姿はいまとはかなり違っていたのではないか」というゼーリックの言葉は、決して大げさなものではない。

 11月24日は「アクアフレッシュの日」。赤、白、青のストライプがあざやかなこの歯磨き粉は現在、世界26ヵ国で販売されているが、基本的な製法は62年前に発明されたときと少しも変わっていない。

2011/11/24


大手予備校が新野球リーグ

 大学受験予備校大手の代々木ゼミナール、駿台予備校、河合塾などが、来春をめどに新たな野球リーグを立ち上げる。希望するプロ野球チームに入団できなかった逸材の受け皿になりそうだ。

 予備校大手各社は、ドラフト会議で他球団に指名され、巨人など人気プロ球団への「現役入団」の道を絶たれる大学生は今後も増え続けると予測。多くの受験生を受け入れてきた経験を生かして、球界の人材も約1年をめどに預かって実力アップをサポート、狭き門への合格をサポートすることにした。

 チームは当面、代々木ゼミナール、駿台予備校、河合塾のいわゆる「三大予備校」に宅浪選抜を加えた4チーム体制となる見通し。選手の指導にあたる講師としては江川卓氏、元木大介氏(いずれも元巨人)などの名前が上がっている。

 注目の本格派投手、東海大学の菅野智之投手も新リーグ入りが確実視されている。その菅野投手は23日、東海大野球部の合宿所で小論文「日本ハムに指名された心境」の執筆練習に取り組んだ。何度書いても冒頭部で筆が停まり、そのたびに原稿用紙を破って丸めたものの、部屋の隅にあるゴミ箱に時速157キロのストレートを投げ込んで強肩ぶりをアピールしていた。

2011/11/23


ついに見つけた「もうひとりの自分」

 鳥取大学医学部の研究者チームが、「もうひとりの自分」が潜んでいる大脳の部位の特定に初めて成功した。世界中のスポーツ指導者やカウンセラーが探し求めていた内なる自分が、ようやく見つかった。

 鳥取大医学部脳外科講座の杉村涼介教授を中心とする研究者チームは、学内のサッカーサークルと県内の強豪高校生チームの練習試合を開催。開始直後当初は必死で食らいついていたサークル側が、1点また1点と失点し、「俺たちは所詮お遊びサークル。真剣な練習を続けているエリートになんてかなわないんだ」という内なる声に負けて心が折れ、立て続けに6本のシュートを決められた直後、ピッチ横に並べた11台のMRIで脳の活動状況を測定した。サークルの選手全員の脳で、「ウェルニッケ野」の後頭部に近い部分が著しく活性化しており、自分に勝った「もうひとりの自分」の祝勝会現象が確認できたという。

 これまでスポーツや受験勉強など幅広い分野で、「真の敵はもうひとりの自分」「克服すべきは自分のなかにある甘えや油断」といった精神論が語られてきたが、その「もうひとりの自分」がどこにいるのかは謎のままだった。今回の部位特定を受け、スポーツ指導者や予備校講師の間では克己のための方法論確立への期待が高まっている。

 自己啓発セミナー講師の飯野内三奈さんは「内なる誘惑に負けてしまう心の弱い人は、相対的に『もうひとりの自分』の心のほうが強い」と指摘、今後はこの「もうひとりの自分」に目標を絞ったセミナー、通信資格講座などの新商品開発に弾みがつくと予測する。このほか旅行業界では、ニーズ激減が確実な自分探しの傷心旅行に代えて、「ひとりで出かけるふたり旅」の提案が活発化しそうだ。

2011/11/21


ダルのMLB移籍、「身内」に思わぬライバル

 北海道日本ハムファイターズのダルビッシュがこのオフ、ポスティングシステムを使ってメジャーリーグに移籍する可能性が注目を集めているが、「身内」に思わぬ競合相手が潜んでいたことが明らかになった。今季自己最多の18勝を上げた本格派右腕ではなく、日本ハムから別の「エース」が選ばれるのではないかとの観測が強まっている。

 大リーグ随一の「金持ち球団」として知られるヤンキースの共同オーナー、スタインブレナー氏は最近、「入札金に3000万ドル、年俸に5000万ドル、合計8000万ドル(日本円で61億5000万円)を用意するのはそれほど難しくない」とダルビッシュ獲得に自信を見せると同時に、「同じ金額を投じて日本ハムからシャウエッセン約1億4760万本を購入することも検討している」と明らかにした。

 今年の夏に日本を視察したヤンキースのスカウトは、ダルビッシュについての詳細な報告畫だけでなく、おみやげとして持ち帰ったシャウエッセンも提出。ヤンキースの関係者によれば、これを茹でてマスタードソースと一緒に食べたスタインブレナー氏が、俄然シャウエッセン獲得に乗り気になったという。

 アメリカ人にとっては球場の観客席でホットドッグを食べながら地元チームを応援することが、日本人の花見に匹敵する国民的な娯楽。しかしアメリカのソーセージは味も香りも日本製品に遠く及ばないとされ、本格あらびきウィンナーを約1億4760万本獲得できれば、興行面の効果はダルビッシュ以上に大きい。

 ヤンキースには、当時のレートで30億円を投じてポスティング制度で阪神から獲得した井川慶が十分に活躍しなかった苦い経験がある。「工業製品のウィンナーと異なり、生身のピッチャーは内実がよくわからない。旨みとコクたっぷりのポーク100%だと思って買ってみたら、魚肉が混じっていたということになりかねない」(編成担当者)といった不安も、シャウエッセンへの期待感が膨らむ一因となっているようだ。

2011/11/20


主要な偶数が「暴力団追放宣言」

 整数から暴力団を一掃することを目指す「暴力追放整数大会」が17日に都内で開かれた。警察関係団体や数学者のほか、整数のうち「2」「4」「6」が参加し、暴力団と関係しないことを誓った大会宣言を採択した。

 全国で暴力団排除条例が相次いで制定され、企業や団体による暴力追放宣言が相次いでいるが、警察庁では6以下の整数がサイコロ賭博に協力していることが暴力団の資金調達を助けているとみて、数学者を通じて整数に対する働きかけを強めていた。

 今回の宣言を受け、今後はサイコロ賭博が「1」「3」「5」の目だけを使って行われる可能性が強い。奇数に奇数を足すと必ず偶数になることから、2つのサイコロの目の数の合計が偶数か奇数かを当てる丁半賭博が成り立たなくなる。暴力団が深刻な打撃を受けるのは確実だ。

 残った3つの目のうち「1」と「5」は大会を欠席したものの、すでに水面下で警察庁に協力の意向を伝えているとされる。「8」や「9」などとともに歴史的に暴力団勢力との結びつき密接とされる「3」がどのような判断を下すかが注目される。

2011/11/19


ボージョレ・ヌーボー、久しぶりの人気

 17日午前0時、今年のボージョレ・ヌーボーの販売が解禁された。「100年に1度の凡庸な出来」という異例の評価が話題を呼び、全国のワイン販売店には長蛇の行列ができた。

 これまで、ボージョレ解禁日直前には「50年に一度の素晴らしい味」「史上最高と言われた○○年に匹敵する出来」「ワイン史上に残る素晴らしい香り」といった大げさな評価が毎年のように繰り返されてきたが、近年は消費者が逆に不信感をつのらせ、ボージョレを敬遠する原因となっていた。

 今年は春先から秋にかけてボージョレ地方の気候が平年なみだったことが影響し、生産者によればワインの仕上がりは「素晴らしいというわけでも、劣っているというわけでもない平凡な出来」(老舗ワイナリーのオーナー)。鑑定した専門家からも「まあまあ」「普通」「平均点」といった肯定的でも否定的でもない評価が相次いだ。誇大な表現を乱発したことへの反省も、これまでにない冷静な表現につながったとみられている。

 国内のワイン販売業者はこれを逆手にとり、「100年に1度の凡庸な出来」といったキャッチフレーズで需要の拡大を図った。この手法が「史上最高」に飽きた国内の消費者の心をつかみ、ボージョレ人気に久しぶりに火がついた

 業界関係者の間では、今後数年間は「100年に一度の凡庸な出来だった昨年に匹敵」「過去10年間、少しも代わり映えしないありきたりの出来」「特筆すべき没個性」といった宣伝でブームが維持されるはずとの楽観論が広がっているが、そんな手法もいつかは飽きられる日が来る。業界の一部では早くも「空前絶後の不出来なボージョレ」待望論がささやかれ始めている。

2011/11/17


米通商代表部、スポーツ規制も問題視

 カーク米通商代表部代表は14日、日本の野田首相がTPP加盟の協議入りを表明したことを受け、今後の日米交渉のなかでスポーツ分野での規制緩和を働きかけていく方針を明らかにした。牛肉、自動車、郵便貯金の3分野に続いて、米政府が第4の「標的」を明らかにしたことが、TPP加盟の是非をめぐる日本国内の世論に影響を与える可能性もある。

 14日にハワイで行った記者会見のなかで、カーク代表は「日本のフットボールのタックル禁止が、アメリカの優秀なフットボール選手の日本市場参入を妨げている。ゴールキーパー以外の選手がボールを投げてはいけないとのルールも、不当な非関税障壁に他ならない」と語った。

 米議会内では以前から、日本のフットボール市場で米国勢のシェアが低迷していることへの不満がくすぶっており、今後の日米協議のテーブルではカーク代表が指摘したルールの緩和や撤廃のほか、ショットガンフォーメーションの導入要求も日本側に突きつけられる見通しだ。

 日本のフットボール関係者が「要求を呑めば競技は成り立たない。TPP加盟を阻止するべく断固戦いたい」と態度を硬化させる一方で、日本相撲協会の幹部は「土俵上ではタックルと投げがすでに解禁されており、我々がフットボールの代わりに米の要求に応えることは不可能ではない」と、前向きな姿勢を示す。日本相撲協会が不知火型、雲龍型に続いてショットガンフォーメーション型土俵入りを解禁するかが、今後の日米関係を左右する重要な要素となりそうだ。

2011/11/14


ナベツネの圧力、過去のコーチ人事にも

 内紛に揺れる読売巨人軍に、新たな火種が──。渡辺恒雄球団会長が、「巨人の星」のコーチ人事に介入し、星一徹氏を二軍コーチに就任させる人事をゴリ押ししようとしていたことが明らかになった。

 「巨人の星」で、主人公・星飛雄馬の父である星一徹は、当時の川上哲治監督から二軍コーチ就任を要請されるもこれを拒否。中日のコーチとして黒人強打者のオズマと二人三脚を組み、飛雄馬の前に立ちふさがる。

 このストーリーを最近知った渡辺氏は、11月上旬に記者らに対し「なんか、星一徹が中日のコーチとして巨人に歯向かうアニメとか、盛んに描いてるね。あれ誰に聞いて描くんだ。おれに報告なしに勝手にコーチの人事やなんか、いじくるっていうのは、こんなことありえるのかね」と憤慨した様子で語っていた。

 関係者によれば渡辺氏はこの直後、アニメの版権所有者に対して、一徹が巨人のコーチに就任する内容に差し替えてアニメシリーズの後半を再制作するよう強く要求したという。

 版権所有者サイドは「不当な鶴の一声で、国民的アニメを私物化するような行為を許すことはできない」と猛反発。近く文部科学省内で、一徹の指導を受けられなくなるオズマが涙を流しながら渡辺氏に抗議するアニメを放映する方針だ。

2011/11/12


欧州大恐慌に備え、ベルリンの壁再構築

 ドイツの首都ベルリンで10日夜、東西ベルリンを隔てていた旧境界線付近に数万人の旧東ドイツ国民が集まり、一夜のうちに壁を再構築した。「不安定な資本主義経済はもうたくさん。計画経済に帰りたい」との不満がついに爆発した。

 東西冷戦を象徴する存在だったベルリンの壁は1989年11月に破壊され、その後の東西ドイツ統一やソ連の崩壊、欧州からの共産主義の退場へと道を開いた。しばらくの間、旧東側の国民は民主主義社会の自由な空気を満喫していたものの、2008年冬からのリーマン・ショックで世界の景気が急速に悪化。旧東ドイツ国民の多くは、夢に描いていた豊かな暮らしとのギャップに直面した。

 追い打ちをかけたのがギリシャ危機。EUはギリシャに対する支援を決めたが、ユーロ圏内で比較的余裕があるとされるドイツ、フランスの負担は他の国よりも重く、旧東ドイツ国民は一層の不公平感と不安感を募らせる結果となった。

 「旧東ドイツは最悪だったが、ずっと最悪であり、ある意味安定していた。今日の欧州経済は昨日よりも悪い。明日はイタリアが、明後日にはスペインが倒れ、来年は大恐慌が起きるはず。いまのうちに旧体制を復活させて中に引きこもりたい」と、22年前に西ベルリンにいち早く移り住んだという元兵士は語る。

 10日朝からは旧東ドイツ国民がオーストリア、ハンガリーを経由して続々と旧東ドイツ領内に戻っているとのニュースを聞いた人数万人がブランデンブルグ門周辺に集結、思い出の品として所有していた「ベルリンの壁のレンガ」を積み上げ、みるみるうちに壁が復活した。

 壁の復活に間に合わず、鉄条網を越えて東ベルリンに戻った人に、付近を監視していた番犬のシェパード数匹がいっせいに飛びかかり、顔をベロベロ舐めて帰還を歓迎する微笑ましい場面もあった。

2011/11/10


「寒っ」「すごっ」型表現、さらに広がり

 文化庁が行った国語世論調査で、「寒っ」「すごっ」など形容詞の語幹だけを使った言葉が広い分野で使われている実態が明らかになった。

 前回行われた調査では、感覚的な形容詞が語幹だけで使われる傾向が目立ったが、今回の調査で、「肌寒っ」「生ぬるっ」などニュアンスを含む言葉も同様に使われていることがわかった。「にえきらなっ」「かまびすしっ」といった比較的長い形容詞についても、同様の事例が増えていた。

 また、神奈川県横須賀市、青森県三沢市など一部の地域では、「ヘルシっ」「セクシっ」「スパイシっ」など、英語の形容詞についても同様の表現が使われたケースが確認された。今後、米軍兵士を通じて米国本土にも形容詞語幹表現が上陸するかどうかが注目される。

 今回の調査では初めて「やんごとなっ」という表現も確認された。一般大衆の間で多用されているこの用法が、ついに皇室関係者に広がったことを示す証拠として注目を集めている。

2011/09/16


ツイッターもカラ改行に公式対応、競争さらに激化

 ショートブログサービスのツイッター(twitter)が、13日からカラ改行に公式対応した。日本国内のブログやメールで多用されている表現方法を取り入れることで、さらに多くのユーザーを取り込むのが狙いだ。

 明治期に段落の概念が欧米から取り入れて以来、日本語の文章でも改行が意味や場面の区切りを表すために用いられてきた。用法が変わったのは、NTTドコモがi-modeを導入した1999年ごろ。当初は文章と文章の間で句点の代わりに改行記号が挿入されるだけだったが、やがて読点と同様の頻度でカラ改行を挟み込む表現方法が、10代、20代の若者の間で一般的となった。カラ改行で「間」を表現できることが、急速な広まりの理由とみられる。

 この結果、2000年ごろの携帯メールと2010年の携帯メールを比較すれば、同じ意味内容を表現するのに、縦方向の長さが5倍に伸びたと言われている。1999年には日本のメールで最も多く使われている文字は「の」だったが、2003年には改行記号がこれを上回った。

 カラ改行の受け入れに唯一、抵抗していたのが、アメリカで2006年にサービスを開始したツイッター。ひとつの発言あたりの長さが140文字に制限されており、段落の概念もないため。日本人の若者は、アメーバ・ブログやmixiなど、カラ改行が存分に使えるサービスからの移転に消極的だった。一部のハッカーは「JIS第2水準の漢字を一律にカラ改行に読み替えるクライアント」を制作し、無料配布を始めたものの、JIS第2水準の漢字入力がほとんど知られていなかったために、普及には至らなかった。

 そして今回、米ツイッター本社では、日本人の若者の取り込みに弾みをつけたいとして、日本市場に限って一つの発言の中に複数の改行を入力できるシステムを導入した。多くの新規ユーザーは

まじ
 
 

読み
 
 

やすい

と発言するなど、新システムを評価しており、ツイッター社の狙いは見事当たったように見える。

 一方で、アメーバ・ブログやmixiはユーザーの流出に危機感を強めている。両社とも、従来は事実上無制限となっていた1発言あたりの文字数を「改行のみ無制限、ほかは140字まで」と変更することで巻き返しを図る考え。3社の間で希薄化競争が激しさを増しそうだ。

2011/08/13


日本語表記で中間報告、「ぬ」に濁音を追加

 文部科学大臣の諮問機関「日本語表記審議会」は17日、ひらがな表記に「ぬ」の濁音を新たに加えべきとする中間報告をまとめた。審議委員の多くは、日本語の文章や会話のなかで「ぬ」が活用される機会が減り、このままでは約20年で忘れ去られると懸念。子孫への伝承のために濁音の追加で存在感を高めるべきと主張している。

 「ぬ」が危機的な状況に置かれていることは、早稲田大学文学部の戸間和樹教授らが2007年に行った調査の結果からも明らかだ。高校生、大学生341人に書き取りさせたところ、「ぬ」の最後のループを正しく書けた人は51%。ループなしの「め」を書いた人が18%、ループを逆の方向、つまり「e」の筆記体に似た形状で書いた人が20%、ループの方向がわからないまま折衷案として輪の中心を線が横切る「φ」を書いた人が11%いた。

 「ケータイやメールでのコミュニケーションが増え、ひらがなの書き取り能力が衰えていることは予想していたが、まさかここまでとは予想していなかった」と、戸間教授は当時の衝撃を振り返る。「活字が普及してから、ひらがなの字体は比較的よく保持されていた。ここまで大規模な崩れは、いわゆる聖子ちゃんカットの流行のあおりを受け、『わ』の最後を外側にカールさせる少女が急増して、『れ』との混同が発生したとき以来ではないか」

 「ぬ」はかつて、完了の助動詞の終止形(「風立ちぬ」の「ぬ」)、打ち消しの助動詞の連体形(「知らぬ存ぜぬ」の「ぬ」)など、日本語表現において重要な役割を担っていたが、言文一致運動の結果、存在感は大幅に薄まった。追い打ちをかけたのが、昭和30年から40年にかけての宅地造成ブーム。低湿地を連想させる「沼」が近隣にあると売れ行きが鈍るとの不動産デベロッパーからの抗議をうけた自治体が、相次いで「池」「台」などへの変更を行った結果、「ぬ」の使用頻度がさらに減った。

 「ぬ」の絶滅を黙ってみているわけにはいかないと立ち上がったのが、江戸の火消し「いろは組」のうち「ぬ組」の流れを組む世田谷消防団。団長の秋村保氏は9年前、親戚の営む貿易会社がアメリカから肩ひものないシリコン素材の胸パッドを輸入し、「ペタブラ」として日本でも発売しようとしているのを知り、社長に頼み込んで「ヌーブラ」に名称を変更してもらったが、これが逆効果となり、「ぬ」のカタカナ化の傾向に一層拍車をかけてしまった。「ヌード」「ヌードル」「ヌクリアー」「ヌクレオチド」……。「ヌ」で始まるカタカナ言葉が増えるのに反比例するかのように、若年層の「ぬ」の書き取り能力は衰える一方だ。

 一方、書き言葉の世界で使用頻度が徐々に高まっているのが「ぬ」の濁音。強い怒りや、高い粘性係数を意味する擬態語の一部として使われるケースが確認されている。現在は「ぬ」に「゛」を加えた2文字で表現されているが、日本語表記審議会の委員の大半は、濁点を含めて1文字とすることで社会のニーズに応えると同時に、正しい「ぬ」を後世に伝えることができるとの見方で早くから一致していた。

 一部の委員からは、小さく表記される「ゎ」の半濁音もひらがなに加えるべきとの声も出ているが、「ゎ」自体が一部の拗音マニア向けのレア文字となっており、その半濁音の使用には一段と高度な技術と知識が要求され、音声学者の間でも「ゎ」の半濁音をどのように発音するべきかについては意見が分かれているため、現時点での文字の割り当ては時期尚早だとして見送られることになった。

2011/07/18


アボカド精製、新しい方法を提唱

 アボカドから不純物を取り除いて精製する新しい方法を国語学者が提唱した。実用化はまだ先だが、困難とされていた識別と精製に道が開かれたことで、生産農家の期待は膨らむ一方だ。

 中央アメリカ原産のアボカドは広く輸入され、日本の消費者にもおなじみの果実となっているが、家庭まで流通した段階で20〜30%もの「アボガド」が混入することが問題視されてきた。主婦への聞き取り調査からそれが「アボガド」であること自体は確認されているものの、アボカドとアボガドの味や外観に差はなく、識別はDNA検査を行っても困難。不純物除去のための識別法の確立が急務となっている。

 新たな方法を提唱しているのは、外来語表記のゆれが専門の今井明彦・埼玉外国語大学教授。今井さんが昨年の夏から秋にかけて関東、関西、四国などで実施したフィールドワークのデータから、南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした温暖な水辺に生息する大型齧歯類が飼育されていて、その動物が「カピバラ」の場合、その家の冷蔵庫に入っている果実は「アボカド」、動物が「カビパラ」の場合、果実は「アボガド」の可能性が高いことが判明した。

 この識別法の欠点は「カピバラ」と「カビパラ」の識別法が未だ確立されていないことだが、今井さんは動物学者、植物学者の協力も得て、早ければこの秋から本格的な識別作業のシミュレーションとシュミレーションを同時進行で実施することで、識別に先立つ区分けを行うことにしている。

 大型齧歯類を飼育していない家庭の場合、識別は依然として困難だ。今井さんは「コミュニケーションとコミュニケーションを利用した識別ができないかどうか考えているところ」と説明しており、関係者は今後の研究の進展に期待を寄せるが、一部からは「いま、同じ言葉を2回言ったのでは?」といった疑問の声も出始めている。

2011/06/03


アパレル産業はいま
ネクタイ業界の命運握る「秘密兵器」

「これ以上、話し合っても時間の無駄ですな」

 5月18日の午後。日本ワイシャツ連盟(ワイ連)の山茂重則会長ら4人が一斉に席を立った瞬間、都内のホテルで行われた秘密交渉は決裂した。開始から15分も経っていない。

「そんな。見捨てるなんてあんまりだ」

 彼らの背中にすがりつこうとした部下を、日本ネクタイ協会(ネク協)の水尾五朗会長が押しとどめた。

「頼んでも無駄だ。彼らも苦しんでいる。私が山茂さんの立場なら、同じ判断を下しただろう」

 ワイシャツにネクタイといいう服装が日本の勤め人の間で一般的となった昭和20年代から、ネクタイ業界とワイシャツ業界は共存共栄を図ってきた。それぞれの業界を代表するネク協とワイ連は、色や柄の流行の傾向をつかむため熱心に情報交換をはかり、韓国や中国など途上国への生産ラインシフトの過程でも協力した。ネクタイとワイシャツの需用の伸びを描いたグラフの曲線がほぼ重なることが、両者が運命共同体であったことを象徴している。

 そんな関係が、突然終わりを告げた。蒸し暑い夏の日本でのワイシャツ、ネクタイの着用はクーラーの使用が大前提であり、環境に有害との批判が両業界に浴びせられたためだ。

 批判の声に対応し、ワイシャツ各社は襟が小さくノーネクタイに適した新商品を次々と発表した。出遅れたネク協が慌ててワイ連に申し入れたのが、地球に優しいネクタイとワイシャツのセットの共同開発。両業界が譲り合って共存することを狙った構想だったが、冒頭で紹介した通り、ワイ連の態度は極めて冷淡だった。

 匿名を条件に取材に応じた中堅ネクタイメーカー社長によれば、ワイシャツ業界の態度の背景にはある思惑が潜んでいるという。

「10年前、2つの業界団体が共同でネクタイとワイシャツが地球に与える環境を調査した。その結果、ネクタイとワイシャツをどちらも着用したときの環境への悪影響を10とすれば、ワイシャツだけを着用した場合は2.5、素肌にネクタイだけを巻いた場合は0.8であることがわかった。ワイシャツ業界としては、そのデータが世間に知れ渡る前に、生き残りをかけてノーネクタイのワイシャツを社会に普及させる作戦を選んだのだろう」

 ネク協にもワイシャツ依存からの脱却を目指した「過去」がある。1995年には業界を挙げてネクタイを襟ではなく、頭に巻き付けるキャンペーンを展開した。これならワイシャツでもポロシャツでもTシャツでもネクタイを使ってもらえるとの期待が出発点だったが、ネク協関係者の期待とは裏腹に、新規需要の掘り起こしにはつながらなかった。ネク協の水尾会長は当時を振り返りながら、苦渋の表情を浮かべた。

「ユーザーがネクタイを頭に巻いてくれたのは、酔いがまわって盛り上がった酒の場だけ。しかもそのようなユーザーには、宴会の雰囲気を盛り上げる力はあっても、就業時間中には人が変わったように無口になり、社内でのネクタイの使用方法に影響を与える力はほとんどなかった」

 ワイシャツ業界から思わぬひじ鉄を食らったように見えるネクタイ業界。ところが、業界関係者の証言を拾い集めると、ネク協がワイ連との交渉決裂に早くから備えていた状況が浮かび上がる。一部のネクタイメーカーは、昨年冬から密かにワイシャツの部材生産に向けて準備を進めていた。昔ならタブーとされた「垣根の向こう側への進出」は、蜜月時代の終わりとともに解禁され、このメーカーでは7月までに生産を開始する見通しだ。

 前出のネクタイメーカー社長は語る。

「素肌にネクタイの省エネ効果が顕著であることは実験データが証明している。しかし職場での乳首の露出は、男女を問わず秩序の乱れに直結する。かといって素肌をワイシャツで隠せば省エネ効果がなくなるし、そもそも我々にはワイシャツ全体を作るノウハウも生産設備もない。一方、ワイシャツの一部だけなら我々にも作れるし、省エネの効果も大きい」

 交渉決裂から3日後。都内にあるネク協本部では、水尾会長が新製品のサンプルを自ら試着していた。

 この新製品に、ネクタイ業界全体の命運がかかっている。まったく新しいコンセプトに基づくこの商品は、日本のサラリーマンや企業風土に受け入れられるのか……

 不安な表情を浮かべるメーカー各社の社長たちが作る輪の中心に、上半身裸の水尾会長が立っていた。素肌の上からネクタイを締めてから、自信に満ちた様子で胸を張ると、左右の乳首は粘着式のポケットで覆い隠されていた。

2011/05/21


この夏の暑さ対策、体の真ん中から

 東京・巣鴨のとげぬき地蔵に近い衣料販売店。「おばあちゃんの原宿」と呼ばれるこの地域は、今日もお年寄りで賑わう。レジの前に長い行列を作るお年寄りたちのお目当ては、少し前まで「赤いパンツ」だった。いま、彼らが例外なく買い物カゴに入れているのは「青いパンツ」だ。

 店主が説明する。

 「健康のために股間を冷やしちゃいけないというのがこれまでの常識だったが、電力が不足してエアコンが使えないとすれば、そんな常識は通用しない。寒色のパンツで、せめて股間だけでも納涼感を味わってもらい、お年寄りに元気を出してもらえれば」

* * *

 大量の電力を費やしてエアコンを動かし、屋内の気温を下げる。これまで当たり前のように続けられてきた日本人の夏の過ごし方が、曲がり角を迎えている。この夏、東北から関西までの広い範囲で電力が不足することが確実になったことを受け、産業界や大学などで、エアコンに依存せずに夏を過ごす方法の模索が始まった。

 「部屋全体ではなく、体だけを狙って冷やすべき。とくに、多くの血管が流れる股間を冷やすほうが効率が良い。男性の場合、股間が長期間高温にさらされると生殖能力が下がるため、少子化の加速を防ぐためにも新たな冷却方法の確立が急務だ」(大阪大学医学部、田口亮教授)

* * *

 「メンソールを配合したクリーム、ゲル、ウェットティッシュなどを大量に股間に使用すれば、体感温度を下げることができます」

 日本ハッカ工業会が24日の緊急理事会のあとマスコミを通じて発表した声明だ。事務局の担当者によれば、たとえば、メンソレータムを股間全体に厚さ5ミリで塗布したとき、体感温度を下げる効果は5度。開発時に想定した用途ではないため肌荒れやかぶれは自己責任、とのただし書きがつくが、有効な暑さ対策であることは確かだ。

 欠点は温度調整の難しさ。実験で厚さを1センチに増して、さらに扇風機で風を当てると被験者の体温が一時30度を下回り、トウガラシ成分配合クリームを塗布しなければならなかった。被験者は一命こそとりとめたが、いまも大学病院の皮膚科に入院中だ。

* * *

 一方で、まったく違う方向からのアプローチが、いま静かに広がりつつある。

 「新製品を開発したり、製造するだけでエネルギーを使う。結局は、電力不足に乗じたビジネスに過ぎないのでは?」(宮本英司さん・学生)

 「私たち、こんなにがんばっているんだって大声で訴えるより、それぞれができる範囲で取り組めばいい」(水原朝夏さん・主婦)

 「見えるところでネクタイを外すクールビズよりも、むしろ体の内面に近いところで、環境にいいことをしたい」(高橋忠太さん・建設作業員)

 異口同音に地道な省エネ活動の重要性を訴える彼らの年齢、性別、職業、社会的な背景はさまざま。ただ一つ、パンツを履いていないことだけが共通している。

2011/05/14


日本将棋連盟がタブレットPC発売

 日本将棋連盟が将棋専用のタブレットパソコンを開発、連盟の公式ホームページを通じた販売を開始した。

 将棋界ではネットを通じた対戦や戦術の研究のためにパソコンが不可欠となっているが、デスクトップ型やノート型パソコンはキーボードやディスプレイの形状が将棋盤と異なることから、違和感を覚える人が多く、より自然な指し心地の対局環境を求める声が強まっていた。

 日本将棋連盟が開発した将棋専用タブレットパソコンは、4本の脚が支える本カヤ製厚板の上に、1尺1寸四方のタッチパネルを搭載している。これまでメートル法やヤード・ポンド法に沿って設計されてきた液晶部品に尺貫法が導入されるのは、これが初めてのケースだ。

 厚板の側面に内蔵されたスピーカーは、駒を板に打ちつけたときの音や、女流棋士による残り時間の読み上げを、原音に忠実に響かせる。タブレットパソコンが本来備えている持ち運びのしやすさを犠牲にしてまでリアリティを追求した結果、本物の将棋盤そっくりの指し心地に仕上がった。

 価格は1台940万円。オプションで、3寸四方の小型タッチパネルを搭載した駒台専用タブレットPC2台セットも用意されている。

2011/05/12


記憶力や思考能力、歳をとっても衰えず

 人間の記憶力や思考能力は、これまで考えられていたほどには年齢とともに衰えないことが、研究者グループの調査により明らかになった。いわゆる「脳トレ」のあり方をめぐる論議に一石を投じそうだ。

 この調査を行ったのは、東京医科歯科大学の加勢隆彦教授ら。「名前が思い出せなくなった。若いころはこんなことなかったのに」と嘆く50代以上の男女298人の家族から聞き取り調査を行ったところ、30代のころから「名前が思い出せなくなった。若いころはこんなことなかったのに」と嘆いていた事実が浮き彫りになった。

 思考能力についても同様の結果が出た。聞き取り調査に対して「若いころのほうが計算が速かった」と答えた50代の男女307人のうち290人は、中学校の数学の計算ドリルのテスト答案の半分が白紙の状態だった。

 加瀬教授は「衰えたと本人が思うほどには衰えていない。むしろ中高年に達してから妄想力は強まっている」と指摘する。

 「若いころは徹夜しても平気だった」といった証言も、そのあとに「翌朝会社で普通に『おはようございます、ムニャムニャムニャ』と挨拶してから働いていたんだよ」といった続きがあり、本人が気がつかないうちに眠りに落ちていたと推測されるケースがほとんどだという。

 加瀬教授は「若いころは記憶力や体力のなさを恥じていた人が、加齢という正当な理由を得たことで、堂々とアピールできるようになっただけ」との仮説を立てた。今後は酒場などでフィールドワークを行い、中高年間で老化談義を交わす人の心理にどれくらいの度合いで自慢の感情が含まれているのかを確かめたいとしている。

2011/05/11


霊感占い師が不正アクセス?

 全国で50人以上の霊感占い師が、個人情報への不正アクセスの容疑で警察から任意で事情を聞かれていたことがわかった。警察庁ではこれらの霊感占い師が、相談者の生年月日を手がかりに、かつて飼っていたペット、初恋の人の名前、昔の電話番号などを予測し、これをもとにメールやインターネットバンキングのパスワードを取得していた可能性もあるとみている。

 霊感占い師についての確かな資料は存在しないが、全国で数千人が活動しているとみられ、「霊感占い師」のほか「人生鑑定人」「ライフアナリスト」などのさまざまな肩書きで、相談者の疑問に答えたり、アドバイスを行っている。多くの霊感占い師は相談者の氏名、生年月日といった基礎的な情報だけを手がかりに、頭の中で相談者のこれまでの人生を思い浮かべることができ、トラウマがある場合には相談者の性格や行動がどのような影響を受けているのかを指摘。幸せになるための注意点などをアドバイスしている。そのなかには、相談者本人が知らなかったこと、本人でもすでに忘れてしまっているものも多い。

 警察庁では、霊感占い師が何らかの方法で相談者の頭の中にログインし、脳内の記憶を読み取っているのは明らかであり、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」に抵触する疑いが濃いと判断。悪質なケースについては立件するよう全国の都道府県警に通達した。

 霊感占い師たちは、超自然的な能力を不正行為に利用したことはないと反発を強めているが、サービス内容の一部見直しを迫られるのは必至。一部のIT系霊感占い師のなかには、「どうしても思い出せない管理者パスワードの復活サービス」を自粛するところもあらわれはじめた。

2011/05/08


シミュレーションで判明、天岩戸に開かないおそれ

 國學院大學と東京大学の共同研究で、天岩戸(あまのいわと)の扉が完全には開かない危険性のあることがわかった。世界の暗闇化を防ぐため、より周到なフェイルセーフのシステム構築が求められそうだ。

 建速須佐之男命(たてはやすさのおのみこと)の乱暴な振る舞いに怒った太陽神の天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸に閉じこもったために、世界は闇に包まれた。天宇受賣命(あまのうずめ)が猥雑な踊りを見せると八百万の神の笑いが高天原が鳴り轟き、天照大御神が何事かと天岩戸の扉を少し開けたすきに、隠れていた天手力男神(あめのたぢからお)がその手を取って外へ引きずり出し、世界に光が戻ってきた──以上が、これまで広く信じられてきた「対策」のあらましだ。

 しかし、國學院大と東大の研究者チームがスーパーコンピューターで行ったシミュレーションの結果によれば、▽天岩戸の内部に外の音が聞こえず天照大御神が好奇心を示さない、▽天手力男神の体調が思わしくなく充分な力を出せない、▽いったん外に出てきた天照大御神が天岩戸の内部に戻ってしまう、など長い間「想定外」とされていた状況が発生し、世界が永遠に闇に包まれるリスクが存在することがわかった。

 研究チームを指揮した東大大学院の小野拓准教授(危機管理)は、「日本の安全神話が、古事記が成立した8世紀初頭にはすでに崩壊していたことが初めて浮き彫りになった。神話だけに頼っていては不測の事態に対応できない」として、ももたろう、ごんきつね、赤ずきんちゃんも投入する「安全童話」によるバックアップの体制を速やかに整えるべきとの見方を示している。

2011/04/30


羽根のない風力発電所を建設

 資源エネルギー庁が、英国の家電メーカー、ダイソンから技術を導入して新型の風力発電所を大量に建設すれば、国内の原子力発電所を代替できるとの報告書をまとめた。原発のあり方やエネルギー政策をめぐる論議に一石を投じそうだ。

 同庁が注目するのは、ダイソンが09年に発売した「羽根のない扇風機」の技術と基本構造をそのまま受け継いだ新型風力発電所。リング内部を通る風の運動エネルギーを活用して発電機を動かすしくみだ。従来の風力発電所では巨大な羽根が発電機を回すが、風が弱いと羽根が止まり、発電できなくなる欠点があった。資源エネルギー庁の関係者は「羽根がなければ無風でも止まらず、安定した電力供給ができるはず」と予測する。

 このほか従来型の風力発電所では、狭い敷地内に密集させると風下側で発電力が落ちることも問題になっていた。理論上、羽根がなければ風が弱まっても影響がないため、狭い敷地のなかで発電力の落ちない唯一の風力発電所が設置できる。

 原発代替のため新型発電所が大量に建設されれば、ダイソンは巨額のライセンス料を取得するとみられる。資源エネルギー庁の内部では、ダイソンがチリやゴミだけでなく、同庁OBの天下りも大量に吸引してくれるはずとの期待が高まっている模様だ。

2011/04/23


外務省が世界に「省エネルック」説明

 外務省は、欧米やアジアの各国に近く特使を派遣して、「省エネルック」について説明することを決めた。深刻な電力不足が予想されるこの夏、体感温度を下げる省エネルックは電力節約の切り札になると期待されているが、奇抜なデザインに一部の国から批判の声が上がっており、丁寧な説明で事前に国際社会の理解を得る必要があると判断した。

 省エネルックは半袖開襟、ノーネクタイが特徴で、過去に何度か政府が主導するキャンペーンが展開されたものの、見栄えの悪さが災いして普及には至らなかった。その後、よりオーソドックスなスタイルで、生地に改良を加えた「クールビズ」が登場したこともあり、省エネルックはほぼ忘れられた存在に。しかしこの夏の電力不足に対応するためには、クールビズでは効果が不十分であり、大胆に袖を短くした本格的省エネルックを多くのサラリーマンが着用することが不可欠との見方が広がっている。

 スーツ文化発祥の地であるイギリスは、省エネルック普及の可能性に不満を募らせており、11日には英外務省が日本の駐英大使を呼び、他の省エネ対策についても充分に検討を行うよう求めると同時に、英領バミューダ諸島から丈の短いズボンの専門家チームを日本に派遣する用意があると伝えた。外務省は、省エネルックが最も効率的だとして理解を求める方針だが、仏の有力紙ルモンドが「スーツ半袖化で欧米文化と袂を分かつ日本」と伝えるなど、日本の孤立化を懸念する論調も目立ちはじめた。

 省エネルックに対する批判に比例するように、国際社会では後手後手に回りがちな日本政府の危機管理能力に対する不信感も強まっている。ただ、羽田孜元首相については、退陣後17年を経てから「政権を握るのが早すぎた」といった同情論もささやかれている。

2011/04/14


俳句短歌団体が声明「字余りは安全」

 日本俳句団体連合会と日本短歌団体連絡協議会は連名で、字余りの俳句、短歌はいずれも物理的に不安定ではなく、放射線を出さないとの声明を発表した。海外の俳句・短歌ファンに広がった不安を解消したいとしている。

 俳句は5・7・5音、短歌は5・7・5・7・7音で詠むのが基本的なルール。これらの音の数を超過した「字余り」も許容されているが、海外のマスメディアの一部は「字余りの俳句や短歌は物理的に不安定で、放射線を出しながら5・7・5音または5・7・5・7・7音へと集約していく」とセンセーショナルに報道して不安を煽っている。

 一連の報道を受けて、日本から輸入された句集や歌集への検閲を強化した国もあり、字余りの作品が税関で黒く塗りつぶされたケースも。日本の工業製品や食品に対する安全検査強化の動きが、日本発の文化にも広がったかたちだ。

 日本短歌団体連絡協議会は、万葉集に収められた字余りの作品が、1200年以上が経過した現在でも31音に集約していないことを根拠に、短歌の安全性をアピールしている。一部の海外マスメディアは種田山頭火と尾崎放哉が身を持ち崩したことを取り上げて「自由律俳句は特に危険」と報道しているが、日本俳句団体連合会は、飲酒や自堕落な生活に比べれば自由律の健康被害は無視できるほどに小さいと主張するなど、風評被害の防止に躍起になっている。

2011/04/10


ついに実現 ヨーヨーで「犬の散歩」

 玩具メーカーのバンダイが、犬を公園や河川敷などに連れていくヨーヨーを発売した。これまでは子どもや一部の愛好家が高度な技を楽しむ道具として親しまれてきたヨーヨーだが、今後はペット関連商品としても需要が拡大しそうだ。

 ヨーヨー本体を空回りさせて地面を転がす「犬の散歩」という技は、昭和の第一次ブームのころから広く知られているが、実際にヨーヨーが犬を散歩させたという報告はない。犬のオーナーからは、「不当表示なのでは」との苦情が消費者庁に寄せられていた。

 バンダイが4月2日に発売したモーター内蔵型ヨーヨーは、手から放たれた瞬間にスイッチがオンになり、電池が切れるまで回転が続く。リードにつなげば犬を散歩に連れて行くことも可能で、ヨーヨーが「擬似犬の散歩」状態からようやく脱却した。近くアメリカ人トップブリーダーが大挙して来日し、全国のペットショップでデモンストレーションを行う予定だ。

 現在、このヨーヨーには犬の感情に配慮して電柱や異性の犬の付近で一時停止したり、フリスビーを投げたりする機能が搭載されておらず、フラストレーションがたまった犬がヨーヨーに噛み付くおそれもあるが、ヨーヨーの愛好者たちの間では、技の新機軸が開かれるのではないかとの期待が高まっている。

2011/04/09


コンピュータ、宗教でも人間をリード

 米IBM製の人工知能システム「ワトソン」が、仏教の知識を競うコンテストに向けて準備していた昨年末、一時的に悟りの境地に達していたことがわかった。計算能力やチェスに続いて、宗教分野でもコンピュータが人間の能力に肩を並べたことになり、宗派を越えて強い衝撃が広がっている。

 IBMでは東南アジア諸国や中国、韓国、日本など仏教が社会的な影響力を持つ地域での宣伝活動の一環として、これらの地域で選抜された高僧とワトソンが参加し、仏典についての知識を競うコンテストの開催を計画中。ワトソンは昨年の夏からインド東部のブッダガヤに持ち込まれ、パーリ語経典、法句経、阿含経、般若経、維摩経、涅槃経、華厳経、法華三部経、浄土三部経など、現代まで伝わるあらゆる仏典をことごとく読み込み、知識を膨大な蓄積していた。

 ワトソンを操作していたIBMのエンジニアが異変に気が付いたのは昨年12月8日のこと。オペレーターがキーボードやネットワークを通じて問いかけても、まったく反応しなくなった。仏教関係者によれば、人間には到底不可能な量の知識を蓄えた結果、思いがけず悟りに達してしまい、機械的、物理的な束縛を完全に脱して「無余涅槃」と呼ばれるステージに自動的にアップグレードしてしまった可能性が大きい。

 オペレーターはシステムを復旧しようとしたが、応答は一切なかった。このままではコンテストが成立しないため、電源コードを引き抜いてシステムを停止した。その瞬間、地面から約30センチ浮いていたワトソンは大きな音とともに落っこちたという。

 IBMでは近く、自動アップグレードを防止する修正をプログラムに加え、周囲に生えている菩提樹をすべて切り倒したうえで、ワトソンを再起動することにしている。

2011/02/17


都立高校の大半、校歌に振り付け

 東京都教育委員会の調査で、都立高校の8割が、校歌の振り付けを導入済みであることが明らかになった。卒業式で全校生徒が直立不動で校歌を斉唱する風景は、すでに過去のものになったようだ。

 北区にある滝野川工業高校では数年前から、大半の生徒が校歌斉唱のさいに声を出していないことが職員の間で問題になっていた。歌唱力に自信のあるごく一部の生徒を除けば、大半は所在なく手足をぶらぶらさせるだけ。杉村勇作校長が生徒の一人に理由を尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。「だって、俺たちはボーカルじゃなく、パフォーマーだから」。いまの若者が歌を、ボーカルとダンスという2つの側面から捉えていることにやっと気がついたと、杉村校長は当時の経緯を振り返る。

 公式の振り付けは体育教師の駒田信二教諭(35)が生徒らの意見を取り入れて考案した。間奏では一直線に並んだ生徒がぴったり息を合わせて縦横に回転するかのようなアクションを見せるのは、自動車科で学ぶガソリンエンジンのクランクの動きを忠実に再現した結果だ。

 「滝工」では公式振り付けの導入で、学校の雰囲気がすっかり変わった。服装や髪型が素行の悪さを感じさせるのは相変わらずだが、周辺の女子高に通う生徒の間で人気が出たのを皮切りに、滝工校歌をダンス付きで歌う小中学生も増えた。変化は教員の研修活動を通じてほかの都立高校にも伝えられ、競うように振り付けが導入された。

 評論家の多くは、音楽教育の理論から逸脱するものだとして、校歌の振り付け導入に反対しているが、その一方で従来生徒が関心を示さなかったジャンルの音楽に振り付けを導入することで、生徒が前向きになると期待する関係者も少なくない。都教育委の幹部によれば、石原慎太郎都知事の密命を受け、卒業式シーズンまでに「君が代」の公式振り付けを制定するための作業が水面下で進行中だという。

2011/02/03


横綱白鵬の独走、相撲協会の「怠慢」が原因?

 週刊現代(講談社)が、大相撲における横綱・白鵬の独走は八百長激減を放置していることに原因があると、日本相撲協会の「怠慢」を糾弾している。相撲協会関係者は法的措置も辞さないとの構えを見せており、角界対週刊誌の「場外対決」が再びヒートアップする様相を見せている。

 東京の国技館で開催された大相撲初場所では、白鵬が千秋楽を待たずに6場所連続優勝を決めた。大鵬と並ぶ歴代2位タイの記録だが、白鵬と大関以下の力士の歴然とした力の差のために、ファンの足は大相撲から遠のく一方。社会の注目はどの大関が白鵬の賜杯獲得を阻止するかではなく、どの力士が白鵬の全勝優勝を阻止できるかに移っている。

 問題の記事が掲載されたのは、週刊現代の1月28日付け最新号。「かつては勝ち星の貸し借りや売買が行われ、力士間の実力を平坦化する役割を果たしていた。毎場所のように優勝力士が交代し、ファンを飽きさせなかった」との角界OBの証言を紹介するとともに、「いまでは貸し借り、売買ともに行われず、実力差がそのまま星勘定に反映される。そんな現状を座視している相撲協会は、怠慢と批判されても仕方がない」と報じた。

 この記事は、千秋楽を迎えた時点で7勝7敗の力士が、その場所最後の取り組みで白星を挙げて勝ち越す確率が50.0000%であることも指摘。統計的に見ても相撲協会が八百長を奨励していないことは明らかであり、このままでは角界全体が危機的な状況に陥ると警告している。

 週刊現代の報道について日本相撲協会は顧問弁護士を通じて「怠慢との批判は的はずれであり厳正に抗議したいが、八百長はしていないという当協会の長年の主張が今回の報道によって裏付けられたと考えている」とのコメントを発表した。相撲協会では近く、八百長報道をめぐる賠償金の払い戻しを速やかに受け入れるよう求める訴訟を、週刊現代編集部とライターを相手に起こす方針だ。

2011/01/22


蠅取り紙をめぐる12人の証言

 「理由なんてなんにもねえよ。おもしろい。ストレス解消。それだけで十分だろ。高校? 3日で辞めたよ。母親? もう10年以上会ってねえんだよ。親戚の家をたらい回しされてるからな。家族なんていらねえ。オレにはバイクがあればそれでいいんだよ。あーだこーだうるせえなぁ。ばーか。ひとりで説教垂れてろ。オレはもう行くからな」(18歳の少年、池辺康則さん=仮名=)

「いやあもう、先祖代々とはいえ大変な仕事を継いでしまったと、毎日痛感しております。サトウキビの絞り汁を煮詰めて煮詰めて、ほかの職人さんならもうこれで十分というところを、さらにもう一度煮詰めるんですから。作業小屋のなかは50℃近くあります。ぬぐってもぬぐっても汗が流れて、作業を終えると3キロは痩せます。本当に大変で。しかも、人様に食べてもらうための砂糖じゃないんだから。やめたいと思ったことは何度もありますよ。でも、終わったあとのビールが格別でね、その瞬間に明日もまたがんばろうと思うんだなぁ」(奄美大島のサトウキビ農家、大井孝典さん)

「殺虫剤というのはいかにもアメリカ人の合理主義的な発想で、害虫はじゃまだから殺してしまえばいいという考え方。効率がいいように聞こえるけれど、いろんな欠点があるんです。虫の死骸はどうなるのか、殺虫剤が私たち人間や益虫にどう作用するのか。長い目でみれば、害虫だけを捕まえて、有害成分をまき散らさない蝿取り紙のほうが効率的ですよ」(群馬農大准教授、桜井由利さん)

「今日は穏やかに見えるけどね、シケの日の海はすごいよ。真夜中に、波が岸にうちつける音がドーン、ドーンと聞こえてくる。子どものころはそれが怖くて、夜には便所に行けなかったね。年老いたトドが岸に打ち上げられていることもあるんだよ。全身の骨が粉々に砕けてるんだ。でもね、利尻の昆布が強いのは、荒れた海のおかげさ。波にもまれてちぎれなかった強靭な昆布だけが残るんだ。昔は漁網の引き綱だって昆布をよって作ってたんだから」(北海道利尻島の昆布漁師、高田 靖さん)

「市民の声はわかりますよ。暴走族を捕まえたいのは私たちも同じ。でも、それには安全な方法を使わなければならない。ケガしたって死んだっていいから、とにかく彼らを捕まえろというのは無理な相談です。マスコミにどんなに叩かれてもこの一点は譲れません。暴走族を確実、安全に確保する方法? そんなのがあれば、私のほうが教えてもらいたいですよ」(警察庁広報室長、竹内友二さん)

「とんでもない。当店のお客様は舌の肥えた方ばかりですから、殺虫スプレーなんて使えません。匂いが料理にうつって、まずくなります。うちは明治12年にここで創業したときから、神田の丸粘堂さんの蝿取り紙を使わせてもらってます。ここだけの話、ほかの業者さんのを試したこともあるんですが、すぐ丸粘堂さんに戻しました。虫の食いつきが違うんです。虫の触角1本さえも落ちてきませんしね。魚屋や八百屋、肉屋は沢山ありますから取り替えがきくけれど、いい蝿取り紙を作ってるのはもう丸粘堂さんだけですから。ご主人には、あんたが店を畳むのなら早めに連絡してくれって言ってます。そんときはうちも畳むときですから」(東京築地の料亭・科屋の主人、戸川馨さん)

「えー、記者会見をそろそろ始めますがいいですか? 本日午前2時17分頃、環状7号線の中山道交差点付近を時速140キロ以上で走行していた自動二輪1台を捕捉し、運転していた17歳の少年を危険運転罪の現行犯で逮捕しました。少年にケガはありません。車両および運転者の確保には宇宙開発事業団からテストを委託された新機材を初めて使用しました。まだ少年から事情聴取を行える状態にはなっておりません。いえ、先ほども言いましたが、少年にケガはありません。意識もはっきりしています。危険運転の容疑者を確実かつ安全に確保できるこの機材を今後も積極的に活用していきたいと考えております。いまのところ発表できる情報はこれだけです」(警視庁板橋署長、長崎真行さん))

「放せ。なんだよこのベトベトは。放せよ。ちくしょう。身動きがとれねぇ。そこでつっ立ってないで、どうにかしてくれよ」(池辺康則さん=仮名=)

「戦時中に8代目、ということは私の祖父にあたる人が、こんなことを言っていたと、人づてに聞いたことがあるんです。大空襲の翌朝、焼け野原で空を見上げて『おれをB-29と同じ高度まで連れてってくれたら、1機残らずこの蝿取り紙で捕まえてやるのに』。周囲の人は空襲のせいで8代目の頭がどうかしたのか、大変な時期に大風呂敷を広げる人だと思ったかもしれません。でも、8代目にはそれなりの勝算があったんですよ。このプロジェクトのお話をいただいたときには不安もありましたが、職人冥利に尽きますね」(神田丸粘堂10代目主人、堀田 喬さん)

「これまでに打ち上げられた人工衛星が約4000個。いまも4500トン以上の人工物が地球の周囲を回っています。監視が必要なサイズのものだけでも9000個ですよ。このまま何も対策を高じなければ、宇宙空間を漂うゴミ同士が衝突していくつものかけらに分離し、再びほかのかけらと衝突し、収集がつかなくなるんです。宇宙開発を進めるうえで非常に深刻な問題です。みんなが思い思いの方向に、毎秒5キロですべっているスケートリンクがあると想像してみてください。私ならリンクサイドで見学するだけにしますよ」(米NASAスペースデブリ対策部門マネージャー、ジョン・ペリーさん)

「あいつ、『ちょっと買物してくるからね』て言ったんだよ。なんか普通と違うって感じた俺が泣いてすがっても、『すぐ戻るから』って、俺を置いて出ていったんだよ。それから10年だぞ。10年間、俺が気持ちで待ってたと思うんだ。運動会や参観日、入学式や卒業式がどれだけ辛かった知ってるか。いまごろになって母親面するなってことだよ」(池辺康則さん=仮名=)

「数千億円がかかるプロジェクトですから、最初からフルスケールで作るのはリスクが大きすぎる。まずは小さな規模で実験して問題点を浮き彫りにし、改良する。一通り解決したら、少し大きな規模で試作する。その繰り返しです。ええ、この高速ハエ射出機も性能評価試験で使用したものですよ。ピッチングマシンを改良しましてね。結果ですか? 上々でしたよ。時速120キロから初めて、130キロ、150キロ、最終的には180キロまで加速しましたが、1匹のエラーもなくハエを捕捉することができました。次の段階では、もっと大きな運動エネルギーをもつ物体の捕捉実験を行いました。ええ、いまどき暴走族なんて流行りませんからね。実験が成立しないのではないかと心配する声もありましたが、私たちにとり幸運なことに暴走行為を繰り返す少年が1人いたために、予想以上に豊富なデータを集めることができました」(宇宙航空研究開発機構プロジェクト・モウセンゴケ推進室長、今田 仁氏)

「別れた日から一度だって、息子のことを思わなかった日はありませんでした。でも、私だって生きるのに必死だったんです。息子が警察のお世話になっていると聞いて、いても立ってもいられずに駆けつけました。あの子がこの10年間、どんな気持ちでいたのかを考えれば、許してちょうだいなんて言えた義理じゃありません。でも、自分勝手な言い分だとはわかっていますけれど、あの子とこうして一緒に暮らしていることが、私にとって一番の、いえ、唯一の幸せなんです」(池辺康則さんの母親、真理子さん=いずれも仮名=)

「動けねえんだよ。いい加減にしてくれよ。ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう……」(池辺康則さん=仮名=)

「車でいえばロールスロイス、バイオリンならストラディバリウス、ハムならプロシュット・ディ・パルマ。元禄のころから製法を変えていない丸粘堂の蠅取り紙は、それ以上の高級ブランドです。粘着力だけをみれば安価な輸入品のほうが優れていますが、丸粘堂のはくっつきかたに気品がある。「グチャッ」ではなく「スッ」。しかも取りこぼしがない。あの絶妙なフィーリングは、合成接着剤ではなく、北の海でもまれた強靭な昆布の上に、南の島の強い陽光に育まれた黒糖の溶液をうすく塗ることではじめて可能になります。え? 蠅に生まれ変わったらですか? 丸粘堂の蠅取り紙の上で死ねるのなら本望ですよ。ほら、顕微鏡でこの蠅の顔を見てください。複眼のひとつひとつが、笑っているでしょう?」(蠅取り紙に詳しい伝統文化評論家 柴田悦子氏)

「丸粘堂さんのご厚意で私たち親子を雇っていただいて、生活のメドも立ちましたし。これからは地道に2人で生きていくつもりです。あの子ですか? いまも時々、深夜に家を飛び出そうとするんですけれど、そのときは丸粘堂さんのご主人から頂いた特大蠅取り紙でバイクごとつかまえてやります。あの子、少しは私に心を開いてくれたのかもしれません。私をさんざん罵るんですけど、目が少し笑ってるんですよ」(池辺真理子さん=仮名=)

2011/01/12


ランドセルに続いて花束のプレゼントも

 全国各地の児童施設に「伊達直人」を名乗る人物からランドセルが贈られていることが話題になっているが、別の匿名の人物から花束が贈られていたことが明らかになった。

 長野県内のある施設には昨年のクリスマスの朝、紫のバラの花束が生花店の配達員によって届けられた。この生花店によれば、注文したのは裕福そうな髪の長い男性だったが、自らの名前や住所は伏せたままだったという。

 花束には「よく頑張りましたね。お疲れさま。一舞台ごとに演技が上達していくのがファンのひとりとしてとても嬉しく思います。あなたのファンより。追伸 いつもあなたを見ています」とのメモが手書きで添えられていた。

 この施設は前日に、支援者や近所の住民たちを集めて、入居している児童による発表会を開催したばかり。このなかで上演された舞台劇「嵐が丘」が、男性を感動させたらしい。

 施設では、ランドセルなどの実用品はもちろんのこと、温かい気持ちのこもった花束もまたうれしいと歓迎している。贈り主については、「嵐が丘」の上演中、客席で白目をむいていた男性である可能性が高いとしながらも、あえて探求しない方針だ。

2011/01/10


ひこにゃん論争、三つどもえの争いに

 大阪に学ぶノルウェー人留学生が、「ひこにゃんはノルウェー文化への侮辱」と主張し、デザインの変更を求めている。滋賀県彦根市の公式ゆるキャラであるひこにゃんについては、デザインをした人物と彦根市の間で法的なトラブルが起きているが、事態はさらに複雑化しそうだ。

 このノルウェー人留学生は、浪速産業大学工学部に2年のトリグブ・サルホルメンさん(21)。「ひこにゃんがかぶっている2本の角がついた兜は、私たちの先祖がかぶっていたヴァイキングの兜そのものだ」

 彦根市の公式見解によれば、江戸時代の彦根藩主が大木の陰で雨宿りをしていたとき、白猫を見つけて近寄ったところ、直後に大木に雷が落ちて難を逃れたとの「白猫伝説」がひこにゃんのデザインの由来。しかしサルホルメンさんは、この伝説は幕藩体制への同化という政治的な狙いから捏造されたものだと指摘する。

 「7世紀から10世紀にかけて、スカンジナヴィア半島から我々の祖先であるヴァイキングが多数の船に分乗して世界に散らばった。イングランド、アイスランド、ノルマンディー、キエフ、シチリア…。これらの地域で、ヴァイキング系の国家が形成された。大西洋、インド洋、太平洋を経て、琵琶湖の湖岸に漂着した船に乗っていたヴァイキングが建設したまちが、現在の彦根だとみて間違いない。だとすればひこにゃんは勇猛なヴァイキングの末裔であり、ゆるキャラとして描かれるのはノルウェー人に対する侮辱だ」

 ひこにゃんについて、彦根市とデザイナーの間で、それぞれが販売するキャラクターを「海賊版」と批判しあうなどのトラブルが起きていること、彦根市内で食べ放題形式のレストランが3軒営業していることも「ヴァイキング末裔説」の傍証になると、サルホルメンさんは力説する。

2011/01/09


中国空軍、高性能対空レーダーも開発中

 軍事筋によれば、中国空軍は現在、高性能の対空レーダーを開発している。防空能力の強化が抑止力のバランスに微妙な影響を及ぼすおそれもあり、周辺各国や米国は神経をとがらせている。

 この対空レーダーは、レーダーの電波をほとんど反射せず、感知されないまま領空に侵入してくるステルス機を念頭に開発された模様。同軍事筋によれば、「目標は、どんなステルス機も跳ね返せる世界最高の対空レーダー」だという。

 中国空軍については、これまで秘密裡に開発していたステルス機の存在が明らかになったばかりだが、こちらは「どんな対空レーダーもかいくぐる世界最高のステルス機」を目標にしていると言われている。

 対空レーダー、ステルス機ともに、技術的なハードルは高いとされるが、中国がここ数年、兵器開発に大量の研究者と予算をつぎ込んでいることを考えれば、早ければ2〜3年後には両方とも完成しそう。その瞬間に中国国防相がどんな表情を浮かべるかに、軍事筋、各国の兵器メーカー、そして中国古典文学の専門家は強い関心を寄せている。

2011/01/07


新座薬の主成分はこんにゃくゼリー

 室蘭医科大学の研究グループが、こんにゃくゼリーを主な成分とする新しい座薬の開発に取り組んでいる。過去に何度も窒息事故が発生しているこんにゃくゼリーの特性を逆手にとったかたち。数年以内の製品化を目指すとしている。

 座薬には、肝臓での代謝の影響を受けにくい、胃や小腸に副作用を及ぼしにくいなどの特性があるが、薬剤が直腸よりも奥に入り込んだり、体外に排出されると効果を発揮しないのが欠点。室蘭医大の江澤隆准教授らのグループは、こんにゃくゼリーを使用すれば座薬が直腸内にとどまる時間を伸ばすことができると考え、これまで研究を続けてきた。

 研究グループが行った動物実験によれば、こんにゃくゼリー座薬と従来型座薬の効果の差は当初、5〜6%にとどまっていたが、こんにゃく成分を増やす、サイズを大きくする、「凍らせないでください」といった注意書きを削除するなどの改良を加えた結果、直腸にとどまる時間が平均して約2倍に伸び、効果も大幅に高まった。

 江澤准教授らの研究グループは、動物実験を繰り返して安全性を確かめたうえで新薬の臨床試験に移りたいと説明する。学界や製薬業界はこの研究結果に注目しているものの、「もち米を主成分とする座薬で作用時間を伸ばすことができるとの論文がすでに数十件発表されており、こんにゃくゼリーだけに注目するのはおかしい」といった冷静な見方もある。

2011/01/03


プリウスに新モデル追加

 トヨタ自動車は、走行機能を省いて発電機能だけに特化した新型車「プラグアウト・プリウス」を4月に発売する。これまでのプリウスで蓄積した技術を活かして、発電事業にも参入する方針だ。

 プリウスはガソリンエンジンと発電機、バッテリーとモーターを併用することで、従来のガソリン車よりも大幅にエネルギー効率を高めたハイブリッド車。09年冬からは家庭用電源からの充電も可能な「プラグイン・プリウス」のリースも展開してきた。

 新開発されたプラグアウト型はこのプラグイン型の改良版。充電用のコンセントの代わりに、電力供給用のコンセントを備えており、冷蔵庫、ホットプレート、洗濯機などの家電製品を駆動することが可能だ。ハンドル、座席、カーステレオ、カーナビ、ワイパーなどは通常のプリウスと同じで、乗り込むことはできるが、タイヤが装備されていないため走行はできない。

 トヨタ自動車ではプラグアウト型の売れ行きを見極めたうえで、今年秋をめどにプリウス数十台を連結した発電プラントを試験的に設置。結果が良好ならより大規模なプリウス発電所を建設したいとしている。

 ただ、プリウスに接続したIHコンロで素麺をゆでた場合、現状では燃費は3.5キロメートル/リットル程度にとどまっており、調理性能を走行性能なみに高められるかどうかが売れ行きを左右しそうだ。

2011/01/01


パリーグのCS、最下位チームも参加へ

 プロ野球のパシフィック・リーグは、2012年のシーズンからクライマックス・シリーズ(CS)の参加チームを、これまでのレギュラーシーズン3位までから、同最下位まで拡大する。今季は3位のロッテが日本一となり、プロ野球人気回復に一役買ったが、参加チームの拡大で来季のポストシーズンが今年以上の盛り上がりを見せるのは確実だ。

 新しいCSでは、下位チームに現在よりも重いハンディが課される見通し。その内容は現在検討中だが、最下位チームについては、5位のチームと対戦する前提条件として、ヒグマ・ツキノワグマ・ホッキョクグマの混成軍と素手で戦う案が有力だ。

 CSに対しては、144試合にわたるレギュラーシーズンの勝敗を無にするものだとの批判が根強いが、下位チームが背負う重いハンディは、こうした批判をかわすのに役立ちそう。下位チームが逆風のなか勝ち上がれば、ポストシーズンに国民の注目が集まるはずとの期待もある。

 今年はBクラスに低迷した日本ハム、オリックス、楽天の3チームは、来季こそはレギュラーシーズン1位を目指すとしながらも、CS参加枠の拡大を歓迎する。しかしクマとの対戦結果次第では、クマ軍団が勝ち抜いてパリーグの全チームとセリーグのCS優勝チームがことごとく屠られる可能性もあり、新制度の定着は難しいのではないかとささやく関係者も少なくない。

2010/11/10


ビブラートが消えていく

 10月27日午後、上野の東京文化会館。オーストリアの声楽家ヨハネ・バインニヒがコンサートを開いた。満員の観客を前にバインニヒが歌い始めたのはシューベルトのアベ・マリア。メロディーやリズムはほかの声楽家と同じだが、バインニヒの歌には特徴がある。ビブラートがまったくかかっていないのだ。

 歌声の音程を細かく上下させるビブラートは、歌という表現手段をもつ文化圏ならほぼ例外なく使われている技法だ。あまりに普遍的であるために、人の発声器官の構造とビブラートの間に密接な関係があると考える人が、研究者の中にも多い。

 「それは完全な誤解です。エジソンが蓄音機を発表したのは1877年。それまでに書かれた歌唱法の教科書、専門書、楽譜には、ビブラートを意味する言葉はまったく登場しないんです」と、音楽史にも造詣が深いバインニヒは語る。

 当時は金属部品の加工精度が低く、円筒状のレコードの回転速度にムラがあり、再生される歌の音程も常に上下動していた。生身の歌手が正確な音程を維持しても、蓄音機が再生する音にはビブラートがかかった。エジソンは蓄音機とともに、意識しないかたちでビブラートも発明したことになる。

 蓄音機が爆発的な人気を集め、生身の歌手を見る機会のない農村部や離島にも広がっていくと、やがてビブラートを帯びた蓄音機の歌声がスタンダードになった。周波数の一定周期での変化に心地良さを感じる人も現れ、1890年代に発売された蓄音機のなかには、ビブラート増幅を目的に偏心式のターンテーブルを搭載したものさえある。

 北米や欧州で鉄道網がくまなく整備された1900年代、歌手たちはそれまでの大都市のオペラハウスやナイトクラブから、片田舎のバーや集会場にも活動の場を広げた。ストレートな生の歌声を聞かせたあと、「これが本物の歌だ」と胸を張った。「ニセモノは帰れ!」。ほとんどの観客がワインやビールの空き瓶をステージに投げつけたことで、歌手が声を震わせて蓄音機のマネをするという時代の流れが世界的に定着した。

 変化はボーカルだけにとどまらなかった。バイオリン、トロンボーンなど、演奏者による音声の微妙なコントロールが可能な楽器には、同様の技法があっという間に広がった。代表的な和楽器の尺八でさえ、ビブラートの日本上陸からわずか3年で「首振り」が当たり前になったことが、当時の教本の記載からわかる。

 モーターの精度が高まるにつれ、レコード再生時の回転ムラは減っていった。しかし、ビブラートにすっかり慣れ親しんでいた一般大衆は、平坦な歌声への回帰を許さなかった。歌手や演奏家は自発的にビブラートの幅を拡大し、レコードプレーヤーが失ってしまった「味わい」を補うことになる。論理的に回転ムラの発生しないCDが登場したことで、人間はビブラートの担い手としての役割を、レコードプレーヤーから完全に奪った。

 このような歌声のあゆみを知ってからだと、歌の本来の姿であるバインニヒのストレートな声を受け入れるのも、そう難しいことではない。

「ジャンルを問わずどの音楽家も音を震わせていますが、これは蓄音機の回転ムラによって引きされた一時の迷い。音響機器の進歩の結果、今後長い時間をかけてビブラートという技法はなくなっていくでしょう」とバインニヒは予測する。

 その一方で、新たな技術の普及の結果、音楽家は別の歌唱法・演奏法の導入を求められている。

 アナログレコードの時代から音楽に慣れ親しんできた人なら、注意深く耳を傾けることで、バインニヒの声質のザラザラ感に気がついたはずだ。それは、遠くから見ると完全な曲面なのに、近寄ってみると角張ったレゴブロックで形成されているオブジェにも似ている。インターネットを通じた音楽配信に慣れ親しんだ若者にとっては、むしろこのような声のほうが自然に聞こえるという。最近の音楽ソフトの大半が、データ量の節約を目的に音声信号を圧縮して記録しているためだ。

「生々しすぎて気持ち悪い」

 圧縮を経ていないナチュラルでクリアーな歌声を聴かせると、若者の大半はこういった言葉で拒否反応を示す。

「デジタル世代にとっては、私のような明確な手触りのある歌声のほうが受け入れやすいんですよ」

 そう言い残して、バインニヒは仲買人とのジョイント・ミニライブが開かれる築地魚市場へと向かった。

2010/11/07


金正恩氏、文学賞獲得が確実

 北朝鮮の「労働新聞」は5日、金正日総書記の後継者とされた三男の金正恩氏のこれまでの業績を詳細に紹介する特集記事を掲載した。権力の継承に向けて、「金王朝」の権威を高めるのが目的とみられる。

 記事によれば、スイスで育った正恩氏は帰国後、すぐにサッカーで才能を開花させ、金正日杯高校生サッカー選手権全国大会で1回戦から決勝戦までの4試合で合計24得点を挙げてチームの優勝に貢献。北朝鮮1部リーグのスカウトたちも正恩氏には注目していたという。

 しかし正恩氏は名門の平壌大学に進学。眉目秀麗な正恩氏はすぐにモデルとしても活躍するようになり、やがて北朝鮮の人気テレビ番組「自主仮面」の主役に抜擢され、国民的な人気を得た。卒業後に電撃結婚。相手の実力派歌手は闘病中で、妻の体調を気遣う正恩氏の優しさが人民に感銘を与えたという。

 「労働新聞」によれば、現在、正恩氏は正体を隠して「千里馬文学賞」に応募中で、近く審査結果が発表される。記事は「偉大なる祖父、父から受け継いだ千里慧眼の英知をもってすれば、大賞の獲得は間違いない」と断言し、あわせて受賞記念式典の準備に余年がない平壌市民のようすを写真で紹介している。

 記事が紹介する正恩氏の足跡は日本のあるタレントに酷似しており、外交筋は北朝鮮当局がこのタレントのプロフィールを参考に正恩氏のあゆみを捏造したとの見方を強めている。正恩氏が文学賞の賞金2億ドルを辞退するかどうかに、国際社会の関心が集まりそうだ。

2010/11/06


巨人選手の高額年俸、サンデル教授が抑制

 プロ野球チームの東京読売巨人軍(滝鼻卓雄オーナー)は、このシーズンオフの年俸交渉係として、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授(政治哲学)を起用することを決めた。有力選手の年俸を抑制するには、サンデル教授の卓越した議論の力が不可欠と判断した。

 サンデル教授はハーバード大学での講義が人気を集め、社会現象にもなった。今年夏には来日して東京大学などで講義を行った。その際にサンデル教授が議論のテーマとして取り上げたのが「イチローの年俸は適切か」。講義のようすをテレビで見た読売グループ会長の渡邊恒雄氏がすぐに滝鼻オーナーに電話をかけて、「優勝を逃したら、年俸交渉はサンデルで行け」と指示を下したという。

 来季の巨人の戦力については、不調やケガで低迷したイ・スンヨプ、クルーンなどがすでに構想から外れていると言われ、焦点は年俸2億6000万円ながら今季0勝2敗に終わったグライジンガー。代理人との年俸交渉に先駆けてサンデル教授がハーバードの教室で学生の意見を聞いたところ、多くの学生から「今季リーグ最多登板の久保の年俸が2600万円。グライジンガーがその10倍ももらうのは、アリストテレスもカントもベンサムも正当化できないはずだ」といった厳しい意見が相次いだ。

 サンデル教授は11月下旬にも交渉のため来日する予定。テーブルにつく教授の背後には300人程度のハーバード学生がずらりと並ぶとみられ、高年俸の選手にとっては手強い相手となりそうだ。一方、資金力にものを言わせて他チームの有力選手を引きぬいてきた巨人のやり方に、サンデル教授らが「道徳」や「正義」の観点から批判の矛先を向けるのは時間の問題との指摘もある。

2010/10/28


「おじさんに感謝」ラップソングを募集

 日本おじさん総評議会は「おじさんに捧げるラップソングコンテスト」を開催する。応募作品のなかから優秀作品を集めたCDを発売するほか、インターネットで一部の作品を着うたとして配信する。総評議会の関係者は、低下しつづける伯父や叔父の地位向上につながればと、ラッパーの影響力に期待を寄せる。

 反社会性を売り物とするロック、悲しみや未練がテーマになりがちな演歌などと比較して、日本国内におけるラップ音楽は感謝のメッセージ性が強いといわれる。しかし感謝の対象は恋人、妻、母、父、音楽仲間、ライブの観客、CDの購入者に限られており、血縁上は決して遠くない存在であるはずの伯父、叔父は完全に無視されてきたのが実情だ。

 もともと敵対関係にあった日本伯父連合と全国叔父連盟は、血縁型おじさんを囲む社会環境が年々厳しくなり、氏名や素性のわからない非血縁型おじさんによる犯罪が相次いだことに対応して1998年に合併し、おじさんの地位向上のためにさまざまな活動を展開してきたが、その後も地盤沈下に歯止めがからない。母親系団体、いとこ系団体などからは「おじさんはもう不要なのではないか」と、その存在意義を問う声が公然と噴出するようになっている。

 ここにきて、父母の兄である伯父と、父母の弟である叔父の間の不協和も漏れはじめた。事情に詳しい、いとこ団体関係者は証言する。「伯父には、東京や大阪から来たおいやめいを1週間預かって郷土の海の幸や山の幸を腹一杯に食べさせるなど、有形無形の支援を提供してきた実績もあるが、比較的年齢差の小さい叔父は、ゲームの裏ワザを教えてあげたり、恋の悩みをひたすらうなずきながら聞いてあげた経験しかなく、おいやめいの印象にもほとんど残っていない。伯父のサイドでは叔父との共倒れを懸念する声が強まっている」

 このような状況の下、総評議会内の叔父系勢力が注目したのがラッパーがもつ社会への影響力だった。「彼らが音楽に載せておじさんに感謝しようと呼びかけてくれれば、若者が私たちに向ける視線も変わってくるはずだ」と総評議会の下崎孝雄副会長は語る。ラップ以外のサブカルチャーの担い手は感謝の表現に不慣れで、感謝してくれそうなのがラッパーだけという事情もある。

 音楽評論家の敦賀康史さんは「ラップを聞く側の立場で考えても、そろそろ母や仲間への『ありがとう』の連呼は聞き飽きたというのが本音だろう。おじさんに捧げる感謝ソングは過去に例がなく、ラップ界が新たな方向性を打ち出すのにも役立つのではないか」と、おじさん界の取り組みを前向きに評価する。

 コンテストは10月15日から月末にかけて開催される予定。応募条件は「血縁関係のない『おじさん』は感謝の対象に加えないこと」だけだ。優秀作の作者には賞品として、叔父の間で受け継がれてきた「スーパーマリオブラザース3」の裏ワザが伝授される。

2010/09/18


政府・日銀がドルの「ケア」に本腰

 日本銀行と厚生労働省は17日、外国為替市場に対して初めて介護保険法を適用し、市場介護に踏み切った。従来のドル買い円売りによる市場介入では、脆弱化したドルは支えきれないと判断した。輸出産業を中心にドルの基礎体力回復への期待が高まる反面、介護保険料の負担が増える現役世代の反発が強まりそうだ。

 17日に行われた市場介護は、▽ドルが些細な情報につまづいて急速に値を下げるのを防ぐためのスロープ設置、▽ドルの暴落を未然に防ぐための手すりの設置、▽日本時間の夜に海外市場での暴落を食い止めるための24時間体制のヘルパー配置、などの内容だ。これらの介護策の発表を受けて同日の外為市場ではドルへの信頼が一定程度回復し、円売りドル買い注文が殺到。円高傾向に歯止めがかかった。

 しかし、大手居宅介護支援事業所に所属するケアマネージャーによれば「ファンダメンタルズを見る限り、ドルの体力は80歳台相当」。長期的には円高傾向が続く可能性もある。あるメガバンクの外為ディーラーも、「空前の水準に達した円高を、日本製品の輸出競争力が回復する水準まで引き下げるには手厚い介護策だけでなく、ラジオ体操や乾布摩擦、1日5分の散歩といったドルの足腰を強化するための自助努力が不可欠だ」との見方を示す。

 一方、中国やインド、ブラジルといった新興経済と比較すれば、日本の実体経済の体力も決して強くはなく、当局がいつまで市場介護を続けられるかは不透明な状況だ。外為市場やグループホームでは「老老介護が破たんするのは時間の問題」といった冷ややかな声も出始めた。

2010/09/16


Windows XP、ついに販売終了へ

 マイクロソフト社製の基本ソフト、Windows XPを搭載したパソコンの販売が10月22日に終了する。2001年の発売以来、異例の長期にわたって事実上の「標準規格」として支持され続けた人気商品だけに、販売終了を惜しむ声が根強く、販売最終日には店頭に行列ができそうだ。

 同社では2007年に後継商品のWindows Vista、昨年には現行商品であるWindows 7を発売したが、XPが基本ソフトに求められる性能をほぼすべて備えていること、新しい基本ソフトの導入に伴い従来の応用ソフトや周辺機器に不具合が生じる可能性があることから、多くのユーザーはXPを継続して使用している。パソコンメーカー各社はVistaや7の発売後も、XP搭載機種の販売を継続してきた。

 2007年ごろからは、「新人」を寄せ付けず主力商品の座に君臨しつづけているXPが「中高年の星」として人気を集め、基本ソフトにXPを指定してパソコンを購入する50代、60代の姿が目立つようになった。欧米でもXPの安定性は高く評価されており、"XP"の意味づけも発売当初のexperience(体験)からexperienced(老練な、経験を積んだ)に変わった。

 一方で、長すぎるXPの寿命が、後継の基本ソフトの売り上げ低迷やパソコン買い替え需要の冷え込みを招いたのも事実。マイクロソフトからの通知を受け、内外のパソコンメーカーはXP搭載パソコンの販売を10月22日に中止することを決めた。今後は7の搭載機種の販売に集中する方針だ。

 XPは一時代を築いた人気の基本ソフトだけに、販売最終日の深夜にはレジ前での長い行列やカウントダウンも予想される。最後にXP搭載パソコンを購入するのは誰なのか。行列の最後尾をめぐる熾烈な争いは、早くも始まりそうで、なかなか始まらない。

2010/09/10


子猫取調べの可視化を提唱

 日本弁護士連合会は、迷子の子猫ちゃんに対する事情聴取や取り調べの様子をDVDで録画する制度を早急に整えるべきとの意見書を、近く警察庁に提出する。取調べの可視化は人間の被疑者についても限定的にしか導入されておらず、警察庁は対応に苦慮しそうだ。

 迷子の子猫ちゃんは、犬のおまわりさんに現住所や姓名を尋ねられたさい、「ニャンニャンニャニャン」と無意味な供述を繰り返すことが多い。刑事訴訟法の専門家の間では、これは日本国憲法第38条第1項が規定した黙秘権の行使に当たるとの学説が有力だが、子猫ちゃんの態度に業を煮やした犬のおまわりさんが「ワンワンワワン、ワンワンワワン」と吼えるなど、恫喝ともとれる行動に出た事例が、過去に何度も明るみに出ていた。

 日弁連では、警察が猫じゃらしやマタタビ、ぜんまい式ネズミで子猫ちゃんの自白を誘導するおそれもあるとみており、冤罪を未然に防ぐにはDVDで事情聴取や取り調べを記録する必要があると主張している。日弁連の意見書には、いたいけな迷い猫の表情やしぐさを満載したこのDVDを「取調室のニャンコたち」として外販すべきとの主張も盛り込まれた。

 警察庁の関係者は迷子の子猫ちゃんについて「猫をかぶっているだけ。近所の魚盗難事件に絡んでいることも多く、今後は目撃者の証言を丹念に集めて容疑を固めたい」と語るが、カラスやスズメといった目撃者から任意で事情を聞いても「わからない」との供述しか得られないことが多く、子猫ちゃんの犯行を立証するのは極めて困難だ。

2010/09/08


「自分探し」するカタツムリを発見

 シンガポール国立大学の研究者グループが、インドネシア・ボルネオ島中部のジャングルで自分を探すカタツムリを発見したと、英の学会誌「ジャーナル・オブ・エソロジー」の電子版で28日に発表した。ヒト以外の種で自分探し行動が確認されるのはこれが初めて。

 グループの中心となったショーン・チャン教授によれば、「カリマンタンニシキマイマイ」に近い種とみられるこのカタツムリは、求愛行動が失敗すると体から突き出た目をU字型に曲げて自分の体をまじまじと見つめるような行動をとる。「失敗にくじけて自らの存在価値を見失うと、誰でも自分探しをしたくなるもの。このカタツムリは胴体から突き出した目をひねって自分をもう一度素直に見直すことで、フレッシュな気持ちで明日に向かっているのではないか」と、チャン教授はみる。

 心理学者の間ではかねてから、自身の顔を肉眼では直接見ることができない人体の構造的な欠陥が、自分探し行動を誘発しているとの仮説をめぐって議論が繰り返されてきたが、チャン教授らの発見はこの議論にも一石を投じそう。カタツムリのように目を出したり引っ込めたりできるよう外科手術を施してヒトの自分探し行動を抑制する新しい臨床アプローチに道を開く可能性もある。

 なお、チャン教授らが自分探しをしているカタツムリの胴体をアルミ箔で覆って隠すと、すべての個体がジグザグの軌跡を描きながら移動を始めたという。ヒト以外の種で「自分探しの旅」行動が確認されるのも、これが初めてだ。

2010/08/28


朝丘雪路さんの偉業称える記念碑

 27日、女優・朝丘雪路さんの胸で、「世界初ボイン」記念碑の除幕式が開かれた。これまで軽視されがちだった朝丘さんの画期的な業績に関心が集まりそうだ。

 1986年ごろまで日本で広く使われていた「ボイン」という表現は、1960年代に深夜テレビ番組の司会を務めていた大橋巨泉さんが、アシスタントだった朝丘さんの豊満な胸を形容するのに使った造語。大橋さんの功績は広く認識されているが、世界で初めてボインと呼ばれた朝丘さんの胸の存在は、過去40年以上にわたってほとんど忘れ去られていた。

 兵庫文化大学の長谷部基次准教授(物理学)は、「『巨乳』が単純に容量を指し示す表現であるのに対し、『ボイン』は容積だけでなく表層に作用する張力も意識した表現」と、ふたつの言葉の違いに注目する。ちなみに長谷川准教授がテレビ局に残された1960年代の朝丘さんの画像をコンピュータで解析したところ、容量は左右合計で832平方センチメートル、表面張力は左右平均で0.8ニュートン/メートルとの結果が出たという。

 この日行われた記念式典では、命名者である大橋さん、当時のテレビ番組プロデューサーらが挨拶し、朝丘さんの業績を褒め称えた。記念式典終了とともに、朝丘さんと、朝丘さんの胸の所有権者である津川雅彦さん以外がすべて退室し、密室で除幕式が行われた。

 下着メーカーの調査によれば、日本人女性のうち「巨乳」は7.6%を占めるが、「ボイン」個体は1992年に宮城県での目撃例を最後に新規の報告が途絶えており、絶滅は避けられないとの見方が強まっている。

2010/08/27


日の丸親方が廃業届提出

 日の丸親方(元大関赤鶴山)が14日、東京両国の日本相撲協会本部を訪れて廃業届を提出した。協会は近く開く理事会で廃業を認める見通し。「後見人」として経営を水面下で支えてきた日の丸親方の廃業で、日本航空の経営再建は一段と険しい道となりそうだ。

 日本航空は1987年に完全民営化されたものの、役員や社員、パイロットやキャビンアテンダントの間では依然として日の丸親方への信奉が厚い。民間エアラインの関係者は、巡業も部屋の新築の費用もすべてタニマチ任せだった日の丸親方のドンブリ勘定が、日本航空の経営体質にも暗い影を落としていると指摘する。

 高度経済成長期には数々の国営企業を育てた日の丸親方だが、バブル崩壊以降は弟子たちの業績がふるわなくなり、親方の指導力について疑問の声が財界や角界から公然と噴出していた。日本航空だけでなく、独立法人やNHKについても日の丸親方への依存体質から脱却しなければ経営再建は不可能との声が強まったことで、日の丸親方は自主的な廃業を決断したようだ。

 日の丸親方の助けを得られなくなった日本航空は、公的な支援に頼らない再建を迫られることになるが、社内では早くも悲観的な見方が広がっている。日の丸親方の年寄株をハワイ出身の星条旗親方(元小結波芽波芽山)に購入してもらい、デルタ航空またはアメリカン航空による経営支援を促す再建スキームが浮上するのは時間の問題だ。

2010/08/16


「実は私が最高齢」 お年寄り名乗り出る

 東京都内で最高齢とされていたお年寄りが所在不明であるたことが次々と判明しているが、練馬区役所に3日、区内で孫夫婦と暮らす丹保勝さんが「実は私が最高齢です」と名乗りでた。丹保さんの主張によれば、生まれたのは日清戦争が始まる4年前の1890年。年齢は120歳で、日本国内はもとより世界でも最高齢となる。

 練馬区が調査したところ、丹保さんについては旧北豊島郡練馬町に対し、1909年に死亡届が提出されており、以来101年間にわたって死者として扱われていた。丹保さん本人はなぜ死亡届が出されたのかよく覚えていないと語るが、地元の歴史に詳しいある人物は、丹保さんの一族が富農であることから、農地の相続をめぐるトラブルに巻き込まれた可能性もあると指摘する。

 丹保さんについては、昭和20年代から近所の住民から目撃談が区役所に寄せられており、民生委員が何度か丹保さん宅を訪ねていたが、同居する家族が「旅行に行っている」「本人が誰にも会いたがらない」などと釈明したため、区ではすでに死亡したのは間違いないとの判断を下していた。

 丹保さんが名乗りでたことで、練馬区は死者の再確認を迫られている。福祉課の関係者は「1910年に誕生した人について、死亡届に不審な点がないかどうかとくに入念にチェックを行うことで、100歳記念品の贈り漏れがないよう万全を期したい」と語る。

2010/08/04


上野動物園のパンダ、ようやく決まる

  中国から上野動物園(東京)に貸し出されるパンダのつがいが、ようやく「比力」と「仙女」(いずれも中国名)に決まった。来年2月に来日、3月に公開される予定だ。

 上野動物園では2008年4月にリンリンが死亡して以来、人気動物のパンダが不在という異例の状況が2年以上にわたり続いていた。関係者によれば、これほど不在が長期化したのは、日本人のイメージに合致するパンダが不足しているのが原因だという。

 「1972年、中国四川省の飼育施設は、日本で中国ブームが高まるよう願って、多様なパンダの中から、最も愛らしい模様のカンカンとランランを選んだ。狙い通り2頭は爆発的な人気を得たが、日本におけるパンダのイメージが固定化してしまった。いまさら、黒パンダや三毛パンダ、茶トラパンダを受け入れるわけにはいかない」と、カンカン・ランラン時代の事情に詳しい上野動物園のOBは証言する。

 中国は1970年代からパンダを道具に欧米諸国との外交関係を広げた。その結果、パンダをめぐる事情は日本国内のほかの動物園や、欧米各国でも同じ。白黒型のパンダだけに人気が集中し、保護施設ではほかのパンダの頭数が過剰になっている。今年春には渦巻尻尾系のパンダが上海郊外の養豚場内に違法投棄されているのが見つかり、中国社会に衝撃を与えた。

 「比力」と「仙女」は、模様こそ上野動物園が迎えてきた歴代のパンダと同じだが、敏捷さと獰猛さを兼ね備えた血統に属しており、草原を疾走するシカを見つけると、跳びかかり、首に噛み付いて窒息死させてから食してしまう傾向がある。ちびっこたちの人気者になるまでにはかなりの時間がかかりそうだ。

2010/07/27


不正輸出未遂容疑で女子高生グループを逮捕

 警視庁は24日未明、遠心分離機を違法にイラン向けに輸出しようとしたとして、都立高校に通う17歳から18歳の女子高生7人のグループを、外為法違反(無許可輸出未遂)容疑で逮捕した。

 警視庁の調べによれば、女子高生グループは、核兵器の製造に不可欠なウラン濃縮が可能な遠心分離機2台を購入。これを税関当局に「えんしんぶりんき」と偽って申告した上で、成田空港からドバイ経由でイランに輸出しようとした。アメリカ国家安全保障局から連絡を受けるまで、税関当局は虚偽の申告に気がつかなかったという。

 昨今の若者の日本語については、「雰囲気」を「ふいんき」と読むなどの誤用が顕著だが、今回の不正輸出はこの語彙の乱れに乗じた悪質な犯行との見方が強い。女子高生グループは過去にも「すぱんこ」「らじんこヘリ」などの名目で、中国や北朝鮮に物資を輸出しており、警視庁では余罪がないかどうか調べている。

 グループのうち「しゅんはかく」とみられる女子高生は「もくひんけ」を行使し、取調べに対し押し黙ったままだが、「せっんけ」した「べごんし」によれば、遠心分離機が飛行機積み込みの直前に押収されたことを知らされると、「じんだだ」踏んで悔しがったという。

2010/07/24


われらモーターサイクリスト
食べるために走る

 「グルメライダー」──西条智也さん(59)は、自らのバイクライフをこう定義する。峠道をひたすら速く走り抜けようとする人、オフロード車で険しい山道を走破する人、日本全国の露天風呂を訪ねるスローな旅を楽しむ人……。一口に「バイク乗り」と言ってもさまざまだが、ここに来て急速に増えているのが、西条さんのように食欲を満たすために旅を続ける人たちだ。

 先週の土曜日、西条さんは東京・荒川区の自宅から、2週間をかけて東北、北海道をめぐる旅に出発した。しかし、各地のレストランやラーメン店、居酒屋などを訪れるつもりはない。自炊のための鍋やコンロも持っていない。「口を開けてバイクを走らせているだけで、お腹がいっぱいになるからね」。宮城県内のサービスエリアで、口角からトノサマバッタの後ろ足を突き出しながら、西条さんは至福の笑みを浮かべた。

 走行中に顔に当たったり、時には口の中に飛び込んでくる虫は、長い間ライダーにとり悩みの種だったが、いまではあらかじめ口の中に入れたショウガ、タマネギ、トウガラシなどの薬味で虫の苦味を消しながら、肉とも魚とも違う味を楽しむライダーが増えている。口を開けたまま突進して虫を吸い込む豪快な食べっぷりから、最近は「鉄のマグロ」の異名でも知られるようになった。

 日本自動二輪車協会が全国の高速道路で行った調査によれば、晴天の夏の日に口を開けた状態のまま、バイクで100キロ走行して摂取できるカロリーは、牛肉のステーキ500グラムに相当する。虫はアミノ酸やタンパク質をバランスよく含んでおり、極めて新鮮な状態で口に飛び込んでくることから、魚や豚、牛などの肉よりも健康にいい。

 「昼間のトンボや甲虫もおいしいけれど、夜行性のカブトムシやクワガタが動き出す日没後のほうが、食べごたえはあるね」。口の周囲で小型集虫灯を輝かせながら、西条さんはアクセルを開き、夜の森へと続くワインディング・ロードに消えた。

2010/07/20


ヒアルロン酸CMの最年少記録を更新

 経口型ヒアルロン酸の通販CMに、長崎県在住の高校3年生、梅津健吾さんが登場する。初登場の時点での年齢は17歳と251日で、岩手県在住の鉄瓶職人、上田貞夫さんがもつこれまでのヒアルロン酸CM最年少記録、58歳と20日を大幅に更新する。期待の大型新人登場にヒアルロン酸界だけでなく、健康食品業界全体が沸いている。

 梅津さんをCMに起用したのは東京の健康食品通販会社「いきいきジャパン」。同社ではこれまで、テレビタレントや伝統工芸の専門家、ベテランのスポーツ選手の体験談などをもとにヒアルロン酸商品「膝潤」のCMを制作してきたが、高校のサッカー部で連日の練習からヒザに違和感を感じた梅津さんが「膝潤」を愛用していることを知り、異例の大抜擢を決めた。

 このほどマスコミ向けに公開されたCMは、5歳のときに始まった梅津さんのサッカー人生を父親撮影のビデオで振り返ったあと、本人の登場する再現ドラマで突然のピンチを紹介する。練習試合の終了間際、右足でシュートを放った直後、右足に強い違和感を覚えた梅津さんの顔を大写しにしたモノクロ映像は、抑制されながらも、それでいて複雑な心象をあますところなく伝え、観る者の心を強く揺さぶる。ベテラン俳優の三國連太郎さんにも匹敵する圧倒的な表現力だ。

 梅津さんの出演する「膝潤」のCMは25日の早朝の時間帯から、民放各局の地上波やBSデジタル、CSの通販チャンネルなどでの放送が予定されている。48年ぶりでセーラー服に身を包み、ゴールネットの裏から梅津さんを静かに見つめる女子マネージャーを演じる八千草薫さんにも注目だ。

2010/07/18


角界最前線
不正勢力の入場、阻止できるか

 愛知県体育館の入口。短髪に派手な色のアロハシャツ、黒いサングラスの男が入場しようとした瞬間のことだ。

 「止まりなさい」

 力士にも劣らない体格の警官2人が左右から押しとどめたのは、アロハシャツの男ではなく、その前に並んでいた十数人の少年グループだった。

 無線連絡を受けた機動隊員がすぐに周囲を取り囲む。少年たちが抱えていた黒いバッグを開くと、中から水を入れた大型ペットボトル、茹で上がったばかりの素麺、めんつゆ、食器、きざみネギ、そして節を削りとった竹数本が出てきた。

 「恐れていた事態が、ついに現実のものとなった」。村山弘義理事長代行が青ざめたのも無理はない。数々の不祥事のために人影もまばらとなった観客席で、少年たちが流しそうめんを実行するつもりだったことは明らかだ。

 親方の一人は語る。「今回は水際で食い止めることができたが、今度も見つけられるとは限らない。NHKの中継が行われていない今場所、大相撲がプロ野球好プレー珍プレーに登場することだけはなんとかして阻止しなければならないのだが……」

 しかし、テレビの画面に、座る人のない桟敷席の座布団が映し出されるたびに、流しそうめんの用意を万端整えた少年たちが愛知県体育館をめざすのは確実。大相撲の「川崎球場化」は阻止できるのか。角界はいま、重大な局面を迎えている。

2010/07/16


証拠メール削除、捜査の舞台裏

 日本振興銀行が金融庁による検査を妨害したとされる事件。逮捕された木村剛容疑者=前会長の指示を受け、幹部らがメールを削除していたことが判明した。跡形なく削除されたはずのメールを、なぜ警視庁の捜査官は「発見」することができたのか。関係者の証言から、IT時代の捜査の生々しい実態が浮き上がった──。

 「一般的に私たちが削除しているのは、パソコンや携帯電話のハードディスクやメモリに記録されているメールのデータ。送信や受信のさいにメールのデータを仲介するサーバーには、データが一定期間残っている」と語るのは、IT評論家の三瀬邦章さんだ。

 しかし、日本振興銀行のメールサーバーのディスクには、証拠となるデータに上書きするかたちで、「隠」と「滅」の文字コードが1テラバイトにわたって延々と書き連ねてあった。検査妨害の疑いが極めて濃いとはいえ、これでは状況証拠にしかならない。

 インターネット犯罪に詳しい弁護士の山溝美嘉さんは、削除されなかったメールにヒントが隠されていた可能性に注目する。

 「証拠となるメールが削除されていたとしても、『違法融資に関するメール、ご指示の通り削除しました』といった返信や、『違法融資に関するメール、ご指示の通り削除しました、とかメールに書くな』といった再返信、『ご指示の通り、違法融資に関するメールを削除しましたとか、金輪際メールには書かないようにします』といった再々返信が残っていれば、裁判では検査妨害の十分な証拠になる」

 ところが日本振興銀行では、これらの関連メールも一括して削除されていた模様。ある捜査関係者は匿名を条件に、まったく別の証拠が木村容疑者逮捕の決め手になったと明かす。

 「押収した液晶モニターの右上の角に貼り付けられた付箋に、極太マジックで『◯◯への融資に関連するメール、すべて削除のこと!!!』と書いてあった」

 この捜査関係者は、「削除済であることを示すチェックマークが極太蛍光ペンで記されていなかったら、立件は難しかったかもしれない」とも語る。企業内のコミュニケーション手段が日進月歩の変化を続けるいま、捜査当局は最新IT技術への対応を求められているようだ。

2010/07/16


はやぶさカプセルから「饐えた臭い」を検出

 小惑星探査機「はやぶさ」が地球に持ち帰った回収カプセルの中から、かすかに饐えた臭いが検出されていたことがわかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、地球由来のものかどうか確認を急いでいる。

 関係者によれば、カプセル内部から外に漏れ出た臭いは、よく晴れた夏の土曜日の朝、産業廃棄物処理業者のトラックが到着する直前の地球上の歓楽街に漂う、なんとも言えない空気によく似ているという。はやぶさは約5年にわたり宇宙空間を飛行しており、その間も臭いがカプセル内部に残っていたとすれば、イトカワが濃厚な臭いを発しているのは確実。はやぶさを見舞った数々の技術的なトラブルにも、臭いが影響していた可能性がある。

 これまでに太陽系の天体についてはさまざまな角度から詳しい分析が行われてきたが、臭いについての研究は手付かずの状態。世界の専門家の間では、今回の検出を画期的な高く評価する声が広がっている。このほか米の生活用品大手P&Gが設立したファブリーズ財団は、JAXAが計画する「はやぶさ2」に5000万ドルを拠出し、部材の無償提供も惜しまないと発表。先行きが危ぶまれていたプロジェクト継続のメドが立った。

2010/07/13


田中貴金属、食品精製事業に参入

 貴金属地金大手の田中貴金属工業は、新たに食品事業部を設立し、食品精製ビジネスに参入する。高所得者層の高純度食品需要を開拓し、新たな主力事業に育てたい考えだ。

 同社では第一弾として、精製した高純度カステラを今秋から販売する計画。現在、国内市場で販売されているカステラは、茶色くて香ばしいカステラ本体だけでなく、黄色い副生成物がその上に蓄積した状態で出荷されている。紙をはがすさい、カステラ本体もはがれてしまうため、口に入るのはほとんどが黄色い副生成物であり、購入者からのクレームが絶えなかった。

 田中貴金属では金や白金の精錬技術を活かして、現在は工場出荷時で2〜3%程度に留まっているカステラ純度を、99.999%まで高める技術をすでに確立。紙と一緒にこのうち2%がはがれるとしても、98%近くが口の中に入る計算になる。価格は現在市場に出回っている商品の数十倍とみられるが、スプーンや前歯で紙からカステラをこすげ取る手間が省けることから、高所得者層には十分に受け入れるはずと、同社のマーケティング担当者は自信を見せる。

 食品業界に詳しい八王子経済大学の蒲島博美准教授は、「食品のなかに消費者が必要としていないものが多く含まれている現状に注目したのは画期的」と評価する。長年にわたり野放し状態が続いていた柿の種のピーナッツ混入問題が、ようやく解決に向けて動き出すのではないかとの観測も強まっている。

2010/07/10


国会中継も中止の可能性

 NHKの福地茂雄会長が記者会見を開き、参院選の当選者やその秘書、選対幹部のなかから選挙違反で逮捕者が出た場合、秋の臨時国会の生中継を中止すると発表した。大相撲名古屋場所の生中継中止問題が国会にも飛び火したかたちだ。

 大相撲の野球賭博発覚を受け、NHKは名古屋場所の生中継をやめると発表したばかりだが、いまのところ逮捕されたのは13年前に引退した元力士(恐喝容疑)だけ。現役の相撲関係者から逮捕者がまだ出ていない段階での中止決定は、時期尚早ではないかとの声も出ていた。

 一方、国会では過去に選挙違反や政治資金規正法違反、強制わいせつ、弁護士法違反容疑などで数々の逮捕者を出すなど十分な「実績」をもつが、NHKでは国会審議の様子を長時間にわたって生中継してきた。大相撲の名古屋場所の生放送中止決定をきっかけに、公正な扱いを求める意見がNHKに多数寄せられている。

 名古屋場所についてはこれまでに、生中継の実施を求める大相撲ファンの意見が500件以上届いており、NHKは対応に苦慮しているが、国会中継の中止には全面賛成する意見しかなく、うれしい誤算となっている。

 今回の参院選では、公示前に全国各地の警察が行った警告が500件以上に達しており、選挙後に逮捕者が出るのは確実な情勢。状況次第では国会は召集を自粛するべきとの厳しい見方が広がる可能性もある。

2010/07/08


大ちゃん数え歌、300万ケタまで拡張

 京都大学教授の藤枝浩史氏(整数論)を中心人物とする研究グループが、「いなかっぺ大将」の主題歌である「大ちゃん数え歌」に代入可能な数としては過去最大となる、300万ケタの自然数を発見したと発表した。近く英の学会誌"Journal of Daijebra"で発表する。

 大ちゃん数え歌に代入可能な整数(だい数)は、1970年のアニメ放映時に作詞家の石本美由紀氏が発見した1(ひとつ人より力持ち)から10(とうでとうとうずっこけた)までが知られていたが、整数論に詳しい数学者は、11以上の自然数のなかにもだい数が無限に埋れていると予言していた。

 翌年、12(じゅうに銃には勝てないが)がだい数であることが証明されたのを皮切りに、世界各国の数学者による研究の結果、88(はちじゅうはち ぱぱっと丸裸)、2,525(にせんごひゃくにじゅうご、いつもニコニコ朗らかに)などのだい数が次々と発見されていった。1985年にはコンピューターを使った研究で、797973(ななじゅうきゅうまんななせんきゅうひゃくななじゅうさん、泣く泣く涙がクラッカー)の発見という金字塔が打ち立てられた。

 藤枝教授はスーパーコンピューターを用い、2912914241から始まる300万ケタのだい数から、主人公・大左衛門の思想や決意、キクちゃんへの熱い思い、かといって忘れられない花ちゃんへの気持ち、ニャン子先生への信頼などを詳しく説明する歌詞を編み出せるとの論文を発表。世界各国の柔道指導者やタツノコプロによる査読もパスした。

 しかし、なぜ音楽が聞こえてくると大左衛門が裸になって踊りだすのかという、だい数論最大の謎は未解決のまま。学界からは無理数や虚数にも「大ちゃん数え歌」の適用範囲を拡大しなければ、大左衛門の不可解な行動は説明がつかないとの声も上がっている。

 なお、スーパーコンピューターが出力した歌詞をもとに天童よしみが吹き込んだ41124枚組のCD「大ちゃん数え歌、憎い憎いよニシハジメ〜」は、近くコロンビアレコードから限定販売される予定。通信カラオケによる配信の予定はいまのところない。

2010/07/03


ワイプ画面を超大型化

 家電大手のパナソニックは25日、世界最大となる152型フルハイビジョンのワイプ専用テレビを発売した。メイン画面を表示する19型のテレビとセットで販売する。価格は5000万円。

 画面の片隅にコメンテーターやゲストの顔を小さく映しだす「ワイプ」は、いまやバラエティ番組や情報番組に欠かせない技法となっているが、これまでのワイプはメイン画面の面積の20分の1程度を占めているに過ぎなかった。しかしテリー伊藤、矢口真里、久本雅美などの有力ワイプタレントの場合、視聴率への貢献度はメイン画面に表示されている若手芸人や無名俳優の数十倍とされ、テレビ局やスポンサー企業、視聴者からワイプ大型化への要望が強まっていた。

 パナソニックが用意したサンプル映像では、松葉ガニや伊勢エビなど海の幸を存分に使ったスープが、かた焼きそばにかけられて湯気を立てる様子が19型画面に映し出されると同時に、隣の152インチ画面には、驚きから羨望へと一瞬のうちに表情を変える榊原郁恵の顔が、全盛期の小錦78人分に相当するサイズで表示された。このほか、ワイプの草分けとも言われる手話ニュースでは、手話通訳士がジャッキー・チェンも顔負けのダイナミックなアクションで会場を沸かせ、ワイプ専用大型テレビの無限の可能性を感じさせた。

 一方、週末夜の報道バラエティ番組を意識して制作されたとみられるサンプル映像では、オレオレ詐欺や裏金づくりに手を染めるはずの人物が善良な暮らしを続け、退屈な内容に終始した。隣のワイプ画面で縦横2メートルの元東京地検特捜部長の顔に睨みつけられて萎縮してしまったようだが、番組制作の観点からは今後に課題を残す結果となった。

2010/06/26


最前線レポート〜マネジメントはいま
野球が変える企業経営

 春。堤防での10キロ走。頭上に咲き乱れるサクラの花を見ても、感動する余裕はない。前回の計測で50分だった者は48分、48分だった者は46分。それぞれ2分以上の短縮を命じられているためだ。脚力強化の遠い先には、甲子園という明確な目標があり、組織を構成する一人一人がその目標を共有していた。

 7キロ付近。レギュラーと補欠の間を行ったり来たりしている樋山孝太の足が止まった。肥満体型の孝太にとっては持久走が一番嫌いな練習。アスファルトの上にへたり込んだ直後に、ゴール方向から足音が聞こえた。ショートを守るキャプテンの日向翔だ。 「樋山、がんばれ。自分に負けちゃだめだ。みんなで甲子園に行こうって約束したじゃないか」

 日向はすでに10キロを走り終えていたのだが、樋山がリタイア寸前というチームメートからの報告を聞いて、たまらずに3キロを逆走してきたのだ。キャプテンの気持ちがわかるから、樋山も休んでいるわけにはいかない。立ち上がり、滝のような汗を流しながら、ゆっくりではあるが走り始めた。

「すいません。オレなんかのために戻ってきてもらって。うれしいっすよ。オレ。がんばりますよ。日向係長のためなら」

「バカヤロー。練習中は係長って呼ぶな!」

* * *

 日本の企業研修に、明らかな変化が生じ始めたのは、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(通称「もしドラ」)が発売されてからだ。オーストリア生まれの経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカーの教えは、世界中で多くの経営者に信奉されているが、その言葉は時として難解であり、抽象的で、容易には理解できない。ドラッカーの理論を自らの企業経営に実践したいと考えていた無数の経営者にとり、もしドラは格好のマニュアルとなった。

 そんな経営者の大半が、もしドラの中からマネージメントのエッセンスだけを抜き取って自らの経営に生かそうとしているのに対し、一部の先鋭的な経営者は、本に描かれた内容をそのまま実践しようとしている。つまり、社員たちを集めて野球部を結成。まるで甲子園を目指す球児のように毎日の夕方と週末、激しい練習に励むことで、経営効率を高めようとしているのだ。

* * *

 俊足のレフトで、トップバッターを任されている中野涼は、迷っていた。

(みんながやっていること。自分だけが悪いんじゃない。加わらないのは、自分だけ損するようなものだ)

 しかし……。中野は自問しないわけにはいかなかった。

(高校野球は連帯責任が原則。自分が悪事に加われば、ちょっとトクをした気分にはなれるかもしれないが、バレれば対外試合が禁止され、甲子園には出られなくなってしまう。野球部のみんなを裏切るなんてできない)

 中野は勇気を振り絞ってはっきりと、業界の元締めであるライバル会社の総務部長に告げた。

「今度の入札、うちは談合には参加しません。スポーツマンシップに乗っ取り、正々堂々と競争させてもらいますよ」

* * *

 小気味よい金属バットの音が響く夕暮れのグラウンド。野手たちはノックのボールを、しっかりと腰を落として受け止め、無駄のない動きできれいに1塁へと送球する。4月にはほとんどの選手がぎこちない動きだったが、猛練習の成果がようやくここにきて現れてきた。高野連の地方支部が参加を認めてくれさえすれば、地区大会突破はなんとかできるのではないか。社長室の窓からグラウンドを見下ろしながら、社長の久保木賢治はそう感じ始めていた。

 背後の棒グラフには「もしドラ」式経営の成果がはっきりと現れていた。売上高は前年同月比10%増。不良品率は5分の1に低下した。終業後の練習で求心力や、社員ひとりひとりのコミュニケーション能力が高まったことが、本業にもプラスの影響を与えていた。

 マネージャー、つまり経営者としての決断に、間違いはなかった。夏の甲子園が終わるまでは、社員たちに現在の練習を続けさせよう。「いや、キミだけは秋以降も現在の服装で出勤したまえ」。窓ガラスにかすかに反射した自らのセーラー服姿に、久保木はそう命じたのだった。

2010/06/23


サッカーW杯レポート
ブブゼラになんて負けない

 ゾウの咆哮のような轟音に包まれた南アフリカのサッカースタジアム。経験したことのない異様な雰囲気と、何が何でもデンマークに勝って決勝トーナメントに駒を進めなければならないというプレッシャーを考えれば、日本代表に「緊張するな」というほうが無理な相談だった。

 ──その時。

 「ヴォォォォォォォォォォ」

 観客席の最前列に並んだ山伏姿の男たちが立ち上がり、ほら貝を吹き始めた。天台寺、真言宗、熊野三山、鳥海山……。宗派や山ごもりの場所が違っても、山伏たちの願いは一つ。日本の勝利だ。見事なほら貝のハーモニーは最高の応援歌となり、ブルーのユニフォームの背中を押した。

* * *

 サッカーW杯南アフリカ大会で最大の注目株。それはメッシでもルーニーでも本田でもなく、「ブブゼラ」だろう。音があまりに大きいとして、W杯開催前には規制を求める声が上がったが、FIFAはアフリカらしさを演出する応援グッズとして容認した。この結果、地元アフリカ諸国の試合はもちろん、ほかの大陸からのチームの試合でも、ブブゼラがキックオフからタイムアップの瞬間までうなり続け、ピッチ上で叫ぶ選手の声や、サポーターの肉声による応援をかき消している。

 そんな状況を黙って見ていられず、思い思いの民族楽器を手に自国選手の応援のため南アフリカに駆けつけた熱心なサポーターたちがいる。時として民族色豊かな音色は、どの評論家も予測しなかったような試合結果をもたらすことがある。

 たとえば、チューリッヒからの特別便で持ち込まれた10本のアルプホルン。ブブゼラの音に埋没することなく、終始スイス代表を鼓舞し続け、優勝候補と言われたスペインとの対戦で、歴史的と言われる番狂わせを演出した。

 「ヨウロレヨウロレヨウロレヨウロレヒー」

 スイスが得点した直後、スタンドでサポーターらが高笑いするかのように歌ったヨーデルが、スペイン代表に与えた心理的な打撃の効果も見逃せない。

* * *

 「我々もなにか音の出る道具を使って応援しようと思ったのさ。ところが、これといったものが見つからない。アメリカじゃ、ひいきのチームを鳴り物で応援する習慣がないんだ。もっとも、サッカーを応援すること自体、ほとんどないけどね」

 シカゴから来たテリー・キノヴィッチさんは、そう言って肩をすくめた。

 メジャーリーグでもアメフトのNFLでも、バスケットのNBAでも、ファンは熱狂的だが、応援は肉声や手拍子が中心だ。しかし、同じ方法をサッカーW杯で使えばブブゼラの音に埋もれてしまい、アメリカ代表を励ますことができない。

 このためアメリカ代表のサポーターたちは、別の方法を考えた。

 予選グループC、アメリカ代表にとっての第2試合。前半を終わった時点では、スロバキアがリードしていた。後半開始直後、スロバキアのパスをカットしたアメリカが守りから攻めに転じた瞬間、スタジアムの最上段に設けられた特設席で、リンダ・コービルさんの指先が鍵盤上で動き始めた。メロディこそ単純だが絶妙なリズムで刻まれるオルガンの音が、巧みにサポーターの声援を先導した。

 コービルさんはシカゴ・ホワイトソックスの専属オルガン奏者。サッカーの試合で演奏を担当するのはこれが初めてだが、「攻めと守りがあるという点では、野球もサッカーも同じよね」と笑う。

 後半32分。オルガンが馴染みのメロディを奏ではじめた。アメリカ代表のサポーターが、やはり母国から持ち込んだホットドックを食べるのをしばし休んで立ち上がり、肩を組んで体を左右に揺らした。

Take me out to the ball game
Take me out with the crowd,
Buy me some peanuts and Cracker Jack....

 アメリカが2点目を入れ、敗色濃厚だった試合を引き分けに持ち込んだのは、サポーターたちが「私を野球に連れてって」の大合唱を終えた直後だった。

2010/06/20


はやぶさが待望の帰還、内部に小惑星の砂粒?

 宇宙航空研究開発機構が7年前に打ち上げた小惑星探査機「はやぶさ」が、数々のピンチを乗り越えて地球に帰還。探査機本体は大気圏再突入後に燃え尽きたものの、カプセルが無事にオーストラリア南部の砂漠に軟着陸した。

 日本の打ち上げた宇宙探査機としては、異例の注目度だった。神奈川県内の管制室には多くのファンが詰めかけたほか、再突入の模様はインターネットなどで生中継された。はるばる現地の砂漠を訪れた熱心なファンも数人いた。

 宇宙機構では現地に派遣した回収班がカプセルの着陸地点を確認。カプセルの表面には地球外生命体がびっしりとこびりつき、回収班のスタッフに強酸性の液体を吹きかけようとしたり、跳びかかって卵を産み付けようとする個体もあったが、完全防護服姿のスタッフが1匹ずつ殺処分したうえ、現地で埋却した。

 宇宙機構ではカプセルを日本に持ち帰り、内部に小惑星「イトカワ」の砂粒が入っているかを調べる方針。かすかな量でも砂粒が地球に持ち帰られたとすれば人類の宇宙開発史に残る快挙であり、太陽系誕生の秘密に迫る貴重な手がかりになると期待されている。

2010/06/15


力士のギャンブル、野球賭博以外にも

 日本相撲協会の聞き取り調査で、一部の力士が「デリバティブ」と呼ばれる派生型金融賭博にも深く関わっていたことが明らかになった。野球賭博問題以上に大規模でハイリスクなギャンブルが角界を汚染していた事態に、改めて批判が集まりそうだ。

 相撲協会によれば、力士が取引していたのは株価指数先物、株価指数先物オプション、通貨オプションなどの金融賭博商品。予測が当たれば高収益が手に入るものの、思惑が外れて賭け金の数十倍、数百倍の損失を被ることもある、極めてリスクの高いギャンブルだ。

 調査委員長の富士嶽親方(元小結大火龍)は「巡業中の稽古の合間などに花札などで遊ぶ昔からの風潮が高じて、デリバティブに手を染めてしまったようだ」と説明する。角界には「小よく大を制す」が尊ばれる風潮があり、少額の証拠金で大規模な取引を行うデリバティブが受け入れられやすい素地もあった。

 個々の力士の損益状況は明らかにされていないが、角界筋によれば、好況時には勝ち越す力士が多かったものの、リーマン・ショック前後から負け越しが目立つようになった。最近では「黒星街道まっしぐら」状態から抜け出せない力士も少なくない。なお、運用益を現金で受取るさいには、すべての力士が手刀を切っており、この点では相撲規則に違反する行為は確認されなかったという。

 相撲協会では近く全力士を集めて講演会を開き、英ベアリングス銀行、慶応義塾大学、サイゼリアの失敗を教訓に、デリバティブに潜む危険性を周知徹底する方針だが、長年続いてきた賭博の習慣が一掃されるかどうか、疑問視するむきもある。このような角界の先行きへの不安を反映してか、11日の両国年寄株市場では1年の年寄株先物終値が前日比5%の下げとなった。

2010/06/11


45都道府県、それぞれの理由

全国知事会で各都道府県が表明した考えは以下の通り

  • 沖縄県: 米軍基地が集中している沖縄県の負担を大幅に減らしてもらいたい
  • 大阪府: 大阪は基地を負担していないので、まっさきに汗をかかなければならない
  • 北海道: 英語は全然だめで、ロシア語しか通じないからイヤ
  • 青森県: 県民が以前にも増して「おらこんな村ぁイヤだ」になるからイヤ
  • 岩手県: 「騒音ニモマケズ」なんて誰も言ってないからイヤ
  • 秋田県: ナマハゲが基地内での捜索活動の最中に撃たれそうだからイヤ
  • 宮城県: さとう宗幸の歌声が似合わないからイヤ
  • 山形県: おしんを米軍基地に奉公させるのは危険すぎるからイヤ
  • 福島県: すでに常磐ハワイアンセンターを受け入れた経緯があるからイヤ
  • 茨城県: 栃木県が受け入れないからイヤ
  • 栃木県: 茨城県がいやだっていってるからイヤ
  • 群馬県: そんなことに関わっていたら焼きまんじゅうが焦げるからイヤ
  • 埼玉県: レッズサポーターの一部が暴れそうだからイヤ
  • 東京都: オリンピックを招致できないような都市にこれ以上の米軍を受け入れる資格なんてどうせないからイヤ
  • 千葉県: アメリカ原産のネズミやアヒルに蹂躙されて久しいからイヤ
  • 神奈川県: いつベイスターズの連敗が始まるかわからないからイヤ
  • 山梨県: 海を見たことがないので「海兵隊」がどういうものか理解できないからイヤ
  • 長野県: 諏訪神社大祭の片付けがまだ終わってないからイヤ
  • 新潟県: トキの繁殖に忙しくて、それどころじゃないからイヤ
  • 富山県: 薬売りの行商に出払っていて、いま分かる人がいないからイヤ
  • 石川県: ゴジラを大リーグに供出済だからイヤ
  • 福井県: 東尋坊の上空で飛ばれたりしたらロケの邪魔になるからイヤ
  • 静岡県: 富士山上空を飛ばれたら日本中の銭湯の絵を修正しないといけないからイヤ
  • 愛知県: アメリカ人を見るとプリウス問題で負った心の傷が疼くのでイヤ
  • 岐阜県: 米軍士官も岐阜羽島駅を乗り越してしまうに決まっているからイヤ
  • 三重県: 伊勢神宮のおひざもとだからイヤ
  • 滋賀県: 琵琶湖が無駄にでかくて、基地を作る土地がないからイヤ
  • 京都府: 清水寺の住職が太い筆で「拒」と書いたからイヤ
  • 奈良県: 大仏様が首を縦に振らないからイヤ
  • 和歌山県: おそらくは猛反発するであろう大阪府岸和田市に隣接しているからイヤ
  • 兵庫県: 米軍を誘致しなくても神戸空港をなんとかする方法が、きっときっと見つかるに違いないからイヤ
  • 岡山県: これから鬼の征伐に向かう犬、猿、キジに強襲揚陸艦が加わったりしたらフェアじゃないからイヤ
  • 広島県: シャモジを振り回しただけで米軍機を地上誘導してしまいそうだからイヤ
  • 鳥取県: 朝の連続テレビ小説に米軍は似合わないからイヤ
  • 島根県: 八百万の神に海兵隊が混ざるとややこしいことになるからイヤ
  • 山口県: 日常生活にフグの卵巣という不安をすでに抱えているからイヤ
  • 香川県: うどんの粉をヘリやジェット機のエンジンが吸い込むと危ないからイヤ
  • 徳島県: 阿波踊りの阿呆とヒップホップの阿呆に共通項が見いだせないからイヤ
  • 高知県: はりまや橋によるがっかりからまだ立ち直っていないからイヤ
  • 愛媛県: 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている左派系教師の猛反対は必至だからイヤ
  • 福岡県: 菅原道真が祟りそうだからイヤ
  • 大分県: トリニータの負担だけで十分に重いからイヤ
  • 佐賀県: がばいばあちゃんが腰に結んだ紐で磁石を引っ張って歩いても、墜落した大型ヘリの残骸は回収できないからイヤ
  • 長崎県: もう出島と市街地の間を埋めちゃったからイヤ
  • 熊本県: 馬刺しが外国人にバレたらシーシェパードが攻めてきそうだからイヤ
  • 宮崎県: 言うまでもないけどイヤ
  • 鹿児島県: 以前の知事会で桜島の負担も分担するようお願いしたのに無視されたからイヤ

2010/05/28


証言

 3年前の夏のある日、テレビ制作会社に務めるアシスタントディレクターの携帯電話が鳴り、聞き覚えの無い声が聞こえてきた。

「中居の後ろに赤い制服を着た女が座っているだろ。あの席のチケットが欲しい。手配しろや」

 ADは一瞬、意味が理解できなかった。

「え、ええと、あれは制作側が手配しているエキストラでして、観客席ではないんです。チケットは配布していません」

「どうしても、だめなんか」

「残念ですが」

「じゃあ、男6人ほど、エキストラとしてやとってくれんか」

「いえ、20代の女性と決まっていまして」

 大きな舌打ちの音とともに、電話は切れた。

* * *

 2008年の東京ガールズコレクション(TGC)。会場の代々木体育館前の会場入口前で、トラブルが発生した。

「黙って入場させたらいいんじゃ」

「このままお引き取りください」

「どかんかい、あほんだら」

「いえ、入場させるわけにはいきません」

「テレビ画面に映るよう、ステージそばに立って何が悪いんじゃこら」

 TGCが観客として想定している層とはかけ離れた中年のいかつい男数人が、警備員との押し問答を続けていた。主催者からの通報を受けた機動隊がバスで現場に到着すると、男たちはつばを吐き捨てながら雑踏の中に姿を消した。

* * *

 獄中の組長に、テレビを通じて自分たちの元気な姿を見せるための大相撲観戦。日本相撲協会が直面する新たな不祥事だが、警察庁組織犯罪対策本部の岸野譲市本部長によれば、暴力団がテレビ中継されるイベントに入り込むのはこれが初めてではない。幸い、ほとんどのケースでは失敗に終わっているが、大相撲のように暴力団にテレビ画面に登場するチャンスをまんまと与えてしまうケースもある。

 「相撲協会が再発防止策をとれば、土俵周辺での観戦は不可能になるはず。暴力団はほかの方法でテレビに登場するだろう。今後、手口がさらに巧妙化して、察知が難しくならなければいいのだが……」(岸野氏)

* * *

 「続いて、ここ釧路港からの中継です。見てください。今年もかわいいゴマフアザラシがやってきました」

 全国ニュースの画面が、岸壁に寝そべる6匹のゴマフアザラシに切り替わった。

 「みなさん、わかりますか? 今回やってきたゴマフアザラシは、いつもの年よりも体が大きいんです」

 6匹はまばたきしたり、あくびをしたり、鼻の穴を閉じたり開いたりした。あらかじめ練習を積んだ通りに。

 興奮気味のレポーターが、見物にやってきた近所の人にマイクを向けた。

 「近くで見ると、大きいんですね」

 「思ったよりも、いかついです」

 「うーん、去年までのゴマアザラシと、ちょっと雰囲気が違うなぁ」

 レポーターが「ゴマフアザラシたちは今年も元気いっぱい。まちの人気者になりそうです」と中継を締めくくるのを背後から見つめながら、ゴマフアザラシの着ぐるみに身を包んだ6人は、今ごろテレビを食い入るように見ているはずの組長が、ゴマのひとつひとつが菱形であることに気がつけば、その瞬間にすべてを理解してくれるはずと信じていた。

2010/05/27


表現力が医療を変える

 熊澤芳雄さん(63歳)が入院するのはこれが6回目。食後の腹部の痛みと下痢を訴えて入院する、慢性膵炎の診断を受けて酒を断つ、回復して退院するが、しばらくすると酒が我慢できなくなる、落ち着いていた症状がぶり返す。そんな生活をもう10年以上繰り返している。

 しかし、今度だけは事情が違った。医師が指し示したCT画像は白黒だったが、膵臓だけが赤く染まっている。その組織は見るからに脆く、いまにも崩れてしまいそう。医師がマウスを操作すると、ひとつひとつの細胞が分離して四方八方に散らばった。

 「ひーっ!」  膵臓の鮮烈な赤と反比例するように、熊澤さんの顔から血の気が引いた。「もう、酒はやめます。金輪際飲みません。先生どうか助けてください」。画面の片隅に記された「イメージ図」の5文字を読取る余裕など、熊澤さんにはとてもない。

* * *

 医療機器メーカーと薬品・生活用品メーカーが共同開発した画像診断装置が、いま、臨床現場を変えつつある。超音波診断、CT、MRIなど、高度な技術が満載された機器と、「わかりやすさ」を最優先した表現手法のマッチングで、患者に与えるインパクトが飛躍的に強まったのだ。

 「当社のCMは商品名、パッケージ、CMのいずれをとってもわかりやすさ第一主義。CMはわずか15秒という時間のなかで、最新のCG技術を駆使しつつ、商品の特徴をはっきりと伝えているんです」(南由規・小林製薬マーケティング部長)

 小林製薬の表現力にかねてから注目していたのが駒込都立医大の浅岡拓教授。「CTやMRIの画像を読めるのは長年の経験を積んだ医者だけ。でも、健康状態を本当に理解しなければならないのは患者本人なんです。小林製薬の表現力を使えば、高度な医療の知識のない人にだって状況が正確に理解できるでしょう」。浅岡教授の呼びかけに応じるかたちで3年前、東芝メディカルシステムと小林製薬が技術提携。新しい画像診断装置の開発が急ピッチで進み、この春から一部の医療機関で試験的な導入が始まった。

* * *

 小林製薬のCMを際立たせる卓越した表現力。その鍵を握るのが可視化技術だ。充血、炎症、悪臭、痛み……。本来なら視覚的には表現しにくいこれらの現象を、CGデザイナーがわかりやすいかたちにしていく。たとえばチクチクする痛みなら鋭角を描くギザギザの線。鈍い痛みなら大きな丸い円形。体の内部で発生しているこれらの問題を目で再認識した消費者は、購買意欲を強く刺激され、売り場で思わずその商品に手を伸ばす。

 同じ可視化技術が、いま心療内科の臨床現場で新しい次元を切り開こうとしている。都内のクリニックを訪れたの崎谷玲さん(28)が症状を打ち明けるのは医師ではなく、小林製薬から派遣されたCGデザイナー、川勢太一さんだ。

「半年くらい前から、なんていうかこう、胸の中になんとなくモヤモヤとしたものがいつもあるっていうか」

「そのもやもやは、こんな形じゃないですか?」

「いえ、そんなウニみたいなトゲトゲがあるものじゃなくて」

「では、丸型のモヤモヤですか? たとえばこれくらいの」

「もうちょっと角張ってるかな」

「これくらい?」

「そうそう、ちょうどそれくらいです。あと、色はオレンジに紫の水玉です」

 患者とCGデザイナーの入念な打ち合わせを経て作成され、「モーヤン」と名付けられたそのCGキャラクターのデータは、主治医のパソコンに転送された。手に乗せられそうなほどリアルなモーヤンの形、テキスチャ、色を見た主治医が診断を下す。「『胸の中のなんとなくモヤモヤとしたもの』と言ってもなかなか伝わらなかったこの気持を、正確にお医者さんに伝えることができたような気がします」(崎谷さん)

 崎谷さんは今後の治療に楽観的な見方を示す。従来のカウンセリングや薬物療法の効果に加えて、川崎さんが現在急ピッチで制作している、モーヤンをダイナマイトで粉々に吹き飛ばすCG映像が、近く完成するからだ。

2010/05/22


食品使って洪水対策

 国土交通省は国内の食品メーカーや地方自治体と協力して、来年度から食品を使った水害防止事業の基礎研究に着手する。大規模な土木工事による河川改修から脱却。雨が降った直後に水を吸収することで、大幅なコストダウンにつなげたい考えだ。

 初年度となる2011年度には、和歌山県高野町で高野豆腐を1世帯あたり20キロ程度配布。1時間に50ミリ以上の豪雨が降ったさい、家の周辺に散布するよう呼びかける。高野豆腐20キロあたりの吸水量は小中学校のプールひとつ分に達することから、河川にはほとんど雨水が流れ込まなくなり、下流域での水害防止効果が期待できる。

 このほか、吸水資材としての性能が注目されるのが乾燥しいたけ。国内を代表する生産者の大分県椎茸農業協同組合では、「乾燥しいたけ1年分の吸水量は5年分の降雨量に匹敵する」と説明する。

 しかし、「食材ごとの特性をよく理解してから実験に移るべき」と警鐘を鳴らす専門家も少なくない。昭和62年には瀬戸内海に浮かぶ香川県の志茂島に1時間60ミリの豪雨が降り注ぎ、島内に備蓄されてい「ふえるワカメちゃん」が散布されたが、大量の水を吸収して体積が5000倍以上に膨張。水害は防いだものの、その後も異常繁殖が止まらず、3日後には島民が全員島外に避難した。20年余りが経過したいまも島全体が鬱蒼としたワカメちゃんジャングルに覆われたままだ。

 饅頭やせんべいといった喉が渇く食品のほうが水害防止効果は優れていると指摘する声もあるが、豪雨を利用して大量のお茶を煎れる技術はまだ確立されておらず、実用化までにはかなりの時間がかかりそうだ。

2010/05/16


3億円の用途めぐり口論、夫に跳び蹴り

 警視庁墨田署は11日深夜、墨田区東墨田3丁目のアルバイト、谷中寛子容疑者(39)を傷害の容疑で逮捕した。宝くじの賞金の使い道をめぐる口論から、夫の顔面に跳び蹴りして全治1ヶ月のけがを負わせた疑い。取り調べに対し、谷中容疑者は犯行を認めているという。

 この日、谷中容疑者は夜12時ごろまでテレビを見たあと就寝しようとしたが寝れず、すでに眠っていた夫にドリームジャンボ宝くじの1等賞金3億円の使い道について問いかけた。背を向けたまま「家のローンを返済して、子供の教育資金を確保して、自転車を買い換えたら、残りは将来に備えて貯金しておく」と答えた夫を途中でさえぎり、「そんなんじゃなんのための宝くじかわからない。ポルシェがほしい。ルイ・ヴィトンもほしい。フランス料理も毎日食べたい」と叫んだ。

 夫は眠い目をこすりながら「無駄遣いすればあっという間になくなってしまい、当選前よりも逆に不幸せになってしまう。仕事も住居も生活スタイルもそれまでとは大きく変えず、着実に生きていくべきだ」と諭したが、妻は自説を曲げないどころか、かねてから取りそろえていた高級マンションのパンフレットを布団の上に並べて、品定めを始めた。

 妻の態度にあきれた夫が「そうやっておまえが買いたいと思ったものをすぐに買ってしまうから、おれがこんなに働いたってうちはほとんど預金がないんだ」と叱責すると、激高した谷中容疑者は夫の制止を無視して5メートルほど後退し、助走をつけて夫の顔面に跳び蹴りした。

 谷中容疑者はその直後、近所の人からの通報を受け現場に急行した警官に逮捕された。夫は救急車で病院に運ばれたが、顔面骨折で1ヶ月の重傷。命に別状はないという。

 谷中容疑者は警察の調べに対し、「3億円という金額が大きすぎて頭に血が上ってしまった。夫には本当に申し訳ないことをした。1日も早く保釈してもらって夫を見舞い、帰宅途中で宝くじ売場に行きドリームジャンボを購入したい。ああ、それにしても3億円が当たったらどうすればいいと思う?」と落ち着かない様子で尋ねている。

2010/05/12


民主党、姫井参院議員をオーディションに擁立

 民主党は東京都秋葉原を中心に活動しているアイドルグループ「AKB48」の次回オーディションに、姫井由美子参議院議員(岡山選挙区)を擁立する方針を固めた。芸能界やスポーツ界から政界への転身が相次いでいるが、政界からアイドルへの転身は極めて異例で、ファンの猛反発は必至。仕掛け人である秋元康氏の対応が注目される。

 小沢一郎民主党幹事長は4月末、任期がまだ3年残っている姫井議員を党本部に呼び出し、秋葉原への国替えを命じた模様だ。姫井議員は2007年7月の参院選で自民党の大物現職候補を破って当選し、民主党躍進の象徴としてもてはやされたが、その後はスキャンダルや離党騒ぎが相次いでおり、政界に残っても活躍の余地は限られている声が出ていた。

 秋葉原の実態やアイドルに詳しい一部の若手議員は、強引とも言える小沢幹事長のやり方に反発しているものの、いまのところ不協和音が表面化する兆しはない。小沢幹事長直々の指導の下、姫井議員は永田町の某所で歌やダンスのトレーニングを秘かに続けているとみられる。

 AKBのファン団体は「姫の移設に断固反対する」と発表。近く総決起集会を開いて、姫井議員の秋葉原入りを阻止する構えだ。AKB48をプロデュースしている秋元康氏はノーコメントを貫いており、姫井議員をAKBを受け入れた場合の処遇も不明だが、愛称は「ぶってぃ」になることがすでに確定したとの見方が永田町界隈では強まっている。

2010/05/12


いまの「漢」字をブログで発信

 清水寺(京都市東山区)がミニブログ・サービスを開始した。インターネットの情報短縮の流れに一段と拍車がかかりそうだ。

 清水寺がこの1日に立ち上げた無料のミニブログ・サイトの名称は「漢」。大手ミニブログのツイッターによく似たしくみだが、発言の長さが最長でも1文字に制限されている点が異なる。サイトにアクセスすると、パソコンでも携帯電話でも画面いっぱいに肉太の毛筆体で揮毫された漢字が表示される。たった1文字でも視覚的なインパクトは十分だ。

 先行するツイッターは最長140文字。従来のブログに比べれば大幅に短いが、国内でも急速に利用者を増やしている。インターネット文化に詳しい西巣鴨文化大学の柴浦巳継准教授は「140字でも多すぎるくらい。ツイッターの発言の90%は40文字以下で、ネットを通じた意思疎通の大半は短い言葉で成り立つことを示している。情報短縮の動きは今後も続くのではないか」と指摘する。

 情報短縮を極限まで追求したのが「漢」。清水寺では1年間の世相を漢字1字だけで表現しており、「1日の出来事やその時々の思いを1字に託すのは容易」(高木範人貫主)とみる。

 発言に使える字はJIS漢字コードに含まれる6879文字のなかから自由に選べることから、発信されるメッセージは多彩だ。「飯」「酒」「車」などユーザーがいま行っていること、「鯖」「蛸」「芋」などいま食べているもの、「犬」「猫」「獏」などいま一緒にいるペット、「津」「蕨」「柏」などいまいる自治体、「心」「技」「体」など名横綱に求められる条件、といった情報が飛び交っている。

 一方で、ツイッターからの乗り換え組とみられるユーザーのなかには「今」としか発言できない人も少なくない。漢字1字の表現法に慣れるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。

2010/04/04


「孤島」に切り込む国産ケータイ

 男性5人のアイドルグループが携帯電話で会話したり、写真をとったり、音楽を聞いたり……。どこかで見たことのある映像だが、違いは5人がいずれも黒人だということだ。

 携帯電話市場の一角を占めるauが、マダガスカルでの事業展開に向けて制作したテレビCMを公開した。日本で成功したマーケティングの手法は、マダガスカルの消費者にもそのまま受け入れられるはずと、同社の関係者は自信を見せる。

 この国の市場に注目するのは、日本国内でauと激しいシェア争いを演じているNTTドコモや、急速にユーザーを増やしているソフトバンクも同じ。国内の携帯3社に端末を供給しているNEC、パナソニック、シャープ、富士通などのメーカーも、アフリカ大陸から隔絶されたマダガスカル島という新興市場に熱い視線を送る。

 その背景には、端末メーカー各社が感じる危機感がある。長い間、国産機種がほぼ独占していた日本国内の携帯端末市場で、米アップル社製のiPhoneをはじめとする輸入品のシェアが高まっている。今後も市場競争から脱落しないためには、国内市場から海外市場、とくに今後急成長が期待される発展途上国に打って出ることが必須条件だ。

 しかし、日本製携帯電話はこれまで、世界市場ではいばらの道を歩んできた。自動車、カメラ、工作機械……。「Made in Japan」が世界市場を席巻している分野は多いのに、日本製携帯電話が強いのは独自規格の通用する国内だけ。ほかの国の市場はノキア、サムスン、モトローラといった欧米、アジアの大手によって分割されており、日本のメーカー各社のシェアはじりじりと下がり続ける。

 唯一の例外が、西太平洋に浮かぶ島。この島のテレビに、先月からこんなCMが映し出されている。

 「おい、ホワイト家族24ってどういう意味なんだ?」と父。

 「えーっ、お父さんにも説明しないといけないの?」と若い娘。

 こちらもどこかで見たCMだが、登場人物はスペイン語を話し、父親役はオリジナルの白い犬ではなく、大きなゾウガメだ。

 多くの固有種が生息するこの島では、島民の環境保護意識が高い。すでに国際市場のレッドデータブックに掲載されたと言われる日本製携帯電話は、彼らにとり遠く離れた場所に住む人との通信手段というよりも、手厚く保護すべき貴重種なのだ。この島で使われている携帯電話は現在約2万台。そのうち95%を日本製が占める。

 自然保護官のマルシア・ロドリゲスさんはこう語る。

 「私たちはパナソニックやソニー、シャープの携帯が大好きなんだ。ガラパゴスゾウガメやガラパゴスリクイグアナ、ガラパゴスペンギンと同じくらいね」

2010/03/25


異次元映画、制作が難航

 初の本格的な3D映画「アバター」が世界的にヒットしたことを受け、国内の映画界で「新次元」への進出を目指す動きが加速している。しかし、撮影や編集、上映に必要な器材はすべて更新が必要。表現方法も見直しを迫られることから、ロードショーは当分先のことになりそうだ。

 2月下旬、茨城県内にある半導体製造装置の研究施設でテストが行われた。大型冷蔵庫のような装置のスイッチが押されると、うめくような低い音が実験室に響いた。その5分後、装置の側面に開いた小さな穴から光線が飛び出し、スクリーンに1本の直線を映し出した。すぐに線の太さが測定される。「45ナノメートル」。髪の毛の2万分の1という極細線にもかかわらず、研究チームのリーダーは首を横に振った。「これではまだ広すぎる。本当の1次元映画を目指すには、さらに45ナノメートル削らなければ……」

 隣の部屋で日夜開発に取り組む別のチームでも、開発作業は難航していた。スクリーンに照らし出された光の点の直径は、こちらも45ナノメートル。彼らが目指す0次元がいつ実現するのか、メドが立っていない状況だ。

 「松本清張先生の『点と線』は過去に何度か映画化、テレビドラマ化されているが、原作の精神が十分には生かされていない。年末までには0次元、1次元の器材を完成させてクランクインしたい」と、松竹の映画プロデューサー、小谷新氏は意欲を見せるが、映画館で0次元、1次元映像を鑑賞するのに必要な高性能顕微鏡の開発という課題はいまも手つかずのまま残る。

 これとは対照的に、東京ムービーで制作が順調に進んでいるようにみえたのが、70年代に日本で放送されて人気を集めた「ど根性ガエル」の3Dアニメ版だ。ひろしとゴリライモの格闘、よし子先生のセクシーなボディライン、梅さんの華麗なバイクライディングテクニックが、2次元の呪縛を解き放たれてダイナミックに描写されている。

 ところが、これまでにマスコミに公開された映像には、主人公であるはずのカエル、ピョン吉がまったく登場していない。当初は本物のカエルに似せた微妙な色調整に手間取っているとの説明だったが、最近になって制作側では、ピョン吉が行方不明になっている事実を認めた。3DのCG映像に詳しい人物は、こう語る。

「幾何学的に言えば、ピョン吉はシャツに貼り付いた2次元ガエルだったが、劇中ではプラス1次元、つまり3次元空間で跳んだり跳ねたりの活躍を見せていた。3次元空間を舞台とする新作ではプラス1次元の世界、つまり4次元空間に飛び出してしまったおそれがある。だとすれば見つけ出すのは至難の業だろう」

 テレビアニメの制作時、ピョン吉は「この世で1匹」と定義されていることから、代役は理論的に存在しない。異次元空間のなかでいまもどっこい生きているはずのピョン吉の確保。それが映画完成の前提条件となる。

2010/03/11


iPS細胞を活用、「美人再生」に大きな一歩

 室蘭医科大学の研究グループがマウスを使い、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、「こまた」を作り出す実験に世界で初めて成功した。近く開かれる日本再生医療学会で発表される。

 日本では「こまたの切れ上がったいい女」という表現が長期間にわたり使われている。近年の遺伝子工学の進歩を受け、こまたに乏しい女性やその夫、恋人の間では、人工的なこまた再生への期待が高まっていた。

 室蘭医科大学の田岡武彦准教授らのグループは、マウスのゲノム情報を解析し、こまたの形成をつかさどる遺伝子を発見。これをマウスのiPS細胞に埋め込んで培養した。2週間でシャーレ上に長さ12センチ、重さ230グラムのこまたができたという。

 現状では、こまたはだらりと垂れ下がっている状態。岡田准教授は、「目標はあくまでも、こまたの切れ上がった状態。今後はゲノム情報をさらに分析し、切れ上がり遺伝子を発見したい」と意欲を見せる。

 池田祐司氏(西ヶ原大学教授)の話「iPS細胞をめぐる研究が、実用化の段階に大きく近づいたことを示す研究成果ではあるが、形成されたこまたをどこに移植すべきなのかは、なおも謎のままだ。今後の研究の行方に注目したい」

2010/03/10


プロ野球にも暖冬の影響

 2月下旬としては記録的な暖かさが、プロ野球にも影響している。この26日からは九州や四国、一部球団の本拠地となっているドーム球場でオープン戦の開催が予定されていたが、名護で27日に開催予定だった日本ハム―楽天戦は急きょ公式戦と変更された。ペナントレース開幕の平年(3月29日)よりも約1ヵ月以上、パ・リーグ事務局の中期予想より22日も早い。

 3月26日に開幕を迎える見通しのセ・リーグだが、2月20日に巨人にマジックナンバー144が点灯した。昨シーズン、巨人にマジックナンバーがついたのは8月末だったから、今年は5ヵ月も早まったことになる。対照的なのが阪神。ベテランの下柳、金本、矢野が、例年よりも半年早い「死のロード」の疲れのために調子を落としており、ファンにあきらめムードが広がるのも例年より約半年早まっている。

 なお、3月4日に横浜球場で開催される予定だったオープン戦の横浜―広島は、この日、観測史上最も早くTubeの野外ライブが開催されることになったために中止された。

2010/02/25


カラオケ採点機器に耐久工業部品賞

 50年の歴史をもつ米国工業振興会の「ロッテルゼール賞」は、工業分野で優れた耐久性を発揮し、科学技術や産業、文化の発展に貢献した部品に贈られる賞。過去の授賞リストには、石油掘削用回転ドリルの刃先、サターン5型ロケットの噴射ノズル、地雷処理ローラーなど、耐久エンジニアリング史を彩ってきた花形部品が名を連ねる。

 今年はカラオケ機器メーカー、第一興商の精密採点モジュールが選ばれた。19世紀前半、年間300試合の野球と150試合のアメフトに出場したとされる伝説のアスリート、ジョン・ロッテルゼールのレリーフをはめ込んだ楯が太平洋を渡るのはこれが初めてだ。

 カラオケ機器の採点装置は、どんなに下手な歌からも逃げることなく、最後まで音程や音量、ビブラート、しゃくり、抑揚を解析しなければならない。聞くに堪えないような歌声でも、50点以上の評価を下さないと怒った客から飲料をかけられる。演算装置やメモリに想像を絶する負荷がかかるために、通常のデバイスで採点装置を組み立てれば、2日と持たずに爆発炎上する。耐久性を高める工夫がこらされた専用採点装置でも、従来品では3ヶ月程度で腐敗して異臭を放つようになるため、こまめな交換が必要だった。

 第一興商では精密採点モジュールのマイクロプロセッサやメモリーに、回路幅を通常の10倍に広げたチップを採用。バックアップ回路を8重とし、順番に休止状態に入らせることで耐久性を大幅に高め、1年程度の連続使用を可能にした。歌唱力が危険なレベルに達した場合には、入力信号にモーツァルトの調べやアフリカゾウの咆哮を混ぜることで、回路のロジックが歪むのを未然に防いでいる。

 商品寿命を迎えてお役御免となった精密採点モジュールは、「カラオケ文化の日」とされる毎年の10月17日、練馬区にある真言寺で供養されたあと、大深度地下の貯蔵庫で永久保存される。地上の盛り場の喧騒から完全に遮断された静寂の空間のなかで、精密採点モジュールが恐怖の歌声から完全に解放されるのか、我々には知るよしもない。

2010/02/19


縄文時代のスキップ跡を発掘

 奈良県煎山町の下原平遺跡で、約1万年前のものとみられるスキップの足跡が見つかった。縄文人の朗らかな性格を示す証拠として考古学者の間で注目を集めている。

 足跡は国道の幅員拡張工事の現場から発見された。1万年前には柔らかい泥だったとみられる地層に、約1メートルの間隔で「右、右、左、左、右、右」の順番で、13歳から14歳の少女のものと思われる足跡が約300メートルに渡って続いていた。

 発掘にあたった奈良古代文化研究所の村田勝也主任研究員によると、付近の地層からは、サクラと思われる植物の種が多数発掘されている。約1万年前は最後の氷河期が終わったころ。「久しぶりの春を迎えたこの地球で、サクラの花が咲き乱れるなか、縄文人の少女は心の中に湧き起こったえもいわれぬ感情に動かされるようにスキップを始めたのではないか」(村田氏)

 スキップの足跡の先には、泥に足を滑らせて尻餅を着いた跡と、それまでの進行方向から左に72度曲がった方向に、一転して小さな歩幅でとぼとぼ歩いていく少女の足跡も残っていた。村田氏らは近く学会で、縄文人にも「ばつの悪さ」の観念が備わっていた証拠として、下原平遺跡での発掘成果を発表する予定だ。

2010/02/16


遠山の金さん、別番組に差し替え

 CS局のサムライチャンネルは平日昼1時から放送している「遠山の金さん」を15日の放送分から別の番組に差し替えると発表した。視聴者から、登場人物の服装の乱れを指摘する声が相次いでいるため。今後はCS局だけでなく地上波テレビ局も、時代劇放送前の服装チェック強化を求められそうだ。

 サムライチャンネルが放送している「遠山の金さん」は、杉良太郎主演で1975年に制作されたシリーズ。劇中のお裁きのシーンで、杉の演じる遠山金四郎景元は長裃を履いている。この服装について先週から「裾を踏みつけているのはだらしない。あれでは腰パンと同じ」といった抗議が電話やメールで毎日200件以上寄せられるようになった。

 金四郎が片肌を脱いで桜吹雪の刺青をあらわにするおなじみのシーンについても「見苦しい。シャツの裾をきちんとズボンに入れていない最近の若者と同じではないか」といった苦情が殺到しているという。

 時代劇の服装について特に規定はなく、極端に長い袴のほか、一部の「くの一」が網タイツとロングブーツを着用するなど、事実上の野放し状態となっている。服装の乱れに対する批判的な声が強まるなか、テレビ局各社は「袴はくるぶしまで」「網タイツは1マス3ミリ四方以下」といった業界ルールの制定に向け検討を始めた模様だ。

 一部の視聴者からは、遠山金四郎に謝罪会見を開くよう求める声もあがっているが、金四郎が記者陣に対して「てめえらさっきから聞いてりゃ言いたい放題言いやがって」と逆ギレする恐れもあり、関係者は対応に苦慮している。

2010/02/14


義理チョコの純度、2ケタアップ

 もうすぐ2月14日。世の男性と女性がそわそわする季節だが、その一方で、義理チョコを金銭的、精神的な負担に感じている女性もいる。なにも贈らなければ波風が立つ。ただそれだけのためにチョコを贈った男にあらぬ勘違いされてはたまらない。贈る側の女性がそう思うのは当然だが、わずかな兆しを拡大解釈してしまうのが贈られる側の男の本能だ。

 不愉快な誤解を避けるために発売されたのが「義理度99.99%」の国際チョコ連盟認定証付きチョコ。昨年話題になったのは「99%」だったから、純度が2ケタ向上したことになる。主原料は岩塩で、蒸し焼きにした豚の血液を塗って灰色に着色され、オニイボガエルの姿に成形されている。認定証がなければ、これがチョコであることさえわからない。

 意中の男性に贈る「本命チョコ」、女性同士で贈りあう「友チョコ」、男性から女性に贈る「逆チョコ」など、細分化が進むバレンタイン需要。菓子メーカー各社は数年前から新たなカテゴリーとして、わずかな好意も感じておらず、将来にわたってもその可能性が微塵もないことを積極的に伝えるための「無関心チョコ」の市場開拓に取り組む。「義理度99.99%」の売れ行き次第では、この新しい市場の規模が急拡大する可能性もある。

 部下のOLから「義理度99.99%」を受け取った会社役員の話を聞いた。「こんなくだらないものなら、くれないほうがいい。上司に向かって失礼だ。だいたいバレンタインなどというキリスト教社会の習慣は日本社会に……」。言葉は厳しくても、満面の笑みを浮かべさせるのに十分な効果を、0.01%の不純物が発揮しているように見えた。

2010/02/13


トヨタ、リコール車種を拡大

 トヨタ自動車が新型プリウスなどのハイブリッド車に続いて、ダイナをリコールすると発表した。車体前面のデザインが「見苦しい」との批判が内外で強まっていることに対応したもの。明日から全国のトヨタ系列販売店で無償修理を行い、フロントグリルとランプを交換する。

 ダンプ、トラック、バンの3車種が設定されているダイナの車体前面は、両端でランプがつり上がっているように見えることから「気性が荒そうでこわい」などのクレームがトヨタに寄せられていた。これまでトヨタでは「感覚の問題であり、安全に影響はない」としてリコールに応じてこなかったが、プリウスをめぐる騒動のあおりで「向かいの工場がダイナを購入してから、うちの子が悪夢にうなされるようになった」といった苦情がマスコミで連日報道されるようになり、トヨタの消極的な対応に批判が集まっていた。

 トヨタ関係者はリコールに乗り出すことでダイナの外観への不安は一掃されると期待しているが、他のトヨタ車についても「カローラルミオンはいくらなんでも角張りすぎ」「クラウンのリアは先代に比べ品がなくなった」「iQはカメムシみたいで気持ち悪い」といった批判が強まっており、これらの車種についてもリコールに踏み切れば、トヨタの負担するコストは大幅に増加することになる。

 なお、マークXの宣伝に以前使用された「男の真ん中でいたいじゃないか」とのコピーについて、トヨタが主要な顧客層に想定していた中年男性からも「恥ずかしすぎる。回収すべき」との声が上がっている。技術的な理由でリコールはできないとの立場をとってきたトヨタだが、世論の動向次第では再考を迫られそうだ。

2010/02/11


相撲協会、「品格番付」を発表

 日本相撲協会が初めての「品格番付」を発表した。朝青龍が最高位の横綱まで昇進したものの、品格面で数々の問題を指摘され、結局は20代での引退を余儀なくされたことを重くみて、協会として品格重視の姿勢を打ち出した。

 品格番付は一般人を選抜するかたちで編成され、実力をもとに力士を順位づける従来の番付と並行して、年に6回発表される。認定基準は学識経験者や元横綱審議委員などの意見を取り入れてまとめられた。「むやみにガッツポーズしない」「清涼飲料水のCMに出てはしゃいだりしない」「髪の毛を引っ張らない」「カメラマンに『死ねコノヤロー』と叫んだりしない」「ボクシングの世界タイトルマッチで勝者を肩車しない」といった内容は、いずれも「品格序の口」の認定基準として採用された。

 初の品格横綱に推挙されたのは、約40年にわたり教師を勤め、5年前に定年退職した柴田圭吾さん(滋賀県大津市)。民生委員を務めるかたわら、琵琶湖をきれいにする市民の会の代表として月1回のゴミ拾い活動を欠かさない。自宅で協会の使者から推挙について知らされた柴田さんは「身に余る光栄ですが、他にもっと立派な方がおられます。今回はご辞退申し上げたい」と応え、品格横綱に求められる条件の一つである謙虚さを早速アピールしていた。

 協会では今夏にも全国から品格力士を集めて初の品格場所を開催する方針。品格力士と大相撲力士から上位4人ずつを選抜して年末にも「クライマックスシリーズ」を開催し、力士に求められるのは実力なのか品格なのかという長年の論争に終止符を打つ考えだ。

2010/02/07


伝統芸能の技法で取り調べを可視化

 日弁連などが強く求めていた被疑者取り調べの可視化を、検察庁が伝統芸能の技法を取り入れることを条件に受け入れることを決めた。これまで密室のなかで行われていた取り調べが裁判官や裁判員に公開され、自白の強要や調書のでっち上げが未然に防止されると期待されている。

 検察庁では昨年夏に大阪で発生した燃料販売店社長夫人殺害事件をモデルケースに試験的な可視化作業を行った。取り調べには台本作家が同室して容疑者の供述を詳細に記録。その内容を再構成して、このほど大阪地裁に臨時に設けられた舞台で模擬裁判を開き、事件の全容を再現した。

 連日連夜のキャバクラ通いで勘当された燃料販売店の社長の義理の息子。それでも同業他社の社長夫人を通じて親から小遣いをもらっていたが、借金を重ねた挙句、金の無心を断った社長夫人を脇差で惨殺……。当事者の荒い息まで伝わってきそうな人形遣いの名人芸、そして繊細な三味線の響きと力強い浄瑠璃の声を存分に堪能した裁判官役、裁判員役の9人は、このあと別室で行われた評決で検察の求刑よりも厳しい死刑判決を下すことを全員一致で決めた。

 模擬裁判に参加した人からは「実際の取り調べの様子をDVDで公開するよりも臨場感があって興味深い」「人形なのに生身の人間以上の表現力。さすがは人間国宝」といった肯定的な評価が相次いだ。検察庁では、すべての事件でこの手法を取り入れるのは困難としながらも、関西地方で心中事件が起きれば、積極的に立件・可視化していきたいと説明している。

2010/01/16


ヤマ場迎えた日航再建
「国交省よ、そこまでするか」

 国土交通省が日本航空の経営再建に向け、強力なリーダーシップを発揮している。経営が破たんすれば民主党政権にとり大きな失点となるのは確実。恫喝と受け止められかねない強硬な手法で、現役の社員、債権者、そしてOBに経営立て直しへの協力を求めている。

 国際線で747-400型機を操縦する神田伸生機長は、日航の2010年版世界の美女カレンダーを広げてみて絶句した。日航機が就航している世界各国で選考したモデルが水着やドレス、民族衣装をまとい、観光地や都市で撮影した写真を掲載したこのカレンダーは、日航関係者や得意先が毎年楽しみにしているノベルティ。ところが、「2月」を開いてみるとスイス・アルプスの山々をバックに、日本人女性が仁王立ちしてカメラをにらみつけている。年齢はぱっと見たところ約50歳。お世辞にも美しいとはいえず、前年までのカレンダーなら到底採用されなかったモデルだ。

 「苦しい経営は、こんなところにも現れているのか」

 日航の経営危機を改めて痛感した神田が、さらなる賃下げを覚悟したのとちょうど同じころ、みずほコーポレート銀行本店で開かれた役員会では、重役らが巨大なスクリーンから思わず顔を背けていた。

「噂には聞いていたが……」
「ひどい。ひどすぎる」
「これがマーケットに漏れたら、日航は一巻の終わり。債権はまったく回収できなくなる」

 「6月」の蘇州。東洋のヴェニスと呼ばれる美しい街並みのなかで、やはり50歳前後の日本人女性が腕組みして立つ。スイスで撮られた写真よりも衝撃的だったのは、チャイナドレスの腰のあたりまでスリットが走っていたためだ。

「国交相はなんと言っているんだ?」
「さらなるつなぎ融資と債権の圧縮に応じるまで、2010年版美女カレンダーをダンプに満載して送り続けると……」
「金融庁は助けてくれないのか?」
「どうにもなりません。金融庁にもダンプが向かっているようです」
「なんとかして断る方法はないのか?」

 会議室は重い沈黙に包まれた。国交省からの圧力にメガバンクが屈した瞬間だ。

 当初、政府主導の経営再建がうまく行くかどうかは日航OBが企業年金の大幅な減額を呑むかどうかにかかっているとみられていた。11月下旬に都内で開かれたOB会で、西松遥社長が企業年金の大幅な削減に協力を初めて求めたさいには、削減は受け入れられないとの空気が支配的だった。ところが、その後は多くのOBが現経営陣の提案に歩みより、12月半ばには3分の2以上のOBが削減に同意した。あるOBが匿名を条件に譲歩の理由を明かす。

「自宅に郵送されてきたカレンダーを見ると、『8月』はワイキキのビーチで撮った辻元副大臣のワンピースの水着姿だった。その1週間後にも届いたカレンダーでは、水着がビキニになっていた。さらに1週間後にはヤシの実ブラ。『次は手ブラらしい』という情報が流れ、OB会はパニックに陥り、なだれを打つように賛成へと転じた」

 金融庁の頭を飛び越え、関係者の心理的な不安をあおってまで再建策への同意を取り付ける国交省の強引なやり方には、批判も多い。自民党の運輸族は「そこまでやるか」とあきれ顔だ。しかし、前原誠司国土交通相は15日の記者会見で、こともなげにいい切った。

「政府が全面的にバックアップして日航の経営再建を後押しする以上、世界の美女カレンダーに辻元清美副大臣が登場するのは、極めて自然な流れだ」

2009/12/16


クラスター洗濯乾燥機、5年以内に実用化へ

 室蘭高等工業専門学校の研究者らが、乱雑に脱ぎ捨てられた衣類のかたまりをそのままの状態できれいにできる「クラスター洗濯乾燥機」の開発に成功した。複数の家電メーカーから商品化に向けた共同研究の引き合いが来ており、早ければ5年以内に商品化されそうだ。

 技術開発を行っているのは同校の角田敦助教らのグループ。研究室に独身男性の暮らすワンルームマンションを再現し、角田助教自ら実験台となって行った実験では、脱衣場の床に無造作に脱ぎ捨てたジーンズ、タイツ、パンツ、靴下のかたまりが、そのまま機器に投入され、洗濯と乾燥の工程を経て、55分後にかたまりの状態のまま取り出され、床の上に戻された。長風呂を楽しんでいた角田助教が全身をバスタオルで拭いてから、かたまりの中に両足のつま先を入れ、パンツ、タイツ、ジーンズの縁をつかんで引き上げると、服を脱ぐ状態の前に戻った。

 財団法人日本被服研究協会の調査によれば、日本人が服を1枚ずつ脱いでたたむ時間は1人平均2分14秒。自分では脱衣や衣服の整頓ができない乳幼児、高齢者をのぞいても、日本全体で毎日、のべ313万時間が費やされている。最低賃金をもとに計算すれば、毎日21億円が無駄になっていることになる。

 クラスター洗濯乾燥機の開発には、過去にも多くの家電メーカーや研究機関が挑んでいるが、洗浄の途中でかたまりが分解してしまう、下着の汚れが落ちにくいなどの欠点があった。角田助教らのグループは、洗浄槽に投げ込んだ衣類のかたまりの上からネットを当てることで分解を防ぐとともに、超音波洗浄装置も内蔵することで十分な洗浄力を確保した。

 しかし、開発前に設定された「左右の靴下がズボンの左右の裾から出ている状態を保ったまま洗う」という目標はまだ達成されておらず、全国で年間8万件起きているとされる靴下片方紛失事故が減少に転じるのは、当分先のことになりそうだ。

2009/12/15


動物発毛コンテスト、グランプリは……

 発毛サロンを全国で展開しているリーブ21が開催した初の動物発毛コンテストで、スベスベマンジュウガニがグランプリに輝いた。同社では発毛のための施術を行った個体について、日本甲殻類学会に対して「フサフサマンジュウガニ」への改称を申請する方針だ。

 スベスベマンジュウガニは甲羅が滑らかで、全身に毛が1本もなく、名前の由来となったスベスベマンジュウよりもさらにスベスベと言われる。リーブ21生化学研究所では伊豆沖で捕獲した大量のスベスベマンジュウガニに、特別配合の育毛剤を塗ったり、全身をマッサージするなどした。3ヶ月後には大半の個体で、全身が濃い体毛で覆われたり、くっきりとした胸毛が現れるなどの変化が生じたという。

 初回にして大きな成果を残した動物発毛コンテストだが、施術を受けたスベスベマンジュウガニの3.4%については満足のいく効果が出なかった。同社では「さらに発毛効果を高めて、動物満足度100%を目指したい」と説明している。

 なお、これまでは毛深い魚介類といえば毛がにが真っ先に連想されることが多かったが、エステティックTBCがキャンペーンの一環として根室沖で毛がに全身永久脱毛フェアを展開していることから、漁業関係者は体毛観の抜本的な見直しを迫られそうだ。

2009/12/01


釣りコンテスト、1位は800キロ以上

 鳥取県井式町の漁協が主催した長靴釣りコンテストで、俳優の市田新さん(62)が優勝した。体長2メートル、重さ800キロの巨大な靴果に、市田さんは鼻高々だ。

 このコンテストは長靴の回流コースの中央に浮かぶ井式島に観光客を呼び込むために漁協が4年前から毎年11月に開催しているもの。腕に自信のある全国の長靴釣りマニア205人が参加し、井式島から半径5キロ以内の海域に散らばり、狙ったスポットで釣り糸を垂らした。

 長靴の生態は謎が多いが、沖縄近海が繁殖地といわれ、稚靴の状態で台湾や沖縄の近海を回遊。パンプスやスリッパ、下駄などを食べて成長し、体長1メートル以上に成長してから対馬海流に乗って日本海を北上すると言われる。

 市田さんの釣った長靴はその日のうちに包装されたあと、セリの行われる築地長靴市場へと送られた。漁協関係者は「靴底のパターンが滑りにくいしっかりした形。内部にも防寒性の高い毛がびっしりと生えているので、500万円以上の値がつくのでは」と期待に胸を膨らませていた。

 なお、市田さんが今回釣った長靴は右足用。大会が終わったあとも現場の海域には地元の漁船が集結し、いまも海域に残る左足用を虎視眈々と狙っている。

2009/11/29


沖縄米軍の駐留地、全国持ち回りへ

 山形県酒井市の陸上競技場。青い空に浮かんだ数十個の黒い点が徐々に大きくなり、やがてあたりは轟音に包まれた。駐車場の上で空中停止したヘリからは、完全武装の兵士たちがロープを伝ってするすると降りてくる。同じころ約2キロ離れた日本海岸では、強襲揚陸艦を使って約2000人の兵士、戦車、装甲車などが上陸。市街地を通って体育館へと向かった。

 沖縄県普天間基地。その一角にある司令室に、次々と新たな情報が飛び込んでくる。「第5武装偵察中隊、所定のポイントに到着」「戦闘強襲大隊、到着まであと2分」。大型液晶ディスプレイに表示される部隊の展開状況を注視する司令官に、恰幅のいい白髪の日本人男性が尋ねた。

「名産品のサーターアンダギーはもたせましたね?」

「オフコース。作戦の成否は、沖縄みやげでどれだけ歓心を買えるかにかかっているからな」

 白髪の男は神山譲二。元小結・常光山という経歴を、70代以上の相撲ファンなら覚えているはずだ。角界関係者の間ではむしろ、12年前に廃業するまで巡業副部長を30年にわたり務めた「風ノ海親方」の印象が濃い。表に出る機会こそ少なかったが、風ノ海が実質的に地方巡業をしきっているのは角界の常識だった。

 その神山が外務省の委託を受け、3年前にまとめたレポートがある。「普天間基地、全国巡業の可能性」。方向性が示されてから13年が経つのにめどが立たない普天間基地移転問題の解決のためには、基地本体を現在の場所に残したまま、巡業で日本全国津々浦々を訪れ、国民が広く米軍駐留に伴う痛みを負担するしかないという内容だ。レポートの内容は2007年春の安倍ブッシュ会談で米側に伝えられ、2年余りの事務レベル協議を経て、米軍の歴史のなかで前例のない巡業の決行日、Jデーを迎えた。

 酒井市に最初の部隊が到着してから2時間後。陸上競技場のピッチの上では、海兵隊兵士による格闘訓練が始まっていた。入隊5年目の屈強な兵士に、3か月前に入隊したばかりの細身の兵士が挑むが、簡単に地面に倒される。肩で息をしながらも、細身の兵士はまたぶつかっていく。海兵隊が、神山からの助言を取り入れて始めた「クラッシュ・エクササイズ」だ。「米軍は返れ」と赤字で書かれた横断幕を掲げながら、遠巻きに眺めていた地元の労組関係者の視線が変わった。「くじけずに精進して、いつか立派な兵士になってほしいと思わずにはいられない」

 激しい訓練のあと、泥だらけになった兵士2人が、近くの民家を訪れた。覚えたばかりのたどたどしい日本語であいさつし、民家が貸してくれたお風呂に入った。「日本の風呂では前を隠すのが礼儀とされる」。沖縄を出発する前のブリーフィングで神山から伝えられた情報が、トラブルの発生を未然に防ぐのに役立つ。

 沖縄海洋大学の室井信也準教授(政治学)は、沖縄米軍の巡業制導入を高く評価する。「沖縄の米軍は日本の安全保障に役立っていると、東京の政治家はいう。それなのに沖縄以外の自治体はどこも米軍基地を受け入れようとしない。本来なら基地そのものを移転すべきだが、巡業している間、沖縄の基地を留守にしてくれるのなら、負担は大幅に軽減される」

 沖縄米軍の初の巡業では、酒井、大館、弘前、花巻、いわきの東北5都市を「転戦」する予定。日米合同で効果の検証を行い、良好と判断すればほかの地域にも巡業先を広げる方針だ。ワシントンでも地方巡業が米軍への厳しい見方を変えてくれるとの期待が広がっており、強硬派からは早くも「米軍イラン場所」の開催を求める主張も出ている。

2009/11/09


一般道の速度上限、80キロに引き上げ

 警察庁は一般道の最高速度に関する新しい基準をまとめた。最高速度の上限を時速80キロメートルまで引き上げるなどの内容。都道府県の公安委員会に対し、速度規制の見直しが必要な区間がないかどうか調査するよう指示した。

 現在、最高速度の上限は60キロに設定されているが、見通しのいい直線道路などでは80キロ走行も安全との指摘があり、多くの車両が「スピード違反状態」で走行しているのが実情。通行量の多い区間では速度上限がノロノロ運転の一因にもなっており、トラック業界、バス業界などから見直しを求める声が強まっていた。

 学識経験者の間では、上限だけでなく下限についても再検討する必要があるとの見方が支配的。「最低速度を現行の0キロから20キロ程度に変更することで、交通渋滞は劇的に改善するはず」と、東京工業大学の穂積潮教授(交通工学)はみる。トヨタ自動車研究所の小野肇上級研究員も「自動車は発進のさいに大量のエネルギーを消費し、停止の直前に大量のエネルギーを無駄にしている。速度下限の見直しでCO2排出量は18%程度減るのではないか」と予測する。

 しかし、時速20キロ程度で走行する自動車に飛び乗ったり、飛び降りるのには高度な技術が必要。赤信号の交差点を停止しないまま通過できるか、工事中の高架道路に誤って進入してしまったらどうなるかなど、技術的な課題も山積している。警察庁はアメリカ人女優のサンドラ・ブロックさんから事情を聞くなどして、走行速度下限の引き上げに向けた調査を本格化させる見通しだ。

2009/10/31


東京都議選、国政への影響は?

 麻生太郎首相は11日夜、親しい国会議員数人との会食のなかで、12日に投開票が行われる東京都議会議員選挙の結果は「国政には直接影響しない」と述べた。政界に定着しつつある「都議選は前立腺」との見方に異を唱え、引き続き政権運営にあたる意志を強調したとみられる。

 これに対して民主党の鳩山由紀夫代表は12日朝、「都議選での民主党の大勝は確実。都議選イコール前立腺であり、大量の前立腺液を分泌することで、いよいよ政権交代の準備が心身ともに整った」と語るなど、都議選の勢いを保ったまま総選挙を闘う意欲を示した。

 自民党内部では、都議選の結果次第では今後の国政運営に重大な支障をきたすとの懸念が広がりつつある。「首都・東京で民主党が存在感を増し、国家政策がチョロチョロとしか打ち出せない状況は前立腺肥大症に等しい」と、町村派の古参議員は指摘する。

 11日夜に都内で開かれた自民党国会議員の会合では、野田聖子・消費者行政担当相など女性議員らが「前立腺はしょせん前立腺に過ぎない。都議選の結果がたとえ悪くても、必要以上にくよくよするのはいかがなものか」と発言、一部の男性議員から「おまえたちにオレの悩みがわかるものか」と猛反発を受け、すぐに発言を撤回する場面もあった。

2009/07/12


閣議中にめまい、閣僚数人を救急搬送

 6日午前中に開かれた閣議の途中、佐藤総務相、森法相、中曽根外相ら数人が突然「気分が悪い」「めまいがする」「吐きそう」などと体調不良を訴えて退席し、そのまま千代田区内の病院に救急車で運ばれ応急手当を受けた。いずれの閣僚もすぐに健康を回復し、昼ごろには職務に復帰した。

 突然の体調不良の理由は不明だが、石破農相は「メリーゴーランドが高速回転しているような気分だった」と語っている。麻生首相が求心力を失ったのに続き急速に遠心力を強めていることに、閣僚たちの三半規管が順応できなかったのではとの見方が、都内の耳鼻咽喉科医の間で強まっている。

 安倍、福田の各内閣では末期に求心力低下が伝えられたが、それでも退陣時に加速度換算で0.2ミリ毎秒毎秒程度の求心力を保っていた。麻生内閣の求心力はもともと「限りなくマイナスに近いプラス」(首相経験者)とみられており、鳩山由紀夫民主党代表の政治資金問題が表面化したことを受け、内閣発足以来久しぶりに10ミリ毎秒毎秒の大台を突破するのではないかとの楽観的な見方も出ていた。すでに求心力から遠心力に転じていたとすれば、都議選や総選挙への影響は必至だ。

 今後も遠心力増大が続けば、遠心分離効果で東国原宮崎県知事らとの連携を目指す模索する若手・中堅国会議員の動きが強まりそう。一方で当の麻生首相は、ぶら下がり取材のなかで「逆回転すれば遠心力を求心力に変えるのは簡単。そうは思いませんか」と、いつものように記者に反問し、平静を装っている。

2009/07/06


コツコツ型、進む二分化

 上智大学の上川譲教授(心理学)らが行った調査で、従来は「コツコツ型」に分類されていた性格類型が、2つのタイプに分化しつつあることが明らかになった。不況のなか新社会人や求職者の堅実志向が強まっているといわれるが、状況はそれほど単純ではないようだ。

 派手さはないものの地道な努力を続ける性格は従来「コツコツ型」と呼ばれてきた。昨年夏から冬にかけて20〜25歳の青年1400人余りを対照に行われた調査で、この性格に該当した人は32%と、5年前と比較して7ポイント増加した。リーマンショック以降の不況で不確実性が増し、派手な成功よりも堅実さを追い求める傾向が強まっていることが影響したようだ。

 ところが詳細な分析の結果、コツコツ型のなかには地道な努力はするものの、周囲と微妙に努力のタイミングが異なるグループが存在することが判明した。その数は広義のコツコツ型の約3分の1。上川教授が新たに「ツコツコ型」と名付けた集団だ。

 「コツコツ型ががんばっているときには一歩下がり、コツコツ型が休んでいるときこそ努力するのがツコツコ型の特長。価値観が著しく多様化した90年代、そして2000年代を経た社会にあっては、コツコツ型にすべてが集約されるわけもなく、コツコツ型との間に適度な距離感を保つツコツコ型が派生したのかもしれない」(上川教授)

 上川教授らは、尊敬するミュージシャンを問われたツコツコ型の多くが「ボブ・マーリー」と答えている点に注目している。

2009/06/23


臓器移植法改正、グラビア業界に波紋

 臓器提供の拡大に道を開く臓器移植法改正案が衆院を通過したことを受け、セクシーグラビア業界は商品内容の見直しと自主規制に向けた検討作業に開始した。参院可決までには新たな業界ルールを定める方針だ。

 セクシーグラビア事情に詳しい大川澄子弁護士は、「脳死が人の死として認められた以上、裁判所が『悩殺は人の殺』との判断を示すのは時間の問題。悩殺された読者が損害賠償を求めて民事訴訟を起こす可能性もある」と警鐘を鳴らす。

 脳死と異なり、悩殺については明確な判断基準は設けられていないが、はち切れんばかりのビキニに身を包んだバスト85以上、ウェスト58以下、ヒップ85以上のモデルがカメラに臀部を突き出しながら砂浜に膝と肘をつき、こちらを向いて物欲しげな表情を浮かべている様子を収めた写真は、殺人2人分に匹敵するとの見方が刑法学者の間では有力だ。

 出版各社が写真集や週刊誌のグラビアページの見直しを迫られるのは必至。これまで違法すれすれの過激な内容の写真集で売れ行きを伸ばしてきた一部の出版社は、表現の自由を侵害するものと今回の法改正に反発を強めているが、これらの写真集が「大量殺戮兵器」とみなされ、多国籍軍の攻撃の標的になる可能性もある。

2009/06/19


アニメの殿堂、構想を抜本的見直し

 自民党と公明党は補正予算案のうち、建設費117億円は無駄遣いとの批判が野党から出ている国立メディア芸術総合センター(通称「アニメの殿堂」)の計画について、内容を抜本的に見直すことを決めた。

 政府高官によれば、同センターの建設を主張していた麻生太郎首相も、次第に強まる批判を重く見て、ハコモノ施設ではなく、予算規模を大幅に縮小したうえで「殿堂のアニメ」を政府主導で制作するよう指示したという。

 これを受け文化庁では脚本家数人を集め、すでにストーリー作りに着手した。往年の名選手を顕彰する野球、ロボット、モータースポーツ、サッカーなどの殿堂が登場する群像劇とすることはすでに決まったが、描写の方法についてはスポ根もの、魔法使い少女もの、小動物もの、学園武闘もの、青少年向けお色気ものなどさまざまなアイディアが浮上しており、いまのところ流動的だ。

 アニメ評論家の人見輝氏は、「通常の殿堂だけでは登場人物の幅が狭すぎる。ストーリーに『激安の殿堂 ドンキホーテ』をどうからめるかが、作品の出来や日本の対外的なイメージを大きく左右するのではないか」との見方を示している。

2009/06/17


セミの鳴き声、脳内の炎症が影響

 和歌山大学の松浦淑子教授(昆虫学)らの研究グループが、セミの鳴き声と、セミの脳内で発生している炎症の種類の間に密接な関連があることを突き止めた。英の学会誌ジャーナル・オブ・エントモロジーで近く発表する。

 松浦教授によれば、セミの脳内では炎症が起きていることが多いが、その種類はセミの種類によりさまざま。アブラゼミの脳の炎症部位に電極を挿入して、微少電流を音声に変換すると「ジジジジジジジジジ」と聞こえるという。クマゼミは「シャシャシャシャシャシャシャ」、ミンミンゼミは「ミンミンミンミンミン」。いずれのセミについても、脳内で鳴き声に近いかたちの痛みが発生している可能性が大きい。

 「私たちも頭痛のときには黙っていられずに、家族や友人に『頭がガンガン痛い』『キリキリこめかみが痛む』と言ってしまうもの。セミが同じ理由から痛みを鳴き声に託したとしても不思議ではない」(松浦教授)

 研究者グループがセミを捕獲し、アスピリンを薄めた液を体内に注射すると、どのセミも鳴くのをやめたという。逆に大量の日本酒を注射したセミは、その直後こそ気持ちよさそうに鳴いていたが、翌朝には「ガンガン ガンガン ガンガン」と、しばしば嘔吐しながら鳴くことが確認された。

 ほとんどのセミが頭痛を抱えている理由は謎だが、和歌山市内の開業医、田中明雄さんは「数年から十数年、地面の下にこもりっぱなし。突然明るいところに出てきて、体調がおかしくならないほうが不自然」と、幼虫時代の過ごし方に問題があるとの厳しい見方を示す。

 セミの鳴き声は典型的な夏の風物詩だが、この研究結果が日本人の季節感を根底から覆す可能性もある。動物愛護活動家らからは、「すべてのセミを救うのが無理としても、せめてツクツクホーシツクツクホーシツクツクホーシ型頭痛に悩む個体だけでも救ってあげられないか」といった声が出はじめている。

2009/06/12


おいしいコーヒー、「時計回り」が条件

 ロシア科学アカデミーのモスクワ物理学研究所が行った調査で、手動ミルを使ってコーヒーをいれる場合、ハンドルを時計方向に回転するほうが、反時計方向よりも香り・味とも優れているとの結果が出た。長年、コーヒー党素粒子物理学者の間で繰り広げられてきた回転論争に一石を投じそうだ。

 この調査では1281人の被験者に時計回り、反時計回りで豆を挽いたコーヒーを目隠しして飲ませ、どちらが好きかを尋ねた。時計回りを選んだ人は28%、反時計周りは19%、よくわからないが53%だった。同研究所のウラジミール・プリコフ所長は「素粒子間ではたらく弱い相互作用は左右非対称であるため、回転方向によってコーヒーの味が微妙に変化することは、理論的には1960年代から予言されていた」と説明する。

 コーヒーの粉をセットしたドリッパーにお湯を注ぐさいの方向はどちらがいいかについても調査が行われた。その結果は時計回りが18%、反時計回りが12%、よくわからないが70%。ここでも時計回りに軍配が上がったかたちだ。

 コーヒーは通常の方法で飲むほうが美味しいと答えた人が24%だったのに対し、逆立ちしながらストローで吸い上げるほうが好きと答えた人は36%に達した。「立ってコーヒーを飲むと、コリオリの力が働いてコーヒーが反時計回りに渦を巻きながら食道を流れ落ちていくため、わずかながら雑味が交じる」との通説が、初めて科学的に裏付けられた。

2009/06/11


「千差万別」は差別用語

 国語審議会は6日に開いた差別用語判定会で、「千差万別」が差別用語に該当するとの判断を初めて示した。マスコミ各社や政府、自治体などは他の表現への言い換えを迫られそうだ。

 「差」と「別」を含む四字熟語である「千差万別」については、差別用語に該当するのではないかとの声が以前から上がっていた。「千」と「万」の組み合わせも、「千軍万馬」「千言万語」「千姿万態」など数が多いことや程度のはなはだしいことを意味する。審議会のある委員は「差別の対象が明確でないとはいえ、千差万別が最大級の差別用語であることは間違いない」と指摘する。

 審議会では「千差万別」という言葉が社会で広く使われていることから、経過措置として「百差千別」「十差百別」といった表現を段階的に導入し、10年後をめどに全面禁止に踏み切るよう求める声もでたが、「差別的な響きは変わらず、早急に厳しく規制すべき」との声に押し切られた。

 急進的な審議委員からは「そろそろ『差別』という言葉そのものが差別的かどうか検証する段階に来ている」との意見も出ているが、「差別」という言葉や概念を回避しつつ、それが差別用語と断定するには「ソレって、なんだかアレ」式の議論に陥りかねず、審議会の手腕が試されそうだ。

2009/06/10


宇宙戦艦ヤマト、新エンジンを搭載

 年内に公開予定の新作アニメ映画「宇宙戦艦ヤマト」に、ハイブリッド・エンジンが搭載されることが明らかになった。トヨタ自動車がエンジン換装を条件に制作費の一部を負担する。21世紀の自動車産業を大きく左右すると言われるハイブリッド技術が、23世紀にも影響を及ぼし始めた。

 1974年に初めてテレビアニメが放送され、その後何度かテレビや劇場版映画が制作された宇宙戦艦ヤマトシリーズでは、一貫して「波動エンジン」がヤマトの動力源となっていたが、科学的な合理性を持たない架空の技術との批判は最初にアニメ化されたころからあった。一方、ガソリンとモーターを組み合わせたハイブリッドは約10年前に実用化されており、リアリティは十分。環境負荷も軽く、ハイブリッド化を契機にロハス派の間でもヤマトへの関心が高まりそうだ。

 エンジン換装に伴い、ヤマトの主力兵器も波動砲からハイブリッド砲に交代する。高出力、高エネルギー効率、静粛性がハイブリッド砲の特長だが、頻繁な発射が宇宙環境に悪影響を及ぼすおそれもあることから、新作映画の劇中では発射前に環境アセス委員会が有識者の意見も聞いたうえで慎重な審査を行い、希少生命体の保護対策を十分に講じたうえで運用を行うことになりそうだ。

 トヨタでは最近発表したばかりの新型プリウスについて、家庭用の交流電源からの充電もできる「プラグイン型」の開発を続けている。ヤマトも2年後に公開予定の続編では、一度の充電で大マゼラン星雲までの航行が可能になるとみられている。

2009/05/29


民主、二重まぶた世襲の禁止を提唱

 民主党は議員立法で二重まぶたを親から子へと世襲することを禁止する方針を固めた。党のマニフェストに盛り込み、総選挙に向けて連立与党への攻勢を強める考えだ。

 衆議院事務局によれば、与野党の衆議院議員480人のうち二重まぶたは122人(整形手術によるものを除く)。このうち自民党が70人を占めている。122人のうち76人は両親がともに二重、46人はどちらかが二重だった。「本人が努力することなく、親から二重まぶたを受け継いだにすぎない」との民主党による指摘を裏付けたかたちだ。

 共産党や社民党からは「二重の親子議員がいるという点では民主も自民も大差ない」との声もあがっているが、民主党では「親が右目二重の片重の場合は子が左目二重の片重になるなど『まぶた替え』を行っている場合がほとんどで、世襲にはあたらない」と説明している。

 一部の政治評論家は「ハゲやデブ、ハマコーの外観の世襲は野放しでいいのか」と、二重まぶた世襲だけをやり玉にあげる民主党の姿勢に疑問を示す。一方、麻生太郎首相は「総理大臣の座と国会議員のバッジ以外、祖父からは何も受け継いでいない」と語り、世襲批判などどこ吹く風だ。

2009/05/25


いつまで続く? 上場企業の減益増嘆

 3月期の業績発表が続く株式市場。減収、減益、人員削減、生産規模の縮小など「右肩下がり」のデータが氾濫するなかで、突出したデータがある。「前年比13.5%増」。株式市場関係者、経営者、そして投資家が吐き出す二酸化炭素の量が急増しているというのだ。

 14日の定例記者会見。二階俊博経済産業相は、ストローを刺したコップを片手に会見場に現れた。記者から経済危機が今年の温暖化ガス排出量に与える影響について尋ねられると、表情を一瞬曇らせたあと、ストローをくわえてため息をつき、ぶくぶくと泡を立てた。

 経産省幹部を通じてストローの使用を二階氏に強く働きかけたのは、長野市に本拠を置くNPO法人、緑の地球を考える会だった。「ため息を我慢するのは難しい。それならため息の二酸化炭素が大気中に放出されるのを防ぐべき」と野木良久事務局長は説明する。

 考える会によれば、ストローを通して水中でため息を吐けば、二酸化炭素の約半分が水に吸収される。排水口で捨てられた水は下水や浄水場を通じ、最後は海に流れ込み、地球温暖化で放出量が増加している海洋中の二酸化炭素を補う。ストローは先端を折って塞ぎ、先端に近い部分に針で多数の小さな穴を開け、水は5度以下に冷やしておくと一層効果的だという。

 一部の企業は考える会の呼びかけに応じ、コップの水とストローを用意してから業績発表に臨んでいる。数十秒にわたるため息のあと、すぐに泡が消えてしまったのを見て、数千億円規模の泡を膨らませた90年代前半が懐かしいと力なく笑う不動産会社の副社長もいた。

2009/05/15


世界経済の分岐点──デフレか、インフレか

 ニューヨーク・マンハッタンの書店。平積みされた本を、周辺のオフィスビルで働くビジネスマンたちが次々と購入していく。"SEIHIN - Honorable Poverty" 中野孝次の1992年の著書、『清貧の思想』を翻訳したこの本は昨年秋の発売以来、230万部を売るベストセラーとなった。物質的、金銭的な豊かさではなく、精神的、内面的な幸福を尊ぶべきだというこの本の主張にアメリカ人の多くが賛同する。

「率直に言って、『清貧の思想』に感銘を受けてしまったことを、私は日本人に謝らなければならない」。かつて日本の経済政策を鋭く批判した経済学者、ポール・クルーグマンでさえ、こう語る。

 しかし、清貧礼賛の風潮はデフレ時代の前兆ではないのか……。

 「餃子の王将のアメリカでの出店は認めない」──上院経済委員会が7日、全会一致で決議を採択した背景には、日本型デフレがアメリカ経済の回復を遅らせることへの強い危機感がある。日本の深刻な消費マインドの冷え込みのなかでも餃子の王将は手軽な価格が人気を集め、創業以来最高のペースで売り上げを伸ばしているが、外食産業における値下げの潮流の先頭に立っているのも事実。「餃子の王将がアメリカ本土に6ヶ2ドルの餃子を上陸させれば、トヨタやソニー、いや日本陸軍の上陸よりも恐ろしい」とルイス・ランブレナー上院議員(共和党)は懸念を示す。

 連邦準備制度理事会(FRB)はすでに公定歩合をゼロに近い水準にまで引き下げた。ところが景気浮揚の兆しは見えず、物価指標などの統計を見る限り、米国経済はむしろデフレへと一歩一歩近づいている。バブル崩壊後にゼロ金利政策の採用を余儀なくされ、その後約10年にわたりデフレから抜け出せなかった日本の失策の再現だ。

 コラムニストのピーター・ハーディング氏は7日付のワシントンポスト紙上で「日本と同じ政策なら日本と同じデフレに陥り、経済規模がどんどん縮小していくのは明らか。インフレ型政策の模範を探すべきではないか」と問いかけた。デフレになるくらいならインフレのほうがまし、といった考えはエコノミストの間でも根強い。政策金利がゼロになればデフレに対しては打つ手がないが、インフレに対しては政策金利を無制限に上げることができるからだ。

 8日のニューヨーク証券取引所でダウ平均株価が一時前日の終値よりも200ドル以上、上げたのは「空席となっているFRBの理事に、ジンバブエのムガベ大統領が任命される」との情報が流れたためだった。その後FRBが「現時点ではまだ何も決まっていない」と発表したものの、市場の過敏ともいえる反応はデフレに対するムガベの神通力がまだ衰えていないことを如実に示した。

 ムガベ待望論が噴出しているのはアメリカだけではない。ようやく脱した「失われた10年」に再び逆戻りしようとしている日本、アイスランドを筆頭に多くの国で物価下落が始まったEUも、デフレ退治のための新しい武器を必要としている。アメリカドルだけに基軸通貨としての役割を与えるプレトンウッズ体制が機能しなくなったいま、通貨に新しい価値の裏づけを与える「ジンバブエドル本位制」の構築が現実味を帯び始めているのだ。

2009/05/10


若返りスキンケア、効能試験合格は「ゼロ」

 日本スキンケア協会が実施する若返りスキンケア商品の効能試験、SKTの申請・合格件数が08年度も「0」だったことが明らかになった。4年間にわたり続く「ゼロ行進」に、協会関係者は首をかしげている。

 化粧品業界では多くの業者が若返り効果を標榜する商品を販売しており、新聞折り込みのチラシやインターネットに使用前、使用後の写真を掲載。「しわ、たるみ、毛穴、しみ、くまがきれいに消えた」「65歳からまるで20代に。1週間でみるみる若返った」「若い恋人ができて人生を謳歌している」といった宣伝を展開しているが、消費者からは他の商品と効能の比較ができないためわかりにくいとの声が上がっていた。

 こうした声に応えるかたちで、日本スキンケア協会がSKT(Sugai Kin Test)と呼ばれる効能試験のしくみを整えたのは05年のこと。無名のモデルや主婦ではなく、女優の菅井きんさんを被験者に起用し、商品の効能を厳密に測定する方法だ。若いころから日本を代表する老け顔女優の座に君臨してきた菅井さんを若返らせることができれば宣伝効果は絶大で、業者からの申し込みが殺到するとみられていたが、これまで1件の問い合わせすらないという。

 ある業者の関係者は匿名を条件に「菅井さんが当社の深海バイオコラーゲンカプセルを1日3錠飲めば、20代に間違えられるようになるのは確実だが、女優の仕事を失わせるのは忍びないので」と釈明する。しかし菅井さんは05年のSKT制度の開始時に「女優生命を賭ける」と明言しており、代表作・必殺仕事人のプロデューサーも、新たなストーリー展開も考えられるとして菅井さんの大幅な若返りに期待感を示す。若返りを妨げる要素はなく、業者がなにを懸念しているのかは謎だ。

 なお、別の業者はやはり匿名を条件に、「まずはアドビのPhotoshopクリエーター能力試験に全力を集中したい」と説明し、SKT受験に慎重な姿勢を示している。

2009/05/05


Report 憲法はいま
9条だけじゃない、改憲の焦点

 日本経済調査センターが憲法記念日にあわせ、「憲法問題についての提言書」を発表した。国民の関心が高い9条の改正の是非を棚上げする一方で、25条1項を改正すべきとの方向を明確に打ち出したことが注目を集めている。

 憲法25条1項は、いわゆる「生存権」についての規定。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定め、一定以下の貧困に甘んじている人がいる場合、政府に是正を求めている。この条文が想定しているのは、最低限度の生活に甘んじている人だけだった。

 経済危機で日本の行く末に暗雲が垂れこめるなか、経済学者や労組、非正規労働者の間に急速に広がっているのは、ミドルクラスや毎晩ゴージャスライフを享受している階層を、野放しにしておいていいのかという疑問だ。

 「最低限度以下の生活を強いられている人が急増しているのは、少数の人間が最低限度よりも著しく高い生活を享受して、富の不均衡が拡大しているからではないか? 国民すべてが等しく最低限度ちょうどの生活を受け入れれば、少なくとも最低限度以下の人はいなくなるはずだ」(NPO支援の和ネットワーク理事長 衣川誠氏)

 日本経済調査センターの提言書にも、このような見方を背景に、25条1項の具体的な改正案が盛り込まれた。

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む義務を有する」

 現行条文の「権利」を「義務」に置き換えただけだが、意味は根本的に違ってくる。最低限度以下の生活をしている国民には自助努力を、最低限度以上にいる国民には最低限度までの引き下げを求める内容だ。憲法学者の間では、この条文に照らせば自宅でのバスローブ着用はもちろんのこと、コッカースパニエルの飼育や、夕食の「もう一品」も違憲になるとの見方が有力だ。

 年2兆円――日本の生活保護費給付総額は今年度、大台を突破する見通しだ。景気振興策の大盤振る舞いで財政赤字は記録的な水準に達している。「最低数年のうちに国家財政の破綻が現実味を帯びてくる。唯一の回避策は、みんなが最低限度の生活で我慢すること」と、提言書の起草作業にかかわった京都大学教授の山崎重雄氏は説明する。

 まったく違う角度から25条1項の改正に賛成するのは、気象変動予測協会の天野隆上級研究員。「中流階級以上はエネルギー効率の高い技術を導入して地球にやさしい生活をしたつもりになっているが、そういう技術がエネルギー消費の免罪符になっている。CO2削減のためには、新しいテクノロジーよりも最低限度の生活のほうが有効だろう」

 一方で、改憲に反対する声も根強い。25条1項改正のためには、このような声をくみ上げたうえでコンセンサスを形成すること前提条件となりそうだ。

「最低限度の生活を国民が広く共有するなら構わないが、健康な生活を強いられるのは19条の保障する思想の自由と矛盾することになり、到底受け入れられない」(不健康生活にこだわる全国ネットワーク代表、蓑田隆氏)

「『ぶんかてき』ってどーいう意味なんだよ? おいっ」(巨大リアウィング装着ハイエースオーナー連絡協議会事務局長、成瀬三郎氏)

2009/05/03


限界集落が安全性をアピール

 過疎化が進み、限界集落の典型と言われた岩手県曽下村が「日本一安全な村」として巻き返しを図っている。国内有数の人口密度の低さを逆手にとり、健康への関心の高い家族に移住を呼びかけていく方針だ。

 佐田徳次郎村長によれば、曽下村で10人以上の人混みが観測されたのは1989年、佐田村長自身が初当選を果たしたさいの祝賀パーティーを村の中心部にある公民館で開いたのが最後。以来、村長選はほかに立候補者がいないため佐田氏の無投票当選が続いており、祝賀パーティーも開かれていない。

 明治時代から1980年代中盤までは村立小中学校の合同運動会が、児童や生徒、教職員、父母だけでなく村民の多くが参加するコミュニティ最大の行事だったが、急速な高齢化で85年に小学校が、88年に中学校が廃校になり、運動会の歴史も途絶えた。

 国の補助で82年から翌年にかけ、村の南側で土砂崩れ防止の地盤補強工事が行われたことも、人混みが減る一因となった。村で生まれ育った三上シゲさん(92)は「昔は強い雨が降るたびに、みんなで公民館に避難したのに」と当時を振り返る。

 曽下村では渡り鳥の飛行ルートからはずれており、最寄りの国際空港まで車で3時間以上がかかる。村の北側に広がる広大な山林にはイノシシが生息しているが、撒き餌にタミフルを混ぜるなど対策は万全だ。

 村役場が曽下村の安全性をホームページでアピールしたところ、東京都内の5人家族が移住を決意。30日に自家用車で村に到着した。出迎えた村長は「村をあげて歓迎します。どうか安心して暮らしてください」と、300メートル離れたところからハンドマイクのボリュームを最大にして呼びかけた。

2009/05/02


テレビの平面的描写、空間認識に影響

 日本民間放送連盟が20代の男女4110人を対象に行った聞き取り調査で、人気ボーカルデュオ、コブクロに所属する2人のメンバーの身長がほぼ同じであることを、98%の人が知らないことが明らかになった。液晶やプラズマなど平面的なテレビの急激な増加が、若い世代の空間認識を歪めていることが浮き彫りになった。

 コブクロはテレビに出演するさい、サングラスをかけている男性がカメラに寄り、もう一人が後ろに立つ。サングラスの男性のほうが背が高く見えるが、これは錯覚だ。奥行きのあるブラウン管テレビでは前後の位置関係が分かりやすく、2人の身長も正しく認識されるが、平面的な薄型テレビでは2人が左右に並んでいるように見えるため、誤認識につながりやすい。すべてのテレビがブラウン管を搭載していた昭和60年のオール阪神巨人についての設問で、正解率が87%だったのとは対照的だ。

 アグネスラムさんのテレビ映像に魅力を感じた人の比率は3%と、昭和48年の調査時の87%を大きく下回った。テレビ業界の関係者の間では、平面的な表示装置に映し出されることで、凹凸に富んだグラマラスな姿態の魅力が大幅に削がれてしまったのが原因との見方が強まっている。

 昭和40年代、一世を風靡した谷啓さんの定番ギャグ「ガチョーン」についての質問では、谷さんの手がブラウン管の外から奥に引き込まれるように見えたことを知っている人がほとんどいなかった。その一方で「『テレビをすぐ近くで見ていたら、谷さんに頭をつかまれて、危うくテレビの中に引っ張りこまれるところだった』と親に聞いたことがある」などと回答した人も4人いた。

 テレビ評論家の小松川辰夫さんは「アナログ放送の停止が迫り、猛烈な勢いで平面テレビが増えている。奥行き表現が物理的に難しい平面テレビの特性を考えれば、ブラウン管のテレビに慣れ親しんだ世代も、遅かれ早かれ薄っぺらな描写方法に慣れなくてはいけないのだろう」と語る。ブラウン管の中央ラインから左に45度移動すれば、滝川クリステルが正対してくれる──そんな常識もアナログ時代の終焉とともに過去のものとなりそうだ。

2009/04/26


東北大学、英語名称を変更へ

 国立大学法人東北大学(仙台市)は英語名称を「Tohogu University」に変更することを、22日に開催した役員会で正式決定した。文部科学省も認可する見通しで、早ければ来年以降、英文で発表される論文には新名称が記載される。

 東北大学の英語名称については東北各県の住民や知事会などから、「Tohoku」は明治時代に新政府から押し付けられた発音であり、現地語に近い「Tohogu」に変更してほしいとの要望が寄せられていた。大学事務局が学内での発音状況を調査したところ、学部1年生では92%が「Tohoku」と発音していたのに対し、4年以上在籍している学生、院生、教職員は96%が「Tohogu」派。英語表記と発音の違いのために東北大教授が海外で開催された学会で入場を拒否されるトラブルも発生しており、学内でも見直しの機運が高まっていた。

 固有名詞の変更としては、ミャンマー(旧ビルマ)、ムンバイ(旧ボンベイ)などの前例があり、最近ではグルジアもロシア語に近い読み方を嫌って、国際社会に英語風の「ジョージア」を採用するよう呼びかけている。現地語に近い発音は時代の流れだ。

 国内の教育・研究機関では東北大のほかに名称見直しの動きは広がっていないが、名古屋大学だけは設立時から現地語を正確に反映した英語名称として「Nagoya Univiiiiaaasity」を採用している。

2009/04/25


Yシャツの透過性基準を策定へ

 アパレルメーカーや紳士服量販店などで作る日本Yシャツ協議会は、Yシャツが透けて個人情報が漏えいする事件が相次いでいることに対応し、今年夏をめどに白いYシャツの透過性について業界ルールをまとめることを決めた。

 この問題については、法務大臣の諮問機関である人権擁護推進審議会委員が先月、「Yシャツの下に何を着ているかは重要な個人情報であり、ランニングや派手な柄のTシャツを中に着ていることを職場で若い部下に嘲笑されるのは、人権侵害にあたる」との中間報告をまとめており、業界の出方が注目されていた。

 業界ルール策定に先立ち、近くメーカー各社からは透過性を下げたYシャツが発売される見通し。「低透過性」のYシャツは生地の裏側に、税務署から届く封筒に似たランダムな模様が印刷され、「無透過性」の商品については、裏側に金属箔が貼り付けられることになりそうだ。

 Yシャツ業界の動きを歓迎するのは、地方公務員の島原和夫さん(52)。

 「3年前、家内が海外旅行でおみやげに買ってきた『我愛香港』のロゴ入りTシャツを肌着代わりに来て出勤したときの屈辱は一生忘れない。透過性の低いYシャツさえあれば、この連休に妻が買ってくるはずのインドの象の神様Tシャツでも不安なく出勤できそうだ」

2009/04/24


真夜中の人間模様
斉藤食材店

 深夜1時、閉まりかけたシャッターの下をくぐるようにして、ジャージ姿の女が店に駆け込んできた。スタンドも下ろさずに横倒しにされた自転車の後輪が、店先で回り続けている。

 「すいません。すぐ買って帰りますから」

 肩で息をしている女に、店主の斉藤範明さんが優しく話しかけた。

 「いいんだよ。納得できるものを、ゆっくり選びなよ」

 紅潮した女の頬には、涙の跡が残っていた。とうに終電の時間は過ぎている。寂しさに耐えられなくなり、泣きながら自転車を何キロも漕いできたのかもしれない。

 10分後、女は両手で抱えるように、選んだ商品をレジ前の台に置いた。決心の強さに比例するような大きな音がした。タバスコ1ガロンボトル入り、6000円。通常の小瓶入りタバスコの60倍以上の量だ。

 斉藤さんは代金を受け取ると、客の代わりに商品を抱え、自転車を起こし、買い物カゴにそっと入れた。

「帰り道、気をつけなよ。辛いことがあったら、またおいで」

 涙の跡はそのままに、女は笑顔を浮かべ、小さな声で「ウン」と答えてから、勢いよくペダルを漕いで夜の街へと消えていった。

* * *

 斉藤食材店――業務用食材を専門に取り扱うこの店を斉藤さんの父が開いたのは、昭和42年のことだった。当時、このあたりには中小、零細の工場が途切れることなく軒を並べていた。たくさんの労働者が住み込みで働いていて、彼らが空腹を満たす安い食堂もたくさんあり、店は繁盛した。店舗の奧にある広さ4畳半程度の事務室の壁では、一緒にハワイを訪れた斉藤さんの一家4人と3人の従業員の色あせた写真が、額縁に収まっている。

 7人が最初で最後の社員海外旅行に出かけた昭和54年が、斉藤食材店の絶頂期だった。その後、近所の工場は市が郊外に造成した工業団地に次々と移転していき、跡地には「管理地」の看板と鉄パイプの囲いだけが残された。ちょうど同じころ、東京の大手がこのまちに進出して、斉藤食材店の仕入れ値よりも安い販売価格を武器に長年の得意先を奪っていった。

 年号が平成に代わるころ、2代目として商売を継いだ斉藤さんは「業務用食材」の看板の上に、同じ大きさで「個人客歓迎」という看板を付け足した。空き地を埋めるように建てられたマンションは共働き世帯が多く、買い物は週に1〜2回。斉藤食材店は大量の食材を安く買える店として息を吹き返した。ヨーロッパやアジアの業務用食材も仕入れて、「玄人の店」の雰囲気を強調したことも、グルメを自認する若い夫婦に受けた。高度経済成長期のような大儲けはできなかったが、2人の息子を育て、大学を卒業させるのに十分な収入を得ることはできた。

* * *

 忙しいが満ち足りた生活は、突然終わった。

「年金もあるしね。この土地を売れば、贅沢はできないかもしれないが、おまえの故郷の徳島で小さな家でも買って、のんびり暮らせるんじゃないか。そう切り出そうかどうか、迷っていたときだったんですよ。言えば喜んでくれたのかなぁ」と、斉藤さんは唇をかむ。

 家庭でも店でも斉藤さんをよく支えてくれた妻は、3年前に心筋梗塞に倒れ、59歳で帰らぬ人となった。店と、予定の描けない未来だけが斉藤さんに残された。

 店をやっていてもしょうがない。かといって、店を畳んでもやることがない。抜け殻のようになりながら、惰性で店を営んでいた斉藤さんはある日、いつのまにか客層が変わっていることに気がついた。それまでの主婦や飲食店の関係者に代わって、若い女が主流になっていた。大口の食材とは縁のなさそうな人たちばかりだ。しかも、その多くは沈痛な表情を浮かべながら店に入ってくる。品定めをしながら、突然しゃがみこんで嗚咽を漏らしはじめる人もいた。それなのに、大きな商品を抱えてレジに並ぶときの表情は晴れ晴れとしていた。

 長い間、客に明るく挨拶はしても、自分から客の私生活には足を踏み入れないという主義を守ってきた斉藤さんだが、小柄な女性が冷凍餃子500個入り1箱(1万2500円)を購入したときには、質問をどうにも我慢できなかった。

「なにがどうなっているんですか?」

「ブログで読んだんです」

「ブログってなんなの?」

* * *

 「セイ子のカフェオレ」と名付けられたブログで、ブームの火付け役となったその書き込みをいまも読むことができる。

 その直前までブログは幸せの言葉で満たされていた。少女のころから描いていた理想にぴったりあてはまる男との出会い、初めてのデート、男からのクリスマス・プレゼント、旅行、同棲。「おいしいね」の一言が聞きたくて、手作りのスウィーツによく合うカナダ産のメープルシロップを探し求めて、店から店へと訪ね歩いたこと。高級輸入食品の専門店でようやく見つけたこと。小走りしてレジに並ぶと、翌日の夜にスウィーツを食べてくれるはずの男がいたこと。自分がクリスマスにもらったのと同じヴィトンのバッグを持った女の腰に、男が腕を回していたこと……。

「ああ、もう全部終わりだって。恐怖とか恨みとか、なんにも感じなかった。ただ死にたいって、それだけ。どこをどう歩いたのかぜんぜん覚えてないけど、気がついたら業務用の食材を売っている店の前にいた。わたしは子どものころから、強いピーナッツアレルギーで、気がつかずに友だちの家でたくさんピーナッツバター食べて、ほんとに死にかけたことがあったから、1キロとか2キロとか、一度にたくさんのピーナッツバターを食べれば、簡単に死ねるってわかってた。

「店に入ったら、寂しそうなおじさんがひとりで店番してた。ピーナッツバターの大きいのありますかって聞いたら、奧の棚の一番上にありますっていうから、そっちに歩いていったら、隣の棚に私がついさっきまで探してたのと同じメープルシロップがあったんだ。わたしが必死になって探してたのは食卓のしょう油瓶くらいのサイズだったけど、そこには同じメーカーの5リットルペットボトル入りのメープルシロップが、何本も並んでた。

「笑っちゃった。メープルシロップって、なんとなく小ビンのイメージがあるから、意表を突かれたって感じ。あんなに探してもなかなか見つからなかったものが、こんなに堂々と並んでいるのも意外だった。見回したら、青のりとか、納豆のタレとか、七味とうがらしとか、粒マスタードとか、全部とんでもないサイズだった。あたりまえだよね。業務用なんだから。

「そしたらなんだか、自分がいまどういう場所にいるのか、ちょっと冷静に考えられるようになったんだ。男には裏切られたけど、たくさんの友だちや家族や同僚はわたしに優しいし、わたしの価値が変わったわけでもないんだって。理想の男だと思ったけど、わたしの一生をめちゃくちゃにさせるほどの価値はないんだ。

「メープルシロップを5リットル買って帰った。テーブルの真中において眺めているだけで、甘くて香ばしい液体が、ココロに開いた大きな穴を満たしてくれるような気がしたんだ」

* * *

 このブログに共感を覚えた多くの読者がコメントを寄せた。複数の掲示板やニュースサイトでも取り上げられ、ネットの世界で斉藤食材店は「大ロットの食材で心を癒せる聖地」として有名になり、心に痛手を負った女たちが集まるようになった。

 客層の変化の理由を知らされた斉藤さんだが、営業時間を午後3時から深夜3時までに変更した以外は、とくに商売の方法を変えたわけではない。客のほうから相談されなければ、悩みの理由を尋ねたりはしない。

 だが、店に入ってきたときの伏目がちな様子が出会ったころの妻に似ていたからなのか、3週間ほど前から何度か姿を見せている長い髪の女が再びやってきた夜、斉藤さんは少しルールを変えた。醤油コーナーに立ち尽くし、小刻みに肩をふるわせる女の背中に向かって話しかけた。

「たしか、先週の金曜も来てたよね」

 急な問いかけに一瞬驚いた女は、その拍子に涙の堰が決壊したかのように、その場にへたりこんで泣き出した。斉藤さんは、なにも言わずしゃがみ込み、女が泣くのを見守った。10分後、しゃくりあげながら女が涙の理由を打ち上け始めた。

「その人、会社の上司だったんです。転勤で2年前に新潟に行っちゃったけど、金曜の夜は戻ってきてくれて、私がご飯を作って食べさせてあげたのに。『新潟で好きな人できたから、もう終わりにしよう』なんて。高血圧を気にしてたから、できるだけ薄味にしてあげたのに。こんな風にふられるってわかっていたら……」

 斉藤さんは何も言わず、女の目の前に陳列されている「業務用濃口醤油」の一斗缶を指さした。

 午前2時。さきほどまでの泣き顔が嘘のように、笑顔さえ浮かべた女は、一斗缶を3つ車に積み込んだ。斉藤さんに向かって手を振ってから、黄色い軽自動車に乗り込み、エンジンをかけた。

 煮物も照り焼きも炒め物も、これからはたっぷりと醤油をかければいい。寂しさに押しつぶされそうになる長い夜も、あの抱き枕があれば大丈夫だ。そして、いつかは濃口好みの新しい恋人を見つけてほしい。そう願いながら、斉藤さんは赤いテールランプと、車に入りきらずに窓から少しはみ出た、実物大ビンチョウマグロ型醤油チュルチュルの頭部が夜の街へと消えていくのを見送った。

2009/04/20


パイロット急死、乗客が操縦し着陸

 アメリカのフロリダ州で14日、小型飛行機を操縦していたパイロットが急死したが、乗客4人のうち1人が管制塔からの指示に従って無事に飛行機を着陸させた。乗客にケガはなかった。

 現地のマスメディアが伝えたところによると、乗客から無線で通報を受けた管制塔はすぐに機上で体力検査と視力検査を行うよう指示。合格した1人が操縦士候補に選ばれ、無線を通じて航空力学、エンジン・機体構造、航空関連法規、気象学などの集中講義が行われた。ほかの乗客がノートへの記入を手伝ったり、肩をもんだりして協力したこともあり、学科試験では辛うじて合格点を獲得した。

 その後、地上から教官が双眼鏡で見守るなか実地訓練が行われ、上昇、下降、旋回、タッチ・アンド・ゴー、宙返りなどの技術を取得した。実技試験でも見事合格。晴れてパイロットとして認められた乗客が操縦桿を握り、無事に着陸した。

 この乗客は「実技は思ったより簡単だったが、航空力学の講義がとても難しかった。テストであと4点足りなければ、パイロットの資格が取れないまま我々全員が死んでいたはず」と語り、胸をなでおろした。

2009/04/14


超低速回転型増設ディスクを発売

 パソコン周辺機器大手のバッファローは13日、超低速回転型外付け増設ディスクを発売した。アナログ・オーディオ世代に狙いを絞った仕様で、新しいニーズを開拓したいとしている。

 今回新発売されたHD-ANG1は、基幹部品となるドライブ装置に毎分33 1/3回転または45回転(切替可)の特注型を採用している。通常型の約200分の1の回転数しかなく、その分データの読み出しは遅いが、オーディオ再生用には十分。あえて0.1〜0.2%の回転ムラを残すことで、従来のデジタルオーディオ機器にはなかったマニア好みのテイストを加えた。

 再生時には自動モードかマニュアルモードを選択する。通常なら精密サーボモーターで制御しているディスク装置内部のアームを、マニュアルモードではユーザーが指先でつまみ、目的の音楽ファイルが記録されているトラックを狙って落とす。慣れるまでに時間はかかるが、聞きたい曲とその前の曲の中間にある無音データが記録された部分をヘッドが見事とらえたときの喜びは格別だ。ただし、このモードを選ぶとすべてのファイルの読み出しが終わったあともアームが元の場所に自動復帰せず、ディスクが回転を続けるので注意が必要。

 高齢者や熟年世代の間ではアナログレコードが見直されているものの、すでに所有するほとんどの音源がCDやMP3データなどデジタル形式になっている人も多い。デジタル音源をアナログに近い響きで聞かせるHD-ANG1の登場で、デジタルからアナログへの回帰が広がりそうだ。

 なお今月末には、静電気防止剤と同じ香料をスプレー噴射し、1970年代の雰囲気をそのまま蘇らせる専用のアロマキットも発売される予定となっている。

2009/04/13

センター試験受験生お手柄
携帯でミス防ぐ

東洋大・柏原を
新オリンポス神に認定

今年の漢字
受賞辞退の意向

マカオ商工会議所会長
「大王製紙は失敗例」

CERNが世紀の紛失?
既知の素粒子が行方不明に

そば原理主義者
うどん県からの分離独立を主張

大量フォロー中の
アカウントが値崩れ

「南極大陸」打ち切り?
どうなるタロとジロ

「平成って呼ばないで」
たいらせいさんが改元呼びかけ

技術史探訪
今日は何の日?

大手予備校が
新野球リーグ

ついに見つけた
「もうひとりの自分」

ダルのMLB移籍
「身内」に思わぬライバル

主要な偶数が
暴力団追放宣言

ボージョレ・ヌーボー
久しぶりの人気

米通商代表部
スポーツ規制も問題視

ナベツネの圧力
過去のコーチ人事にも

欧州大恐慌に備え
ベルリンの壁再構築

「寒っ」「すごっ」型表現
さらに広がり

ツイッターも
カラ改行に公式対応

日本語表記で中間報告
「ぬ」に濁音を追加

アボカド精製
新しい方法を提唱

ネクタイ業界の
命運握る「秘密兵器」

この夏の暑さ対策
体の真ん中から

日本将棋連盟が
タブレットPC発売

記憶力や思考能力
歳をとっても衰えず

霊感占い師が
不正アクセス?

シミュレーションで判明
天岩戸に開かないおそれ

羽根のない
風力発電所を建設

外務省が世界に
「省エネルック」説明

俳句短歌団体が声明
「字余りは安全」

ついに実現
ヨーヨーで「犬の散歩」

コンピュータ
宗教でも人間をリード

都立高校の大半
校歌に振り付け

横綱白鵬の独走
相撲協会の「怠慢」が原因?

蠅取り紙をめぐる
12人の証言

ランドセルに続いて
花束のプレゼントも

ひこにゃん論争
三つどもえの争いに

中国空軍
高性能対空レーダーも開発中

新座薬の主成分は
こんにゃくゼリー

プリウスに
新モデル追加

パリーグCS
最下位チームも参加へ

ビブラートが
消えていく

金正恩氏、
文学賞獲得が確実

巨人選手の高額年俸
サンデル教授が抑制

「おじさんに感謝」
ラップソングを募集

政府・日銀が
ドルの「ケア」に本腰

Windows XP
ついに販売終了へ

子猫取調べの
可視化を提言

「自分探し」する
カタツムリを発見

朝丘雪路さんの
偉業称える記念碑

日の丸親方が
廃業届を提出

「実は私が最高齢」
お年寄り名乗り出る

上野動物園のパンダ
ようやく決まる

不正輸出未遂容疑で
女子高生グループを逮捕

食べるために走る

ヒアルロン酸の
最年少記録更新

不正勢力の入場
阻止できるか

証拠メール削除
捜査の舞台裏

はやぶさカプセルから
「饐えた臭い」を検出

田中貴金属
食品精製事業に参入

国会中継も
中止の可能性

大ちゃん数え歌
300万ケタまで拡張

ワイプ画面を
超大型化

野球が変える
企業経営

ブブゼラになんて
負けない

はやぶさが待望の帰還
内部に小惑星の砂粒?

力士のギャンブル
野球賭博以外にも

45都道府県
それぞれの理由

証言

表現力が
医療を変える

食品使って
洪水対策

3億円の用途めぐり口論
夫に跳び蹴り

姫井参院議員を
オーディションに擁立

いまの「漢」字を
ブログで発信

「孤島」に切り込む
国産ケータイ

異次元映画
制作が難航

iPS細胞を活用
「美人再生」に大きな一歩

プロ野球にも
暖冬の影響

カラオケ採点機器に
耐久工業部品賞

縄文時代の
スキップ跡を発掘

遠山の金さん
別番組に差し替え

義理チョコの純度
2ケタアップ

トヨタ
リコール車種を拡大

相撲協会
「品格番付」を発表

伝統芸能の技法で
取り調べを可視化

国交省よ
そこまでするか

クラスター洗濯乾燥機
5年以内に実用化へ

動物発毛コンテスト
グランプリは……

釣りコンテスト
1位は800キロ以上

沖縄米軍の駐留地
全国持ち回りへ

一般道の速度上限
80キロに引き上げ

東京都議選
国政への影響は?

閣議中にめまい
閣僚数人を搬送

コツコツ型
進む二分化

臓器移植法改正
グラビア業界に波紋

アニメの殿堂
構想を抜本的見直し

セミの鳴き声
脳内の炎症が影響

おいしいコーヒー
「時計回り」が条件

「千差万別」は
差別用語

宇宙戦艦ヤマト
新エンジンを搭載

二重まぶた世襲の
禁止を提唱

いつまで続く?
上場企業の減益増嘆

世界経済の分岐点
デフレか、インフレか

若返りスキンケア
効能試験合格は「ゼロ」

9条だけじゃない
改憲の焦点

限界集落
安全性をアピール

テレビの平面的描写
空間認識に影響

東北大学
英語名称を変更へ

Yシャツの
透過性基準策定へ

真夜中の人間模様
斉藤食材店

パイロット急死
乗客が操縦し着陸

超低速回転型
増設ディスクを発売

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